PEG-60水添ヒマシ油は、刺激性が低く、安全性の高い非イオン界面活性剤です。
洗浄剤、乳化剤としてスキンケア化粧品やヘアケア製品などに広く使用されています。
この記事では、PEG-60水添ヒマシ油の効果や安全性をご紹介します。
また、どんなスキンケアアイテムやコスメに配合されるかもご紹介します。
さらに、PEG-60水添ヒマシ油配合のオススメのクレンジング料についてもご紹介します。
この記事(1から3章、5章)の監修者
pluskampo株式会社代表
薬剤師
笹森有起(ささもり ゆうき)さん
「日常を彩る、新しい漢方の可能性の追求」をミッションに
オンラインで漢方処方を行う「+kampo(プラス漢方)」、オリジナル漢方製品の企画開発を行っております。
+kampo公式サイト
+kampoのアドバイザー医師:新見正則先生
新見正則医院ホームページ
<メッセージ>
化粧品はさまざまな成分が配合されて開発されています。
化粧品の効果は、個人の肌質や健康状態によって異なる結果になることがあります。つまり、化粧品の効果は個人差があるため、全ての人に同じ結果が得られるわけではありません。
また、新しい化粧品成分を使用する際には、パッチテストを行うなど安全に使えるように留意することも大切です。
化粧品成分を正しく理解して上手に化粧品を使いましょう。
メーカー営業、エステティシャンを経て、現在、ナールスゲン入りエイジングケア化粧品「ナールス」の公式サイト「ナールスコム」の店長として、ナールスブランドに関わる業務全般を担当。
<保有資格>
コスメコンシェルジュ
◆化粧品検定1級
◆日本エステティック協会認定エステティシャン
◆日本エステティック業協会上級認定エステティシャン
◆ソワンエステティック協会認定ビューティーセラピスト
CONTENTS
1.PEG-60水添ヒマシ油に興味がある方へ
「PEG-60水添ヒマシ油は非イオン界面活性剤。安全で適度な洗浄力の成分!」をお届けします。
今回は、コスメ好きでもあまり深く知られていない界面活性剤のお話です。
PEG-60水添ヒマシ油は、刺激が低く、安全性の高い非イオン界面活性剤です。
それほど知名度が高くない化粧品成分ですが、とても有用です。
PEG-60水添ヒマシ油には、洗浄作用があるので、洗顔料やクレンジング料、シャンプーなどの頭皮ケアのアイテムをはじめ、多種多様なスキンケアアイテムに配合されます。
また、化粧水、美容液などの乳化剤としても使われる成分です。
安全性が高いことから敏感肌化粧水を含む敏感肌化粧品、エイジングケア化粧品にも配合されることがあります。
正しいエイジングケアのためには、PEG-60水添ヒマシ油をはじめ、さまざまな化粧品成分の理解が大切です。
そして、上手に日々のスキンケアやエイジングケアに活かすことが大切です。
この記事では、PEG-60水添ヒマシ油の特性、効果、安全性について詳しくご紹介します。また、どんなスキンケアアイテムやコスメに配合されるかもご紹介します。さらに、PEG-60水添ヒマシ油配合のオススメのクレンジング料についてもご紹介します。
「PEG-60水添ヒマシ油のはたらきは?どんな効果があるの?」
「非イオン界面活性剤の特徴は?」
「PEG-60水添ヒマシ油の安全性や刺激性は?敏感肌でも使えるの?」
「PEG-60水添ヒマシ油はどんな化粧品に配合されるの?教えて!」
「PEG-60水添ヒマシ油配合のオススメの化粧品は?」
などが気になる方は、ぜひ、続きをチェックしてくださいね。
<オススメのPEG-60水添ヒマシ油配合クレンジングなら>
医師監修で石鹸より優しいアミノ酸系洗浄成分配合
*敏感肌でも安心のクレンジングジェル「ナールス エークレンズ」
- PEG-60水添ヒマシ油は、非イオン界面活性剤の1つです。医薬部外品の場合の表示名称は、「ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油」です。
- 非イオン界面活性剤は、水に溶けた際に帯電しにくく、静電気を発生しないので使いやすいというメリットがあります。今では、さまざまな製品に汎用されています。
- PEG-60水添ヒマシ油の「60」は、親水性、つまり水への溶けやすさを示す指標です。水性のクレンジングジェルや化粧水など、水分の多いものによく使われます。
- PEG-60水添ヒマシ油には、洗浄効果や乳化作用があることから、洗顔料やクレンジング料をはじめさまざまな化粧品に配合されます。眼刺激性もないことから、目薬に配合されることもあります。
- PEG-60水添ヒマシ油は、毒性や刺激性もほとんどなく、安全性が高い成分です。その効果と安全性から、乾燥肌や敏感肌の方でも安心して使うことができます。
2.PEG-60水添ヒマシ油とは?
1)界面活性剤の基本
PEG-60水添ヒマシ油をご紹介する前に界面活性剤について簡単にふれておきます。
界面活性剤とは、物質と物質の境界面、つまり界面に作用して、性質を変化させる物質のことです。
界面活性剤は、お肌に刺激のあるものから優しいものまでさまざまな種類があります。
界面活性剤が、水と油のように混じり合わないものを混ぜ合わせることができるのは、1つの分子内に水になじみやすい「親水基」と、油になじみやすい「親油基(疎水基)」の2つの構造を持っているからです。
界面活性剤には、主に次の3つの作用があります。
- 浸透作用
- 乳化作用
分散作用
このはたらきを利用して、医薬品、化粧品、クレンジング料、洗顔料、シャンプーなどの洗浄剤、台所用・洗濯用の洗剤、食品などの成分としても広く使われています。
2)非イオン性界面活性剤とは?
界面活性剤は、大きく分けて2つのタイプが存在します。
水に溶けた時に、電離してイオン(電荷をもつ原子または原子団)となるイオン界面活性剤とイオンにならない非イオン界面活性剤です。
イオン界面活性剤は、水に溶けた場合のイオンの種類によって、3種類に分かれます。
- アニオン(陰イオン)界面活性剤
石鹸やラウロイルグルタミン酸Naなど
- カチオン(陽イオン)界面活性剤
セトリモニウムクロリドやココイルアルギニンエチルPCAなど
- 両性(陰イオンと陽イオンの両方をあわせ持つ)界面活性剤
水添レシチンやリゾレシチンなど
非イオン(ノニオン)界面活性剤は、水に溶けたとき、イオン化しない親水基をもっている界面活性剤です。
水の硬度や電解質の影響を受けにくく、ほかのすべての界面活性剤と併用できることがメリットです。
また、浸透性、乳化・分散性、洗浄性などの性能面でイオン界面活性剤に劣らず、静電気を発生しないというメリットもあります。
そのため、非イオン界面活性剤は、アニオン界面活性剤とならぶ主力界面活性剤になっています。
ペンタステアリン酸ポリグリセリル-10やラウリン酸ポリグリセリル-10、ミリスチン酸ポリグリセリル-10、PPG-4セテス-20、ポリソルベート-20などがあります。
3)PEG-60水添ヒマシ油の基本
PEG-60水添ヒマシ油は、トウゴマという植物の種子(ヒマシ)から抽出されるヒマシ油に水素を添加し、酸化しにくく改良した非イオン界面活性剤です。
また、石油由来の酸化エチレンを付加重合したものもあります。
化粧品としての全成分表示は、「PEG-60水添ヒマシ油」です。
一方、医薬部外品の場合の表示名称は、「ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油」です。
PEG-60水添ヒマシ油は、PEG水添ヒマシ油の1つです。
PEG-60水添ヒマシ油は、水を外部相とし、その中に油が微細粒子状に分散している水中油滴型(O/W型:Oil in Water type)の状態となります。
ほかにも、PEG-10水添ヒマシ油、PEG-25水添ヒマシ油、PEG-30水添ヒマシ油、PEG-40水添ヒマシ油、PEG-50水添ヒマシ油、PEG-80水添ヒマシ油、PEG-100水添ヒマシ油、PEG-200水添ヒマシ油など多くの種類があります。
この数値は、親水性、つまり水への溶けやすさを示すもので、数字が大きいほど親水性が高いことを示しています。
化粧品でよく使われるのは、PEG-40水添ヒマシ油とPEG-60水添ヒマシ油です。
PEG-60水添ヒマシ油は、水性のクレンジングジェルや化粧水など、水分の多いものによく使われます。
一方、PEG-40水添ヒマシ油は、乳液や保湿クリームなど油分が多いものに使われます。
4)PEG-60水添ヒマシ油が配合される化粧品
PEG-60水添ヒマシ油は、さまざまな化粧品に配合されます。
洗顔料、クレンジングジェルなどのクレンジング料、保湿化粧水、保湿美容液、乳液、保湿クリーム、フェイスマスク、オールインワン化粧品、ボディクリーム、ハンドクリーム、頭皮ケアや爪ケア用のアイテム、日焼け止めや化粧下地やファンデーションなどのメイク用のアイテム、香料に使われます。
エイジングケア化粧水、エイジングケア美容液、エイジングケア保湿クリームなどにも配合されるようになっています。
さらに眼刺激性もないことから、目薬にも配合されます。
3.PEG-60水添ヒマシ油の効果と安全性
1)PEG-60水添ヒマシ油の効果
①洗浄
PEG-60水添ヒマシ油の基本的なはたらきは、浸透、乳化、分散の3つの力で洗浄力を発揮することです。
洗顔料やクレンジング料に配合される場合は、このはたらきを期待してのものです。
また、化粧水や美容液などに配合される場合は、乳化作用を発揮して安定的に成分同士を混じり合わせます。
さらに、肌を覆うことで肌に含まれる水分の蒸散を防ぐ効果があります。
界面活性剤の水と油への親和性の程度を表す指標には、HLB(Hydrophilic-Lipophilic Balance:親水親油バランス)が使われます。
HLB値は、0〜20までの値があります。
0に近いほど親油性が高く油になじみやすい性質で、20に近いほど親水性が高く水になじみやすいことがHLB値でわかります。
PEG-60水添ヒマシ油のHLB値は、14〜15程度であることが知られています。
つまり、比較的、水に溶けやすいのです。
<分散と乳化>
分散も乳化も、本来は混じり合わないものを混じらせることは同じです。
しかし、乳化が液体同士で混じりあうことで、分散は液体の中に固体を均一に混じり合わせることを指します。
PEG-60水添ヒマシ油には、乳化と分散の両方のはたらきがあります。
②リポソームの乳化安定性向上
PEG-60水添ヒマシ油には、リポソームの乳化安定性を高めるはたらきがあります。
脂質二分子膜からなる小胞体(ベシクル)のことをリポソームといいます。
これは、簡単にいえば、化粧品の成分を肌に効率的に浸透させる技術の1つです。
水溶性の有効成分は、本来、肌の奥に届けにくい性質がありますが、リポソームによって浸透しやすくなります。
PEG-60水添ヒマシ油は、このはたらきをサポートします。
③可溶化
PEG-60水添ヒマシ油は、香料やレチノールやトコフェロール、VCIPなど油溶性ビタミンの可溶化剤として使用されることもあります。
2)PEG-60水添ヒマシ油の安全性
PEG-60水添ヒマシ油は、毒性はなく、刺激性も少なくて安全性が高い成分です。
そのためバリア機能を壊すなどのリスクが低い成分です。
したがって、乾燥肌や敏感肌、乾燥性敏感肌、インナードライ肌などをはじめ、どんな肌質の方でも使うことが可能です。
だから、子供の乾燥肌対策や高齢の方の乾燥肌対策のアイテムの乳化剤として使われることもあります。
もちろん、普通肌や脂性肌、混合肌でも使えます。
しかし、どんな成分でも誰にでも安全とはいえませんし、接触皮膚炎や化粧品かぶれ、肌荒れなどになる可能性を100%否定することはできません。
だから、アトピー性皮膚炎などアレルギーのある方やお肌が弱い方は注意が必要です。
肌が弱いなどで気になる方は、パッチテストをすることをおすすめします。
4.PEG-60水添ヒマシ油配合のオススメのクレンジング料
PEG-60水添ヒマシ油配合のオススメのクレンジングジェルをご紹介します。
アミノ酸系界面活性剤配合クレンジングジェル「ナールス エークレンズ」です。
水性のオイルフリーのクレンジングジェルで、PEG-60水添ヒマシ油以外にもアミノ酸系界面活性剤の1つであるラウロイルグルタミン酸Naが主な洗浄成分なので、乾燥肌や敏感肌でも安心して使えるクレンジング料です。
また、ダブル洗顔不要のクレンジング料です。
PEG-60水添ヒマシ油配合以外の特徴は次のとおりです。
ナールス エークレンズは、皮膚科医監修で、次のような特徴があります。
- アミノ酸系界面活性剤により、お肌に負担の少ないクレンジングが可能です。
- 粘りのあるジェルがお肌に密着し、汚れをしっかり落としながらも、優しく洗い上げます。
- クレイ(軟質多孔性の海泥)の力で毛穴の汚れを落とすクレンジングをサポート。
- アーチチョーク葉エキス配合で、毛穴のたるみ、毛穴の開きや詰まり、いちご鼻、ザラつきなどの毛穴の悩みにアプローチし、毛穴の目立ちにくいお肌をサポートします。
- ナノサイズまで小さくした「金コロイド」を配合。永続する抗酸化効果で、お肌の老化の原因となる活性酸素を除去し、お肌の酸化を防ぎます。
- 保湿成分である酒粕エキス、トウミツ、ユズ果実エキスの効果で、保湿やバリア機能の改善をサポートします。
- 肌荒れ防止成分のシソ葉エキス、カワラヨモギ花エキスが、デリケートなお肌を優しくいたわり、肌荒れを感じさせない健やかな素肌へと導きます。
- 12の無添加(無香料、無着色、無鉱物油、オイルフリー、アルコールフリー、パラベンフリー、フェノキシエタノールフリー、石油系界面活性剤フリー、PG・DPGフリー、紫外線吸収剤フリー、旧表示指定成分フリー)を実現しています。
ダブル洗顔不要でマツエクもOKのクレンジング料です。
ぜひ、エイジングケア世代の女性に使っていただきたいクレンジングジェルです。
<全成分>
水、BG、ラウリン酸ポリグリセリル-10、ペンチレングリコール、グリセリン、ラウロイルグルタミン酸Na、ヒアルロン酸Na、加水分解ヒアルロン酸、酒粕エキス、トウミツ、金、タナクラクレイ、カワラヨモギ花エキス、シソ葉エキス、ユズ果実エキス、アーチチョーク葉エキス、ダマスクバラ花油、PEG-60水添ヒマシ油、カルボマー、ポリアクリル酸Na、水酸化K
5.まとめ
PEG-60水添ヒマシ油がどんな化粧品成分なのか、その効果や安全性をご紹介しました。
また、どんなスキンケアアイテムやコスメに配合されるかもご紹介しました。
さらに、PEG-60水添ヒマシ油配合のオススメのクレンジングジェルについてもご紹介しました。
いかがだったでしょうか?
PEG-60水添ヒマシ油は、非イオン界面活性剤でその使いやすさと安全性の高さから、クレンジング料をはじめさまざまな化粧品に使われています。
そのはたらきは、乳化剤だけでなく、リポソームのサポートや可溶化まで幅広いものです。
また、眼刺激性がないことから、目薬にも使われています。
ぜひ、PEG-60水添ヒマシ油を上手にエイジングケアに取り入れてくださいね。
この記事「PEG-60水添ヒマシ油は非イオン界面活性剤。安全で適度な洗浄力の成分!」が、エイジングケア世代の皆様のお役に立てば幸いです。
<PEG-60水添ヒマシ油配合クレンジングが気軽に試せる>
エイジングケア世代向けクレンジングシェル「ナールス エークレンズ」がお試しできるエイジングケア化粧品ナールスのトラベルセット
著者・編集者・校正者情報
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。
医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。
一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト
著作(共著)
(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子)
大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
そんな中で、「これは!」という、みなさまの健康づくりのご参考になるような情報ご紹介したり、その時期に合ったスキンケアやエイジングケアのお役立ち情報をメールでコンパクトにお届けしています。
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