ナールスゲンはGGT(γ-グルタミルトランスペプチダーゼ)を阻害することでグルタチオンを一過性に低下させ、最終的に表皮のグルタチオン量を増やします。この記事では、その科学的なメカニズムをGGT・システイン・線維芽細胞の連鎖で詳しく解説します。
【この記事の大切なポイント】
- グルタチオンは体内の強力な抗酸化物質ですが、加齢とともに減少し、肌の酸化ダメージが進みやすくなります
- GGT(γ-グルタミルトランスペプチダーゼ)はグルタチオンを分解する酵素で、プラス・マイナス両面の役割を持つ、グルタチオンと深く関わる酵素です
- ナールスゲンはGGTのはたらきを阻害することで、グルタチオンを一過性に「低下させます」
- この一過性の低下が「軽微な酸化ストレス信号」として線維芽細胞に伝わり、細胞の自己防衛システムが起動します
- その結果として、最終的に表皮のグルタチオン量が6時間後から増加し、48時間後も高値を維持します
- 「一時的に減らすことで最終的に増やす」という逆説のメカニズムが、ナールスゲンの独自性の核心です
「ナールスゲンはなぜグルタチオンを増やすのか?」
その答えは、GGT(γ-グルタミルトランスペプチダーゼ)という酵素の阻害から始まる“逆説的なメカニズム”にあります。
ナールスゲンは、GGTを阻害することでグルタチオンを一時的に低下させます。しかしこの変化が「軽微な酸化ストレス信号」として細胞に伝わることで、抗酸化ストレス応答が起動し、最終的に表皮のグルタチオン量は6時間後から増加し、24時間後にピーク、48時間後も高値を維持することが確認されています。
つまりナールスゲンは、「外から補う」のではなく「細胞自身の抗酸化力を引き出す」ことでグルタチオンを増やす成分です。この“減らして増やす”という独自の作用こそが、ナールスゲンが他のエイジングケア成分と一線を画す理由です。
本記事では、GGT・グルタチオン・システイン・線維芽細胞の関係をもとに、この科学的連鎖を段階的にわかりやすく解説します。
ナールスゲンの特徴・効果・エビデンスについては、「ナールスゲンとは?うれしい10の特徴と効果・作用メカニズムからエビデンス紹介」をご覧ください。
グルタチオンとは何か——皮膚における役割と加齢変化
ナールスゲンとグルタチオンの関係を理解するために、まずグルタチオンそのものについて知っておきましょう。
1)グルタチオンの化学的構造と抗酸化のしくみ
グルタチオンは、グルタミン酸・システイン・グリシンという3種類のアミノ酸が結合したトリペプチドです。人体のほぼすべての細胞に存在し、特に肝臓・腎臓・皮膚に多く含まれています。
グルタチオンの抗酸化作用の本体は、システインが持つSH基(チオール基)です。このSH基が活性酸素やフリーラジカルと反応して無害化することで、細胞の酸化ダメージを防いでいます。
グルタチオンには「還元型(GSH)」と「酸化型(GSSG)」の2形態があります。活性酸素を除去する過程で還元型から酸化型に変化しますが、グルタチオン還元酵素のはたらきによって再び還元型に戻ります。この再生サイクルがグルタチオンの抗酸化力を持続させています。
2)皮膚でのグルタチオンのはたらき
皮膚においてグルタチオンは主に表皮の角化細胞(ケラチノサイト)に多く存在しています。皮膚での主なはたらきは次のとおりです。
- 活性酸素・フリーラジカルの無害化:紫外線・大気汚染・ストレスなどによって発生する活性酸素から肌を守ります
- メラニン生成の抑制:チロシナーゼという酵素の活性を抑え、メラニンの過剰産生を防ぐ美白作用があるとされています
- ターンオーバーの正常化サポート:表皮細胞の酸化ダメージが少なくなることで、角化サイクルが乱れにくくなります
- バリア機能のサポート:酸化ストレスによる細胞ダメージを軽減し、角質層の健全性を保ちます
これらのはたらきから、グルタチオンはエイジングケアにとって非常に重要な成分であることがわかります。
3)加齢でグルタチオンが減少するとお肌はどうなるか
グルタチオンは体内で自然に産生されますが、20代をピークに加齢とともに産生能力が低下します。高齢者では若年者に比べてグルタチオン量が有意に低く、酸化ストレスが高いことが研究で報告されています。
グルタチオンが減少すると、皮膚では次のような変化が起こりやすくなります。
- 活性酸素を除去する力が低下 → コラーゲン・エラスチンが酸化ダメージを受けやすくなる
- 紫外線への抵抗力が低下 → 光老化が進行しやすくなる
- メラノサイトから生まれるメラニン生成が増加しやすくなる → シミ・くすみのリスクが上がる
- 皮膚全体の抗酸化力が落ちる → エイジングサインが加速する
だからこそ、加齢によって減少するグルタチオンをいかにサポートするかが、エイジングケアにとって重要な課題になるのです。
<参考記事>
ナールスゲンがグルタチオンを増やす!抗酸化ケアで「さびないお肌」を目指して
GGTとグルタチオンの「不思議な2面関係」
グルタチオンとナールスゲンの関係を理解する鍵となるのが、GGT(γ-グルタミルトランスペプチダーゼ)という酵素です。
1)GGT(γ-グルタミルトランスペプチダーゼ)とは何か
GGTは「γ-グルタミルトランスペプチダーゼ(Gamma-Glutamyl Transpeptidase)」の略称で、γ-GTPやγ-GPTとも呼ばれます。健康診断の血液検査でおなじみの「γ-GTP」がこの酵素です。
お酒の飲みすぎや肝臓への負担で数値が上がることで知られています。
GGTはほぼすべての生物に存在し、人の体内では腎臓・肝臓・膵臓・小腸など多くの臓器に分布しています。
皮膚においても、真皮の線維芽細胞および表皮に存在しており、ナールスゲンとグルタチオンの関係が展開される舞台はここです。
GGTの主な役割は、グルタチオンの細胞外での分解と細胞内への再供給サイクルを管理することです。つまり、グルタチオンの「リサイクル係」として機能しています。
2)GGTのプラス面:グルタチオン再循環システム
グルタチオンは、活性酸素を除去するはたらきを果たした後、細胞の外に出てしまうという性質があります。一度細胞の外に出たグルタチオンは、そのままでは細胞の中に入れず、抗酸化作用を発揮できなくなります。
ここでGGTの「プラス面」のはたらきが登場します。GGTは細胞外に出たグルタチオンを、グルタミン酸・システイン・グリシンという3つのアミノ酸に分解します。
分解された3つのアミノ酸は、それぞれ細胞内に取り込まれ、再びグルタチオンとして合成されます。これを「グルタチオン再循環システム」と呼びます。
つまりGGTは、使い終わって細胞外に出たグルタチオンを「原材料」に分解し、細胞内へ再供給することで、グルタチオンを効率よく再利用させる「リサイクル酵素」としての役割を担っているのです。
このサイクルがなければ、グルタチオンは一度使うと失われてしまいます。
3)GGTのマイナス面:グルタチオンの抗酸化力を一時的に弱める側面
ただし、GGTには「マイナス面」も存在します。GGTによる分解の過程では、グルタチオンが一時的に活性酸素を直接除去できない形(アミノ酸に分解された状態)になります。つまり、分解中のグルタチオンは抗酸化作用を発揮できません。
また、GGTが活発にはたらくことで、グルタチオンの再循環は促進される一方で、グルタチオン自体が持つ直接的な抗酸化バリアが一時的に薄れる側面があります。
このようにGGTは、グルタチオンにとって「再利用を助ける良い酵素」でもあり、「抗酸化力を一時的に弱める困った酵素」でもあるという、不思議な二面性を持っています。GGT・グルタチオン・システインという3つの登場人物の関係が整理できたところで、いよいよナールスゲンが登場します。
ナールスゲンとグルタチオンの「逆説のメカニズム」
「ナールスゲンの作用メカニズムを徹底解説GGT阻害からコラーゲン産生まで」でメカニズムの全体を解説しています。ここでは、ナールスゲンとグルタチオンに焦点をあてて解説します。
1)ナールスゲンはGGTを阻害する——その科学的根拠
ナールスゲンの前身である「GGsTop」は、もともと京都大学でGGTの研究を行う中で2005年に見出された、強力かつ選択的なGGT阻害薬です【1】。その後、コラーゲン産生促進作用が発見され、エイジングケア化粧品成分「ナールスゲン」として2012年に産学連携で誕生しました。
ナールスゲン(GGsTop)は、GGTの活性部位にあるLys562(リシン562番)というアミノ酸残基に共有結合し、GGTのはたらきを完全かつ不可逆的に阻害します【1】。「不可逆的」とは、一度結合すると元に戻らないことを意味します。
注目すべきは、分子量331.26ドルトンというごく小さなナールスゲンが、分子量約60,000ドルトンという巨大なタンパク質であるGGTを完全に失活させる点です。「小さな分子が巨大な酵素を制御する」という作用は、分子生物学的に見ても非常に興味深い現象です【1】【2】。
2)GGT阻害 → グルタチオン「一過性低下」のステップ
GGTが阻害されると、以下の変化が連鎖的に起こります。まず、GGTが機能しなくなることで、細胞外のグルタチオンをアミノ酸に分解・再循環させる作業が止まります。
その結果、細胞内へのシステイン供給量が減少し、細胞内でのグルタチオン再合成量が低下します。これがナールスゲンによるグルタチオンの「一過性の低下」であり、GGsTop処理によりグルタチオンの一時的低下とROS変動が確認されています【3】。
ここで重要なのは、この低下の「規模と時間」です。
- 低下量:細胞毒性が発現しないレベルの微量
- 低下時間:一過性(数時間以内)で、その後は回復・増加に転じる
- 範囲:皮膚に局所的に作用するため、全身への影響はない
3)グルタチオン低下 → 線維芽細胞活性化の連鎖
グルタチオンが一過性に低下することは、細胞内の酸化的環境がわずかに変化したことを意味します。線維芽細胞は、この変化を「軽微な酸化ストレス信号」として感知します。
これは細胞にとっての「小さな危険信号」です。
「もっと大きな酸化ダメージが来るかもしれない」と感じた線維芽細胞は、抗酸化ストレス応答を起動させます。これは細胞が本来持っている自己防衛システムが作動した状態です。
この応答の過程では、NF-κBなどの転写因子が関与する細胞活性化の連鎖が進み、線維芽細胞がより活発にはたらき始めます。その結果として、コラーゲン・エラスチン・HSP47・ヒアルロン酸の産生が促進されます【4】。
ここで重要なのが、この「危険信号」が適切なレベルに制御されている点です。ナールスゲンによるグルタチオン低下は、細胞の自己防衛システムを起動させるには十分ですが、細胞そのものを傷つけるほど強くはありません。この「ちょうどよい刺激」こそが、ナールスゲンの安全性の科学的根拠にもなっています。
4)「逆説」の結末——最終的にグルタチオンは増加する
ここにナールスゲンとグルタチオンの関係における最も重要なポイントがあります。ナールスゲンは最初にグルタチオンを一過性に低下させましたが、最終的には表皮のグルタチオン量が増加するのです。
そのメカニズムはこうです。抗酸化ストレス応答が起動した細胞は、「より大きな酸化ダメージに備えよう」として自身の抗酸化力を高めようとします。
その結果、グルタチオンの合成能力が増強されます。
実験データでは、ナールスゲンを皮膚に塗布した後、表皮細胞のグルタチオン量が6時間後から有意に増加し、24時間後にピークに達し、48時間後でも何も塗布しない場合よりも高い値を維持することが確認されています【3】。
| 時間 | グルタチオンの状態 | 何が起きているか |
| 塗布直後〜数時間 | 一過性に低下 | GGT阻害 → 再循環停止 → 細胞内システイン減少 |
| 6時間後 | 増加に転じ始める | 抗酸化ストレス応答 → グルタチオン合成能力が増強 |
| 24時間後 | ピークに達する | グルタチオン産生が最大化 |
| 48時間後 | 高値を維持 | コントロールより有意に高いグルタチオン量を持続 |
「一時的に減らすことで、最終的により多く増やす」——この逆説のメカニズムこそが、ナールスゲンとグルタチオンの関係における最大の特徴であり、ナールスゲンが他のエイジングケア化粧品成分にはない独自の価値を持つ理由です。
ナールスゲンのグルタチオン増加が肌にもたらす効果
ナールスゲンの肌への効果は、「ナールスゲンがおすすめの肌悩みと効果|「自らうるおい弾む肌」を目指す10の理由」で詳しく解説しています。ここでは、グルタチオン増加の効果に焦点をあてて解説します。
1)抗酸化力の向上——「さびない肌」への貢献
ナールスゲンによってグルタチオンが増加することで、表皮の活性酸素除去能力が高まります。
その結果として、次のような肌への効果が期待できます。
- 紫外線による酸化ダメージへの抵抗力向上:グルタチオンが増えることで、UV照射後の細胞生存率が高まることが基礎実験で示されています【3】。
- 光老化(しわ・シミ・たるみ)の進行を抑える予防美容:紫外線によるコラーゲン・エラスチンへの酸化ダメージが軽減されます。
- 環境ストレスへの肌の耐性向上:大気汚染や乾燥など日常的な酸化ストレスへの抵抗力がサポートされます。
エイジングケアの観点から「さびない肌」を維持するために、グルタチオン量を高いレベルで保つことは非常に重要です。ナールスゲンを毎日使い続けることで、この抗酸化力を継続的にサポートできます。
<参考記事>
2)グルタチオンの美白作用との関係
グルタチオンには、チロシナーゼ(メラニン生成に関わる酵素)の活性を抑える作用があるとされており、メラニンの過剰産生を防ぐ美白作用が期待されています。
ナールスゲンによるグルタチオン増加は、このメラニン抑制作用を間接的にサポートする可能性があります。くすみやシミの予防美容として、グルタチオン増加効果に期待できる理由の一つです。
ただし、ナールスゲンは医薬部外品ではなく、直接的な美白効果を謳うものではありません。あくまで「グルタチオンを増やすことによる間接的なサポート」として理解してください。
<参考記事>
3)コラーゲン産生サポートとの相乗効果
ナールスゲンによるグルタチオン増加は、真皮のコラーゲン産生サポートと同時に起こる効果です。
- 真皮での作用:GGT阻害 → 抗酸化ストレス応答 → 線維芽細胞活性化 → コラーゲン・エラスチン・HSP47・ヒアルロン酸の産生促進
- 表皮での作用:GGT阻害 → 抗酸化ストレス応答 → グルタチオン・HSP70が増加 → 抗酸化力向上・光老化抑制
つまりナールスゲンは、真皮ではハリ・うるおいの土台を「内側からつくる」作用を担い、表皮では酸化ダメージから肌を「守る」作用を担うという、2層同時ケアを実現している成分です。
「つくる」と「守る」が一つの成分で同時に起こることが、ナールスゲンが1つの成分で複数のエイジングケア効果が期待できる理由の核心です。
この作用の裏付けとして、ナールスゲン配合化粧品の継続使用で弾力改善も報告されています【5】。
ナールスゲン・グルタチオン・GGTの関係を整理する
1)3つの役者と関係性の全体像
| 役者 | 役割 | ナールスゲンとの関係 |
| GGT | グルタチオンを分解・再循環させる酵素(2面性あり) | ナールスゲンに阻害される「ターゲット」 |
| グルタチオン | 皮膚最強クラスの内因性抗酸化物質 | 一過性に低下→最終的に増加する「主役」 |
| 線維芽細胞 | コラーゲン等を産生する真皮の製造工場 | グルタチオン低下信号を受けて活性化する「実行役」 |
ナールスゲンはGGTを阻害することで、グルタチオン(主役)を一時的に変動させ、線維芽細胞(実行役)を活性化させる「演出家」の役割を果たしています。
2)「一過性の低下」と「最終的な増加」の24時間サイクル
先ほど示したタイムラインのとおり、ナールスゲンによるグルタチオン増加は24時間後にピーク・48時間後も高値維持というサイクルで進みます。
このサイクルを継続的に繰り返すためには、毎日の使用が不可欠です。朝のスキンケアにナールスゲン配合化粧水を取り入れることで、日中の紫外線による酸化ダメージに備えながら、夜間の肌の修復・再生もサポートできます。
ナールスゲン配合化粧品とグルタチオンケアの実践
1)毎日の使用で24時間サイクルを維持する
ナールスゲンによるグルタチオン増加は24時間後にピーク・48時間後も高値維持というサイクルで進みます。このサイクルを継続的に繰り返すためには、毎日の継続的な使用が不可欠です。
ナールスゲンには角質水分量を増やす効果も報告されています【5】。
朝のスキンケアにナールスゲン配合化粧水を取り入れることで、日中の紫外線による酸化ダメージに備えながら、夜間の肌の修復・再生もサポートできます。
おすすめはナールスゲン推奨濃度配合のエイジングケア化粧水「ナールスピュア」です。
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2)ビタミンC誘導体との組み合わせで抗酸化力をさらに強化
ナールスゲンによるグルタチオン増加に加えて、ビタミンC誘導体との組み合わせにより、お肌の抗酸化力をさらに高めることができます。
- ナールスゲン:GGT阻害 → 線維芽細胞活性化 → グルタチオン増加(内因性抗酸化力の向上)
- ビタミンC誘導体:強力な外因性の抗酸化作用 + コラーゲン合成の補酵素としての役割
この組み合わせは抗酸化の観点だけでなく、コラーゲン産生においても相加効果が確認されており(1+1が2以上の効果)、エイジングケアの相乗効果が期待できます。だからこそ、ナールスゲン配合の化粧水にビタミンC誘導体が同時配合されている製品を選ぶことが、最も理にかなった選択です。詳しくは、「エイジングケア化粧水はナールスゲンとビタミンCがおすすめ!なぜ?」をご覧ください。
3)グルタチオン配合化粧品との違い
市場にはグルタチオン自体を配合した化粧品も存在します。ナールスゲンによるアプローチとはどう違うのでしょうか。
グルタチオン配合化粧品は、外からグルタチオンを直接補給するアプローチです。一方、ナールスゲンは「肌の細胞自身がグルタチオンを産生する力を高める」アプローチです。外から補給するグルタチオンは角質層の浸透に限界がある一方で、ナールスゲンは細胞が自らグルタチオンを産生する力を引き出すため、より生理的なアプローチといえます。また、ナールスゲンによるグルタチオン増加は24〜48時間持続することが確認されており、継続的な抗酸化力のサポートが期待できます。
<参考記事>
ナールスゲン化粧品の選び方完全ガイド|なぜ化粧水が最適?アイテム別の役割と使いこなし
ナールスゲン配合の化粧水の選び方で失敗しない5つのポイントとは?
ナールスゲンとグルタチオンに関するよくあるご質問(FAQ)
Q1.ナールスゲンはグルタチオンを「減らす」のになぜ安全なのですか?
この疑問は非常に自然です。答えは「低下の規模と時間」にあります。ナールスゲンによるグルタチオン低下は、細胞毒性が発現しないレベルの微量・短時間の変化に限られています。そしてこの一過性の低下が起点となって、最終的に表皮のグルタチオン量が増加するという「逆説のメカニズム」が確認されています。また、細胞の自己防衛システムの範囲内でしか反応しないため、過剰反応が起きにくいことも安全な理由です。
Q2.ナールスゲンとグルタチオン配合化粧品、どちらを選べばいいですか?
どちらが優れているというわけではありませんが、アプローチの方向が異なります。グルタチオン配合化粧品は「外から補給する」発想であり、ナールスゲンは「細胞自身が産生する力を引き出す」発想です。ナールスゲンによるグルタチオン増加は24〜48時間持続することが実験で確認されており、毎日の使用で継続的な抗酸化力サポートが期待できます。悩みや肌質に合わせて選ぶか、両方を組み合わせる方法もあります。
Q3.GGT(γ-GTP)の数値が高い人は、ナールスゲンの効果が変わりますか?
血液検査のGGT(γ-GTP)値は、主に肝臓の状態を反映するものです。ナールスゲンは化粧品として皮膚に外用するものであり、皮膚の線維芽細胞・表皮に局所的に作用します。経皮吸収の範囲での作用に留まるため、血中のGGT値とナールスゲンの皮膚への効果は直接的には関係しないと考えられます。
Q4.ナールスゲンのグルタチオン増加効果はどのくらいで実感できますか?
実験データでは、塗布から6時間後にグルタチオン量の増加が確認され、24時間後にピークに達します。ただし、グルタチオン量の変化を直接「実感」することは難しいものです。グルタチオン増加による抗酸化力の向上が、くすみの改善・透明感の向上・肌のハリなどとして感じられるようになるには、継続使用(1〜3ヶ月)が目安です。
Q5.グルタチオンを食事から増やすことと、ナールスゲンのスキンケアを組み合わせる意味はありますか?
非常に有効な組み合わせです。食事によるグルタチオン補給(システインやグリシンを含む食材、アボカド・キウイ・ブロッコリーなど)は体内全体の抗酸化力を高めます。ナールスゲンは皮膚の表皮に特化してグルタチオンを増やすアプローチです。「内側から補う」食事と「外側から引き出す」スキンケアを組み合わせることで、肌の抗酸化力を内外両面からサポートできます。
Q6.ナールスゲンにデメリットはありますか?
ナールスゲンのデメリットは、「価格が高い」「効果実感まで時間がかかる」「単体の保湿力は緩やか」という3つです。しかし、それぞれ正しい理解と使い方で補うことができます。詳しくは、「ナールスゲンのデメリットと正しい使い方|3つの弱点を知って長く使い続けるコツ」をご覧ください。
まとめ
「ナールスゲンとグルタチオンの科学的関係|GGT阻害が抗酸化ケアを変えるメカニズム」として、GGT・グルタチオン・ナールスゲンの3つの役者が織り成す科学的連鎖をお伝えしてきました。
【ポイントの整理】
- GGTはグルタチオンを分解・再循環させるプラス面と、抗酸化力を一時的に弱めるマイナス面の両方を持つ酵素です
- ナールスゲンはGGTを不可逆的に阻害することで、グルタチオンを一過性に低下させます
- このグルタチオンの一過性低下が「軽微な酸化ストレス信号」として線維芽細胞に伝わり、抗酸化ストレス応答が起動します
- 最終的に表皮のグルタチオン量が6時間後から増加し、24時間後にピークを迎え、48時間後も高値を維持します
- 「一時的に減らすことで最終的により増やす」という逆説のメカニズムが、ナールスゲン独自の価値の核心です
ナールスゲンによるグルタチオン増加と食事からのグルタチオンサポートを組み合わせることで、「さびない肌」づくりをより効果的に実践できます。
参考論文(エビデンス)
本記事の科学的根拠として、以下の文献・資料を参照しています。
【1】Kamiyama A, Nakajima M, Han L, Wada K, Mizutani M, Tabuchi Y, et al.
Phosphonate-based irreversible inhibitors of human γ-glutamyl transpeptidase (GGT). GGsTop is a non-toxic and highly selective inhibitor with critical electrostatic interaction with an active-site residue Lys562 for enhanced inhibitory activity. Bioorg Med Chem. 2016;24(21):5340-5352.
PMID: 27622749 DOI: 10.1016/j.bmc.2016.08.050
日本語要旨:GGsTopがGGTの活性部位Lys562との相互作用を介して、高選択的かつ不可逆的に阻害することを示した基盤研究。ヒト線維芽細胞や肝星細胞で高濃度でも細胞毒性を示さない点も報告された。
【2】Watanabe B, Tabuchi Y, Wada K, Hiratake J.Synthesis and evaluation of the inhibitory activity of the four stereoisomers of the potent and selective human γ-glutamyl transpeptidase inhibitor GGsTop. Bioorg Med Chem Lett. 2017;27(21):4920-4924.
PMID: 28985998 DOI: 10.1016/j.bmcl.2017.09.017
日本語要旨:GGsTopの4つの立体異性体を合成・比較し、L体かつSₚ配置の異性体が最も高いGGT阻害活性を示すことを明らかにした。立体化学が阻害活性を左右することを示した研究。
【3】Watanabe B, Tabuchi Y, Wada K, Hiratake J.An improved synthesis of the potent and selective γ-glutamyl transpeptidase inhibitor GGsTop and its application to the determination of subcellular localization of γ-glutamyl transpeptidase activity in human skin fibroblasts. Tetrahedron. 2017;73(45):6673-6682.
DOI: 10.1016/j.tet.2017.09.019
日本語要旨:GGsTopの改良合成法を報告するとともに、ヒト皮膚線維芽細胞でのGGT活性の局在を解析した研究。抄録では、GGsTop処理によりグルタチオンが一時的に低下し、ROS上昇やコラーゲン産生増加がみられることが示されている。
【4】湯浅(小島)明子、林綸子、韓立友、渡辺文太、平竹潤、湯浅勲. γ-グルタミルトランスペプチダーゼ(GGT)阻害剤によるコラーゲンおよびエラスチン産生能の亢進効果とそのメカニズム. 日本香粧品学会誌. 2012;36(2):93-100.
日本語要旨:GGT阻害剤によって線維芽細胞のコラーゲン・エラスチン産生が高まることと、その機序を扱った国内文献。ナールスゲンの美容成分としての作用説明に最も近い日本語文献の1つ。
【5】多胡彰郎.エイジングケアに有効な新規アミノ酸誘導体とその作用機序.FRAGRANCE JOURNAL 41(1): 68-71, 2013.
日本語要旨:ナールスゲン配合化粧水の連続使用により、角質水分量や肌弾力の改善が示されたヒト評価データ。
なお、今回の記事に引用した以外のナールスゲンのエビデンスは、「ナールスゲンのエビデンス(科学的根拠)を示す学術論文のご紹介」を参照してください。
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