水は健康や美肌に大切。しかし、摂りすぎには注意を!

水は健康や美肌に大切。しかし、摂りすぎには注意を!

消化器内科専門医 安元悠二 先生

医学部医学科を卒業後、私立大学病院で勤務。
大学時代のライター経験を生かし、医師として働きながらも医療関連記事を執筆している。
医療だけでなく、美容やサプリメントの監修や美容クリニックの記事執筆、コスメの選び方の解説など、さまざまな執筆活動を行っている。

水はお肌にとっても健康にとっても大切です。

肌の水分量とは、肌の一番表面の「角質層」に含まれる水分量のことで、健康的な肌の水分量は20〜30%だといわれています。

そんなカラダや肌の水分量は、エイジング(加齢)によって減っていきます。
また、外気の湿度にも大きく影響を受けるため、乾燥した環境下では水分量が減り、肌も乾燥しやすくなってしまいます。

乾燥肌を防ぐには、年令を重ねるにつれてエイジングケア化粧品による保湿を行ったり、水分を摂ることが大切になってきます。

しかし、水を飲み過ぎると水中毒になる可能性があることをご存知でしょうか。

水中毒の初期の症状として、めまいや頭痛、吐き気、嘔吐などが現れます。
さらに、重症となると次のようなより深刻な症状を引き起こすこともあるのです。

● 眠気
● 筋力低下またはけいれん
● 血圧上昇
● 複視
● 錯乱
● 感覚障害
● 呼吸困難
● 脳浮腫

水中毒は、水を多量に飲みすぎることにより血液中の電解質、特にナトリウムの濃度が薄くなりすぎること、つまり「低ナトリウム血症」という状態になることで起こります。

ナトリウムは、細胞の内外の体液のバランスを維持するはたらきがありますが、この濃度が薄まることでバランスが崩れてしまうのです。

こうした水中毒を防ぐには、短時間の間に大量の水を飲まないこと、そして水を飲むタイミングに気をつけることが大切です。

一般的には、人は普通に生活しているだけでも1日に2.5Lの水分が必要といわれています。
年齢や性別、体格などの個人差はありますが、食事中の水分や体内でつくられる水の量は1.3L程度です。
つまり、減った水分を補うためには、新たに1.2Lの水分を摂取する必要があります。
この量は、牛乳瓶でいうと6本分に相当します。

暑い日や激しい運動をする場合などはしっかりと水分補給する必要がありますが、決められた量の水を無理に飲み続けることは避けましょう。
喉の渇きに応じて、こまめに水分を補給することを心がければ過剰な摂取にもならず、過度の脱水も防ぐことができます。

また、激しい運動などを行う場合は、水分の取り過ぎで引き起こされる低ナトリウム血症を防ぐために、スポーツドリンクなどのナトリウムを多く含む電解質飲料で水分補給することも大切です。

健康や美肌にとって水分補給はとても大切なです。
しかし、水分を摂りすぎることは体に良くありません。
水中毒にならないためにも上手に正しく水を飲んで健康と美肌を目指しましょう。

また、もう1つ注意したいのは、化粧品などによる皮膚表面からの水の摂りすぎです。

エイジングケア化粧品の配合成分の多くは水ですが、大量に使うと肌をふやけさせるリスクになって、肌のバリア機能が低下します。

また、水が乾く際に肌の水分も一緒に蒸発して乾燥肌の原因になることもあるのです。

したがって、健康や正しいエイジングケア、美肌のためには今回説明したように飲む水の量や化粧品の使う量に気をつけて適量を意識しましょう。

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