2026年3月9日

コラーゲンペプチドの効果は本当?最新研究でわかったメカニズムと肌への働き


コラーゲンサプリは「飲んでも意味がない」と言われることがあります。
しかし近年、コラーゲンを分解したコラーゲンペプチドについては、「コラーゲンの敵!紫外線による光老化から肌を守るコラーゲンペプチド」でも触れていますが、体内での吸収や細胞への作用が研究で明らかになりつつあります。

特に、摂取後にペプチドとして血中に吸収されることや、線維芽細胞の働きに影響する可能性が示され、コラーゲン摂取の作用メカニズムが以前より具体的に説明できるようになりました。

本記事では、研究報告をもとにコラーゲンペプチドの効果とメカニズムを中心に、わかりやすく解説します。

  • コラーゲンペプチドは摂取後、アミノ酸だけでなくペプチドとして血中に吸収される
  • Pro-Hypなどが線維芽細胞に作用し、細胞増殖や組織修復に関与する可能性
  • 臨床研究では水分量・弾力・シワ指標の改善が報告
  • 単なる栄養ではなく「生理活性シグナル」として働く可能性
  • 継続摂取と生活習慣の併用が重要
村上清美

この記事の執筆者

ナールスコム

店長村上清美

監修・編集責任者コメント
富本充昭

ナールスエイジングケアアカデミー・美容医療アカデミー 編集長 富本充昭

本記事ではコラーゲンペプチドの研究知見を整理していますが、大切なのは「特定の成分だけで肌状態が決まるわけではない」という視点です。皮膚の老化や変化には、紫外線、乾燥、生活習慣、栄養バランスなど多くの要因が関わります。コラーゲンペプチドに関する研究は進んでおり、吸収後にペプチドとして体内に存在し細胞に影響する可能性も示されていますが、あくまで肌管理の一要素として捉えることが重要です。外側からのスキンケア、紫外線対策、睡眠や食生活の見直しと組み合わせてこそ、日常的な肌コンディション維持につながります。科学的知見を正しく理解し、過度な期待や誤解なく取り入れることが望まれます。

コラーゲンペプチドとは何か

コラーゲンペプチドの加工プロセス

コラーゲンペプチドとは、コラーゲンを酵素などで分解し、体内に吸収されやすい低分子状態にしたものです。

コラーゲンは18種のアミノ酸からなるたんぱく質で、皮膚や血管、骨などにもある健康や美肌にとても大切な成分です。

皮膚では、真皮の約70%をコラーゲンが占めています。
しかし、通常のコラーゲンは分子量が大きく、そのままでは吸収されにくいと考えられていました。

そんなコラーゲンを加水分解によってペプチド化することで、消化管から効率よく吸収されるようにしたのがコラーゲンペプチドです。

美容や健康分野では、肌のハリやうるおい維持を目的として、サプリメントや機能性食品などに広く利用されています。


コラーゲンペプチドの効果が研究で解明

コラーゲンペプチドのエビデンスのイメージ写真

コラーゲンサプリメントは摂ることの有用性が明かになりつつあります。それはコラーゲンペプチドの効果によるものです。

1)肌の水分量や弾力の改善

ヒト臨床試験では、特定のコラーゲンペプチドを継続摂取することで、シワ指標の改善や真皮マトリクス合成の増加が報告されています【1】。これらは、真皮内でのコラーゲンやエラスチンなどの構成成分に影響を与えている可能性を示唆する結果です。

さらに別の臨床研究でも、皮膚水分量や弾力の改善が確認されており【2】、角層の保水性や皮膚の弾性特性に変化が見られる可能性が示されています。これらの変化は、単なる栄養補給として体内で利用されるだけでなく、皮膚組織の機能や構造に何らかの影響を及ぼしていることを示唆します。

このように、コラーゲンペプチドは「摂取したタンパク質の補給」という位置づけだけではなく、皮膚の状態改善に関与する可能性が研究で検討されています。

2)皮膚構造への関与(真皮マトリクス)

真皮マトリクス含む肌の断面:衰えた肌と若々しい肌

動物研究では、コラーゲンペプチド摂取により真皮コラーゲン線維の太さや密度が増加し、さらにグリコサミノグリカン量の増加も認められたことが報告されています【3】。

グリコサミノグリカンは水分保持や組織の柔軟性維持に関与する重要な成分であり、その増加は真皮マトリクス環境の改善につながる可能性があります。こうした変化は、皮膚の支持構造そのものに影響を与えうることを示しています。

これらの知見から、コラーゲンペプチドは真皮構造の維持や再構築過程に関与し、皮膚のハリや弾力を支える基盤に影響する可能性が示唆されています。

3)創傷治癒・瘢痕への影響(in vivo研究)

コラーゲン由来ジペプチドPro-Hypの作用は、細胞レベルだけでなく組織修復過程でも検討されています。

マウス腹壁の創傷モデルを用いた研究では、Pro-Hypを投与した群で筋再生に関与する細胞の集積が増加し、線維化(瘢痕形成)が少ない傾向が認められました【4】。

この結果は、Pro-Hypが単にコラーゲンの材料として利用されるだけでなく、創傷治癒を「瘢痕形成中心」から「再生中心」の方向へ導く可能性を示しています。

こうした知見は、コラーゲンペプチドが体内で生理活性ペプチドとして働き、組織修復や再生過程に関与する可能性を支持するものです。

【参考記事】
隠れシミがコラーゲンペプチドで改善するってホント?
コラーゲンは、NHK「ためしてガッテン!」でも効果が紹介された!


コラーゲンペプチドのメカニズム

コラーゲンペプチドのメカニズムのイラスト

1)吸収後もペプチドとして血中に存在

かつては、摂取したコラーゲンは消化されてすべてアミノ酸になると考えられていました。
そのため「コラーゲンを飲んでも体内で分解されるだけ」という見方が一般的でした。

しかし近年の研究では、コラーゲンペプチド摂取後に、プロリンヒドロキシプロリンを含むペプチド(Pro-Hypなど)がアミノ酸まで分解されず、ペプチドの形のまま血中に吸収されることが確認されています【5】。

さらに別の研究では、摂取後に血中だけでなく皮膚中でもコラーゲン由来ペプチドが増加することが報告されており【6】、体内で一定時間存在し組織に到達する可能性が示唆されています。

また近年では、ヒドロキシプロリンを含む安定したトリペプチドが血中に検出され、消化酵素による分解を受けにくい構造を持つことが明らかになっています【7】。こうしたペプチドは単なる分解産物ではなく、生理活性を持つ分子として体内で機能する可能性があります。

2)Pro-Hypなどのペプチドが線維芽細胞に作用

血中に吸収されたコラーゲン由来ペプチドの中でも、ジペプチドPro-Hypは特に研究が進んでいます。

研究では、Pro-Hypが創傷治癒に関与する特定の線維芽細胞の増殖を促す可能性が報告されています【8】。線維芽細胞は真皮でコラーゲンやエラスチンなどを産生する中心的な細胞であり、その活性化は皮膚構造維持に重要です。

さらに別の研究では、Pro-Hypが細胞遊走や増殖に関わるシグナル経路(インテグリンやERK経路など)を活性化することも示されており【9】、組織修復過程で細胞の移動や増殖を調整する役割が示唆されています。

これらの知見は、コラーゲンペプチドが単なる“材料供給”ではなく、細胞の働きを調節する生理活性シグナルとして作用する可能性を示しています。

3)線維芽細胞活性化 → コラーゲン産生促進の可能性

加齢のコラーゲン量の関係

線維芽細胞が活性化されると、真皮でのコラーゲン産生や細胞外マトリックス(ECM)の形成が促進される可能性があります。

ECMはコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸などから構成され、皮膚の強度や弾力、水分保持に重要な役割を持っています。線維芽細胞の働きが高まることで、これらの構造要素の維持や再構築が進む可能性があります。

その結果として

  • 肌のハリ維持
  • 弾力サポート
  • 皮膚状態の改善

などにつながる可能性が考えられています。

このように、コラーゲンペプチドは「体の材料になるタンパク質」という役割に加え、体内で生成されたペプチドが細胞に作用し、組織レベルの変化につながるというメカニズムが検討されています。


コラーゲンペプチドを摂る際のポイント

コラーゲンペプチドのパウダー

コラーゲンペプチドは食品であり、医薬品のように短期間で明確な効果が保証されるものではありません。体内で吸収・利用され、皮膚や組織に反映されるまでには一定の時間がかかるため、過度な即効性を期待するのではなく、生活習慣の一部として取り入れることが大切です。

効果を期待する場合は、次の点を意識しましょう。

1)継続的な摂取

臨床研究では、数週間から数か月の継続摂取で皮膚指標が評価されることが多く、短期間では変化を実感しにくい場合があります。日常的に無理なく続けられる形で取り入れることが重要です。

2)バランスのよい食事

コラーゲンの合成には、たんぱく質だけでなくビタミンC、鉄、亜鉛などの栄養素も関与します。偏った食事では体内での利用効率が十分でない可能性があるため、主食・主菜・副菜をそろえた食生活を基本にすることが望まれます。

3)紫外線対策や保湿などのスキンケア

紫外線は皮膚内のコラーゲン分解を促進するとされており、日焼け対策を怠るとコラーゲンの減少が進む可能性があります。また、保湿ケアによって角層環境を整えることで、肌状態の維持につながります。サプリメントだけに頼るのではなく、外側からのケアと併用することが重要です。

このように、コラーゲンペプチドは単独で劇的な変化をもたらすものではなく、生活習慣全体の中で補助的に活用することが現実的です。

執筆者コメント
村上清美

ナールスコム店長 村上清美

コラーゲンペプチドは「いつ飲めばよいか」「どれくらい続けるべきか」とよく質問をいただきますが、基本は毎日無理なく続けられるタイミングで取り入れることが大切です。特別な時間帯よりも、継続しやすい習慣化がポイントになります。また、サプリメントだけで肌が変わると考えるのではなく、保湿ケアや紫外線対策、十分な栄養と睡眠を合わせて行うことが現実的です。肌は生活習慣の影響を受けやすいため、内側と外側のケアをバランスよく続けることが、結果としてコンディション維持につながります。

【参考記事】
コラーゲンを毎日食べて、紫外線による光老化や肌老化を予防しよう!
コラーゲンの正しい摂り方を知って美肌とアンチエイジング
コラーゲンを毎日食べることが「免疫力アップ」のカギ!


コラーゲンペプチドに関するよくある質問

Q1. コラーゲンペプチドは体内で分解されて意味がなくなりますか?

完全にアミノ酸へ分解されるわけではなく、Pro-Hypなどのペプチドとして血中に吸収されることが確認されています。

Q2. コラーゲンペプチドはどのように肌に働くのですか?

血中に吸収されたペプチドが線維芽細胞に作用し、細胞増殖や組織修復過程に関与する可能性が示されています。

Q3. コラーゲンペプチドの美容効果は臨床で確認されていますか?

ヒト臨床試験では、シワ指標の改善や真皮マトリクス合成の増加が報告されています。

Q4. コラーゲンペプチドは皮膚構造にも影響しますか?

動物研究では、真皮コラーゲン線維密度やグリコサミノグリカン量の増加が報告されています。

Q5. コラーゲンペプチドはどれくらい続ければ良いですか?

食品であるため個人差がありますが、臨床研究では数週間〜数か月の継続摂取で評価されることが多いとされています。


まとめ

コラーゲンペプチドは、摂取後にアミノ酸へ完全分解されるだけでなく、ペプチドとして血中に吸収され、線維芽細胞に作用する可能性が研究で示されています。特にPro-Hypなどのコラーゲン由来ペプチドが細胞増殖や組織修復過程に関与するという知見は、コラーゲン摂取の効果メカニズムを理解するうえで重要です。

近年は、血中で検出されるペプチドの種類や安定性、細胞への作用経路などの研究が進み、コラーゲンペプチドの働きは単なる栄養補給を超えて説明できる段階に近づいています。

ただし、コラーゲンペプチドはあくまで食品であり、効果には個人差があります。バランスのよい食事や紫外線対策、保湿などの基本的なスキンケアと組み合わせて取り入れることで、日常的な肌管理の一助として活用することが望まれます。


<参照論文>

【1】Proksch E, Schunck M, Zague V, Segger D, Degwert J, Oesser S. Oral intake of specific bioactive collagen peptides reduces skin wrinkles and increases dermal matrix synthesis. Skin Pharmacol Physiol. 2014;27(3):113-119.

PMID: 24401291 DOI: 10.1159/000355523

【2】Inoue N, Sugihara F, Wang X. Ingestion of bioactive collagen hydrolysates enhance facial skin moisture and elasticity and reduce facial ageing signs in a randomized double-blind placebo-controlled clinical study. J Sci Food Agric. 2016;96(12):4077-4081.  PMID: 26840887 DOI: 10.1002/jsfa.7606

【3】Matsuda N, Koyama Y, Hosaka Y, Ueda H, Watanabe T, Araya T, et al. Effects of ingestion of collagen peptide on collagen fibrils and glycosaminoglycans in the dermis. J Nutr Sci Vitaminol (Tokyo). 2006;52(3):211-215.

【4】Jimi S, Koizumi S, Sato K, Miyazaki M, Saparov A.Collagen-derived dipeptide Pro-Hyp administration accelerates muscle regenerative healing accompanied by less scarring after wounding on the abdominal wall in mice.Sci Rep. 2021;11(1):18750.

PMID: 34548594 PMCID: PMC8455591 DOI: 10.1038/s41598-021-98407-9

【5】Iwai K, Hasegawa T, Taguchi Y, Morimatsu F, Sato K, Nakamura Y, et al. Identification of food-derived collagen peptides in human blood after oral ingestion of gelatin hydrolysates. J Agric Food Chem. 2005;53(16):6531-6536.

PMID: 16076145 DOI: 10.1021/jf050206p

【6】Yazaki M, et al. Oral ingestion of collagen hydrolysate leads to elevated levels of collagen-derived peptides in blood and skin. J Agric Food Chem. 2017.

【7】Taga Y, Iwasaki Y, Tometsuka C, Funato N, Shigemura Y, Kusubata M, et al. Identification of a highly stable bioactive 3-hydroxyproline-containing tripeptide in human blood after collagen hydrolysate ingestion. NPJ Sci Food. 2022;6(1):29.  PMID: 35662250 PMCID: PMC9166765  DOI: 10.1038/s41538-022-00144-4

【8】Sato K. Collagen-Derived Di-Peptide, Prolylhydroxyproline (Pro-Hyp): A New Low Molecular Weight Growth-Initiating Factor for Specific Fibroblasts Associated With Wound Healing. Front Cell Dev Biol. 2020;8:548975.

PMCID: PMC7728856  PMID: 33330443

【9】Ide K, Takahashi S, Sakai K, et al. The dipeptide prolyl-hydroxyproline promotes cellular homeostasis and lamellipodia-driven motility via active β1-integrin in adult tendon cells. J Biol Chem. 2021;297(1):100819.

PMID: 34029590 PMCID: PMC8239475 DOI: 10.1016/j.jbc.2021.100819

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