エイジングケア世代になると頭皮や毛髪も衰えてきます。
そのため、シャンプーには育毛成分が配合され、優しく頭皮ケアができるものが必要になってきます。
この記事では、現役美容師がエイジングケア世代シャンプーの選び方を詳しくご紹介します。
<おすすめのアミノ酸シャンプーをご紹介!>
*市販のアミノ酸シャンプー人気おすすめ14選!メリットや成分を解説
CONTENTS
1.シャンプーを選びに迷うエイジングケア世代の方へ
この記事は、現役美容師がエイジングケア世代の方のためのシャンプーの選び方をご紹介するものです。
エイジングケアアカデミーの編集部では、エイジングケアやアンチエイジングに関するさまざまな記事を提供していますが、中にはそれぞれの領域の専門家の協力を得て提供するものがあります。
今回の「エイジングケア世代シャンプーの選び方を現役美容師が指南」は、そんな記事の1つで、現役の美容師さんに執筆いただきました。
エイジングケア世代になると女性の薄毛や抜け毛も増えてくるため、育毛成分が入っていたり、頭皮ケアができる優しいシャンプーを選ぶことが大切です。
「エイジングで頭皮や毛髪はどうなるの?」
「エイジングケア世代のシャンプーの選び方は?」
「頭皮ケアにはどんな成分が入っていればよいの?」
「育毛成分って効果があるの?」
「エイジングケア世代で避けたい洗浄成分は?」
などが知りたい方は、ぜひ、続きをチェックしてください。
<執筆者プロフィール>
海外で美容師をするゆかです。
日本で修行をした後、カナダ、パリ、オーストラリアの美容院で勤務し、今現在は台湾でフリーで働いています。
各国でアジア系の美容院や完全にローカルの美容院(ウエスタンの方しか来られない美容院)で働かせていただきました。
そのおかげで各国のトレンドや色んな髪質に触れてきました。
その経験を元に、お客様それぞれの個性を引き出せるような仕事を目指しています。
また、私の経験や知識が皆さまの手助けになれたらと思い、執筆活動も同時にさせていただいております。
2.エイジングで頭皮や毛髪は衰える!
1)エイジングによる頭皮の衰え
エイジングケア世代にとってお肌のたるみはとても気になりますよね。
実は、お肌だけでなく頭皮もたるむことはご存知でしょうか?
また、加齢とともに頭皮の弾力が失われると、厚みまでもなくなってしまいます。
若い健康な状態ではきちんと厚みがあるので、毛穴もまっすぐな健康な状態で成長してくれます。
しかし、弾力を失い頭皮の厚みが薄くなると、毛穴が湾曲して扱いにくい髪の毛が生えてきたり、細い髪の毛が生えてきやすくなります。
また、頭皮の皮膚はお顔とつながっているので顔のたるみの原因にもなりかねません。
2)エイジングによる毛髪の衰え
エイジングによって、髪の毛は細くなりハリやコシがなくなってくるため、髪の毛のボリュームがなくなってきます。
頭皮も衰えることから、健康な髪の毛が育ちにくくなり、パサついたり、ツヤのない髪の毛になりやすいのです。
また、頭皮が衰えることで女性の薄毛や抜け毛も増えてきます。
3.エイジングケア世代のシャンプーを選ぶ前に
頭皮や毛髪の衰えについて知ると、今すぐケアがしたくなりますよね。
そこで、間違ったケアをしてしまわないためにも正しい知識をつけましょう。
お客さまとお話しさせていただいていると、「頭皮ケアのために育毛シャンプーを使いたい!」「薬用シャンプーって効くの?」などとよく聞かれます。
しかし、皆さんが思っている世間の常識と真実は違うところもあるので、ぜひ正しい知識をつけていただきたいと思います。
1)シャンプーに育毛成分は効果があるの?ないの?
エイジングケア世代の方が特に気になるシャンプーは、育毛成分が入っているシャンプーではないでしょうか?
薄毛や髪のボリュームが気になっている方にとっては、特に気になる成分ですよね。
しかし、「美容師に聞く30代から始めたい女性の抜け毛予防!」の記事でもお話ししたことがあるように、仮に育毛効果に優れている成分が含まれていたとしても、すぐに洗い流してしまうので頭皮にあまり吸収されません。
育毛剤でさえ洗い流さずにつけっぱなしの状態にしているのに、髪の毛がすぐに生えてきたという話を聞かないので育毛シャンプーで効果がすぐに得られるとは思いません。
そのことからも育毛シャンプーにお金をかけるのであれば、他の優良なシャンプーに目を向けた方がよいかと思います。
また、スカルプシャンプーで髪の毛が増えるとお考えの方も多いかと思いますが、実際は頭皮環境を整えるものであって、育毛効果があるわけではありません。
頭皮ケアをし、頭皮環境がよくなることで髪の毛の成長を促す効果につながると考えられますが、魔法のようにみるみる髪の毛が生えてくるシャンプーは存在しないのでご注意ください。
結論としては、育毛シャンプーやスカルプシャンプーには頭皮環境を整えることの効果はあっても、育毛そのものへの効果はないのです。
2)頭皮ケアの間違いをしないために
①皮脂は落としすぎない
特に男性用の頭皮ケア商品の広告やCMで、「頭皮ケアのために余分な皮脂はしっかり落としましょう」言われていることが多いかと思います。
たしかに古い皮脂を落すことは大切です。なぜなら、古い皮脂は酸化してしまって、頭皮の環境を悪くすることがあるからです。
例えば、酸化した皮脂は、皮膚炎や湿疹、肌荒れの原因になるだけでなく、臭いの元にもなります。こんな状態は女性でも男性でも嫌ですよね。
しかし、皮脂を落としすぎるのはよくありません。なぜなら、脂は頭皮にとってとても重要だからです。
具体的には、皮脂には次のようなはたらきがあります。
- 弱酸性に保つ
- 細菌の繁殖を整える
- 頭皮の水分を保つ
- 外部刺激から頭皮を守る
だから、頭皮の皮脂をすべて取り去ることは、かえって頭皮の環境を悪化させるのです。
例えば、皮脂を取り過ぎることにより頭皮上で細菌が繁殖したり、水分が減ることで乾燥することになってしまうのです。
また、皮脂を落とし過ぎてしまったときは、頭皮が乾燥肌によって皮脂が不足していると感じます。その結果、通常より多く皮脂を分泌してしまうのです。
こうしたことを避けるには、2つのポイントがあります。
1つは、ラウリル硫酸Naやラウレス硫酸Naなどの洗浄力や脱脂力の強い界面活性剤を使用しないことです。
もう1つは、シャンプーのし過ぎです。
シャンプーは1日1回を基本として、しっかり洗い流しましょう。
夏など汗をよくかく季節でも、シャンプーとは別に補助手段としてお湯で頭皮を洗うお湯シャンを1回までを目安としましょう。
②殺菌剤の使いすぎは逆効果
皆さんは頭皮が荒れた時に殺菌剤が有効だとお考えではないでしょうか?
たしかに細菌を減らすという点では有効です。
しかし、使い方を間違えると頭皮環境がさらに悪くなってしまいます。
なぜなら、殺菌成分が本来頭皮を守ってくれている皮膚常在菌までも殺してしまうからです。
殺菌剤が効く症状の例としてフケ症があります。
フケ症は「でんぷう菌」という菌が原因なので、それを殺菌することで症状が改善します。
また、菌が原因のものは他にニキビがあります。ニキビは「アクネ菌」が原因です。
殺菌剤を使えば最菌は殺すことができるので、殺してしまえば症状が治まると殺菌剤を多用されています。
しかし、先ほど述べたように殺菌剤は菌を選別して殺すことができないことが多いので、大切な皮膚常在菌までも殺してしまいます。
皮膚常在菌はバランスが取れていることで、皮膚表面を弱酸性に保ったり、保湿してくれることによりバリア機能を正常化するはたらきがあります。
また、不要な雑菌の繁殖を抑えます。しかし、殺菌剤で皮膚常在菌のバランスが崩れると頭皮環境を守れなくなるのです。
その結果、元からの悩み以上の頭皮のトラブルを引き起こしやすくなります。
こうした理由から殺菌剤の長期にわたる使用を避けなければいけません。
殺菌剤はシャンプーだけでなく、薬用ハンドソープや塗り薬など私たちの生活の身近なところでよく使用されています。
知らず知らずのうちに使用し続けていることもあるので、全成分表示で以下の成分が入っていたら使用頻度に注意してください。
「サリチル酸」「ピリチン亜鉛(ジンクピリオン)」「トリクロサン」「ベンザルコニウム塩化物」「ユーカリ油」などです。これ以外にも多くの殺菌剤が存在します。
これらは、薬用化粧品(医薬部外品)にも比較的多く含まれます。また、収れん化粧水やふき取り化粧水などにも配合されていることもあります。
③オレフィンスルホン酸Naに注意
先ほど、脱脂力が強い界面活性剤であるラウリル硫酸Naやラウレス硫酸Naは避けるように説明させていただきました。
この成洗浄成分はあまりにも有名になった為その代替品としてオレフィンスルホン酸Naという洗浄成分が使用されるケースが増えてきました。
オレフィンスルホン酸Naは医薬部外品で使用された時に「テトラデセンスルホン酸Na」と表記されることもあります。
実は、オレフィンスルホン酸Naはラウリル硫酸Na、ラウレス硫酸Naと変わらない洗浄力と刺激があります。
洗浄力の強さは食器洗剤で使われている合成洗剤にあまり変わりません。
だから、肌にとても刺激があります。
みなさんの中には、「私は肌が強いから大丈夫!」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、肌への刺激は肌老化の原因になります。
だから、与えなくてよい刺激は避けた方がよいです。
ラウリル系の洗浄成分以外にも、オレフィンスルホン酸Na(テトラデセンスルホン酸Na)が配合されていたら気をつけなければいけません。
4.エイジングケア世代シャンプーの選び方の基本
1)基本は美容院専売品で
美容師として多くのシャンプーをチェックしましたが、市販のシャンプーで優良なシャンプーは見つけにくいです。
一方、美容院専売品の多くは質のよい洗浄成分が使われていることが多いだけでなく、シャンプーに髪の毛を補修するための成分が配合されていることがほとんどです。
したがって毎日のケアが必要なエイジングケア世代にとって美容院専売品を使用することをおすすめします。
値段は市販品よりも高くなってしまいますが、髪の毛や頭皮のエイジングケアの観からは、こちらがベターなのです。
なお、詳しくは「美容院専売品シャンプーを選ぶポイント」を参考にしてください。
2)エイジングケアシャンプーにおすすめの洗浄成分
頭皮のエイジングケアにおすすめはアミノ酸系の洗浄成分です。
それは、洗浄力が強すぎず、ちょうどよい洗浄力のものが多いからです。
アミノ酸系洗浄成分のシャンプーが有名になった後に、最近ではベタイン系洗浄成分のシャンプーの知名度が少しずつ上がってきています。
なかには初めて耳にする方も多いかと思います。
ベタイン系洗浄成分の多くはアミノ酸系洗浄成分よりも洗浄力が優しいものが多いです。
洗浄力が優しいと聞くと頭皮や髪の毛にとても良さそうですが、脂性肌の方やスタイリング剤をしっかり使われている方はしっかり洗えないこともあるのでアミノ酸系シャンプーの方が使いやすいです。
一方、ベタイン系シャンプーが向いている方は、敏感肌の方やハイダメージの方です。
ベタイン系洗浄成分は、「ベタイン」「ココアンホ」「ココイル」「ラウロイル」といった名前が付いています。
例えば、次のようなものなどなどがあります。
- ラウロイルプロビルズベタイン
- ラウロイルプロビルベタイン
アミノ酸系シやベタイン系の洗浄成分のシャンプーを選ぶ際に気をつけて頂きたいのが、ラウリル系の洗浄成分をその中に混ぜてもアミノ酸系シャンプー、ベタイン系シャンプーといえることです。
そのため、ラウリル硫酸Na、ラウレス硫酸Naなどの洗浄成分が入っていないか気をつけてみてみましょう。
<参考記事>
市販のアミノ酸シャンプー人気おすすめ14選!メリットや成分を解説
2)おすすめの保湿成分ペリセア
特におすすめの保湿成分はぺリセアです。主な効果は次の通りです。
ペリセアとは、天然の脂肪酸とアミノ酸を原料として、BGを除いて石油由来・動物由来原料は使用していない成分です。
頭皮では角質層の奥まで浸透し、セラミドと同様の働きで皮膚のバリア機能を改善し、肌のハリやツヤを良好に保ちます。
また、1分程度で毛髪の深部に浸透し、傷んだ毛髪の強さや太さ、水分量を改善することで、ハリコシ感とスベリ感を与えることが期待できます。
また、毛髪のなめらかさ、まとまり感などもよく、パーマ前処理剤に使用することでウェーブ形成力も高めます。
ペリセアの成分としの表記名は、「ジラロイルグルタミン酸リシンNa」です。
だから、全成分表示に「ジラロイルグルタミン酸リシンNa」と記載されていればぺリセアが配合されています。
ぺリセアは値段の高い成分ですので配合されている商品はこだわりを持ってつくられていることが多く、質の高い商品である確率が高いといえます。
5.現役美容師おすすめのシャンプー
1)私のおすすめのシャンプー
①デミ ヘアシーズンズシャンプー カームリーウォッシュ
「美容師に聞く30代から始めたい女性の抜け毛予防!」の記事でも紹介しましたが、この商品はエイジングケア世代の女性には特におすすめです。
アミノ酸系シャンプーの中でも特に優れているラウロイルメチルアラニンNaを配合しているだけでなく、とても低刺激につくられています。美容院専売品の中でも質のよい商品です。
特に40代からエイジングケアにはぴったりです。
②ペリセア配合シャンプー
ナプラ ケアテクト HBカラーシャンプー
実は、私の記事で何度か紹介させていただいているこのシャンプーにも、ぺリセアが配合されています。
こちらはコストパフォーマンスにとても長けているのでデミ ヘア―シーズンズシャンプー カームリーウォッシュほどお値段は出せないけれど、エイジングケアをコスパよく実践したい方におすすめです。
2)ボリュームアップシャンプーなら
ナプラ インプライム ボリュームアップシャンプー
こちらのシャンプーはボリュームを出すための成分が多く配合されているので、ボリュームダウンが気になってくるエイジングケア世代にはとてもおすすめです。
髪の毛にボリュームやハリを出してくれるケラチンが5種類含まれています。
加えて、ケラチンだけだとかたさが出やすいのですが、コラーゲンを配合することでバランスをとっています。
注意点は洗浄力が弱いので、たまにほかのアミノ酸系シャンプーと併用しながらの使用がおすすめです。
3)市販シャンプーを選ぶなら
何度もお伝えしていますが、市販のシャンプーの多くにラウリル硫酸Na、ラウレス硫酸Na、オレフィンスルホン酸Naが含まれていたり、メインの洗浄成分として使用されています。
だからこれらの成分を配合したシャンプーを避けていただくことがポイントです。
少なくとも、エイジングケア世代の方は、市販のシャンプーを使う方は、購入前に成分をチェックしてみてください。
6.まとめ
現役美容師さんからエイジングケア世代のためのシャンプーの選び方についてご紹介いただきました。いかがだったでしょうか?
エイジングケア世代の方がシャンプーを選ぶポイントは、クレンジング料や洗顔料と同じで頭皮や毛髪に優しいことであることが、ご理解いただけたのではないでしょうか?
女性はエイジングケア世代になると、皮脂分泌の低下などで抜け毛や薄毛のリスクが増えます。
だから、頭皮や毛髪のケアはダメージが少ないシャンプーを使うことが大切なのです。
この記事を参考に、上手にエイジングケアシャンプーを選んでくださいね。
著者・編集者・校正者情報
(執筆:美容師 ゆか)
プロフィールは前出
(編集・校正:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。
医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。
一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト
著作(共著)
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
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