ピラティスの健康・エイジングケアへの効果とは?姿勢・体幹・柔軟性を保つ取り組み方

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「エイジングケア」とは、年齢に応じた化粧品による肌のお手入れを指します。
「浸透」とは、角質層までの浸透を指します。
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ピラティスは、呼吸と姿勢を意識しながら身体を動かし、体幹、柔軟性、筋力、バランス能力を養う運動です。健康・エイジングケアへの効果、マシンとマットの違い、安全な始め方、ウォーキングとの組み合わせ方を紹介します。

ピラティス ルオ代表 KEIKOさん

この記事の監修者

ピラティス ルオ

代表

KEIKO さん

 

年齢を重ねると、筋力だけでなく、柔軟性やバランス能力、姿勢を保つ力も少しずつ変化します。「以前より身体が硬くなった」「歩くときの姿勢が崩れやすい」「運動はしているものの、体幹をうまく使えているかわからない」と感じる方もいるのではないでしょうか。
ピラティスは、呼吸と姿勢を意識しながら、体幹や股関節、背骨、肩甲骨などを丁寧に動かすエクササイズです。研究では、特に中高年者や高齢者のバランス能力、筋力、柔軟性、身体機能などへの影響が検討されています。ただし、ピラティスをすれば誰でも姿勢がよくなる、若返る、転倒を防げると断定できるものではありません。
この記事では、ピラティスの健康・エイジングケアへの効果を研究結果から整理するとともに、初心者が安全に始め、無理なく続けるためのポイントを解説します。あわせて、私がウォーキングとマシンピラティスを約1年間組み合わせて感じたことも紹介します。

 

この記事のポイント

・ピラティスは、体幹、柔軟性、バランス、身体のコントロールを意識する運動です。
・健康効果は期待できますが、対象者や実施方法によって結果が異なります。
・ウォーキングなどの有酸素運動や、必要に応じた筋力トレーニングと組み合わせることが大切です。
・初心者は専門家の指導を受け、痛みを我慢せず、自分に合った負荷で続けましょう。

ピラティスとは?

1)呼吸と身体のコントロールを重視する運動

ピラティスで意識する体の部位

ピラティスは、呼吸と姿勢を意識しながら、身体を正確にコントロールして動かす運動です。システマティックレビューでは、体幹の安定性、筋力、柔軟性、筋肉のコントロール、姿勢、呼吸などに焦点を当てる心身運動として整理されています【1】。
「インナーマッスルだけを鍛える運動」と説明されることもありますが、実際には腹部だけではありません。背中、骨盤まわり、股関節、肩甲骨まわりなどを連動させ、身体全体を安定させながら動くことを重視します。
大きな力を出したり、速く動いたりすることよりも、呼吸を止めず、正しい位置を意識しながら丁寧に動くことが特徴です。

2)マットピラティスとマシンピラティスの違い

マットピラティスとマシンピラティスの違い

ピラティスには、マットの上で自重を使う方法と、リフォーマーなどの専用機器を使うマシンピラティスがあります。どちらが必ず優れているというものではなく、目的や体力、運動経験などに合わせて選ぶことが大切です。

項目マットピラティスマシンピラティス
主な方法自分の体重を利用して動くスプリングやストラップなどを利用する
負荷の調整姿勢や動作の難易度で調整する機器によって負荷や補助を細かく調整しやすい
特徴自宅でも取り組みやすい身体の動きを補助・誘導してもらいやすい
初心者動作によっては難しく感じる場合がある指導者のもとで身体に合わせた調整を受けやすい

マシンは動きを助けてくれる一方、使い方や負荷設定が適切でなければ、狙った動作にならないこともあります。初心者は、身体の状態を確認してくれる指導者のもとで始めるとよいでしょう。

ピラティスが健康・エイジングケアで注目される理由

ピラティスがエイジングケアで注目される理由

1)加齢とともに変化しやすい身体機能がある

年齢を重ねると、筋力や筋持久力だけでなく、柔軟性、バランス能力、関節を動かせる範囲、姿勢を保つ力なども変化します。こうした変化には個人差がありますが、身体活動が少ない状態が続くと、動きにくさを感じやすくなります。
エイジングケアというと、肌や髪など見た目のケアを思い浮かべるかもしれません。しかし、年齢を重ねても自分の脚で歩き、行きたい場所へ出かけ、日常生活を自分らしく続けられることも大切なエイジングケアです。

2)有酸素運動だけでなく、筋力とバランスも大切

WHOの身体活動ガイドラインでは、成人に有酸素運動と筋力強化運動を組み合わせることを勧めています。65歳以上では、週全体の運動の一部として、機能的なバランスと筋力を重視した多要素の身体活動を週3日以上行うことが推奨されています【2】。
ピラティスは、体幹、筋力、柔軟性、バランスなどに働きかける可能性があります。ただし、ピラティスだけで有酸素運動やすべての筋力トレーニングを代替できるとは限りません。ウォーキングなど、ほかの運動と組み合わせて考えることが大切です。

ピラティスに期待できる健康・エイジングケアへの効果

ピラティスに期待される4つの効果

1)体幹の筋力と安定性を養う

体幹というと腹筋だけを思い浮かべがちですが、背中や骨盤、股関節まわりなど、身体を支える広い範囲が関係します。ピラティスでは、手足を動かしても身体の中心が大きく崩れないように、呼吸と姿勢を意識して動きます。
成人男女を対象とした研究では、週2回、12週間のマットピラティスにより、腹部や上半身の筋持久力、ハムストリングの柔軟性が改善しました。一方、姿勢とバランスには対照群との差が認められませんでした【3】。実施頻度や期間、運動経験によって結果は異なります。

2)柔軟性と身体の動かしやすさを高める

ピラティスでは、股関節、背骨、肩甲骨などを、呼吸に合わせながら丁寧に動かします。単に筋肉を伸ばすのではなく、姿勢を保ちながら動かすため、柔軟性だけでなく身体をコントロールする練習にもなります。
60歳を超える人を対象にしたシステマティックレビューとメタ解析では、柔軟性、筋力、バランス、機能的能力などへの効果が検討され、健康的な加齢に関連する身体機能の維持・改善に役立つ可能性が示されています【4】。ただし、研究ごとに対象者やプログラムが異なる点には注意が必要です。

3)バランス能力の維持・改善に役立つ可能性がある

バランス能力の改善と転倒の関係のイラスト

バランス能力は、立つ、歩く、方向を変えるといった日常動作に関係します。高齢者を対象としたメタ解析では、ピラティスが姿勢バランスの改善に役立つ可能性が示されています【5】【6】。
一方、バランス能力が改善することと、実際の転倒を確実に防げることは同じではありません。研究データはまだ限られているため、「ピラティスで転倒を予防できる」と断定するのではなく、転倒に関連する身体機能の一つであるバランスを養う運動として捉えるのが適切です。

4)姿勢や身体の使い方に気づきやすくなる

ピラティスでは、骨盤、背骨、肩甲骨などの位置を確認しながら動きます。そのため、普段は気づきにくい身体の左右差や、力みやすい場所、動かしにくい部分を意識するきっかけになります。
姿勢に関する2024年のシステマティックレビューでは、ピラティスによる姿勢改善を示す研究が報告されています【7】。ただし、研究方法や対象者にはばらつきがあり、誰でも同じように姿勢が変わるとは限りません。
また、ピラティスで骨そのものが伸びるわけではありません。姿勢が整った結果として立ったときの見え方が変わる可能性はありますが、「身長が伸びる」といった表現には注意が必要です。

5)筋力や日常生活に必要な身体機能を保つ

年齢を重ねるほど、椅子から立ち上がる、階段を上る、荷物を持つといった日常動作を支える筋力が重要になります。高齢女性を対象とした個別研究では、握力や筋力、歩行速度などの改善が報告されています【8】【9】。一方、静的な姿勢制御については、臨床的に意味のある改善までは確認されなかったとする報告もあります【9】。また、研究全体では結果にばらつきがあり、筋力向上の効果はまだ確立しているとはいえません。
ただし、筋肉量を増やすことを主な目的とする場合は、適切な負荷を使った筋力トレーニングも検討する必要があります。ピラティスと筋力トレーニングは、目的に応じて補い合う関係と考えましょう。

6)心身へのよい影響も期待される

ピラティスでは、呼吸と動きに集中します。その時間が、気分転換や自分の身体に意識を向ける機会になる人もいます。ただし、ストレスや睡眠、気分への効果については研究条件がさまざまであり、治療の代わりになるものではありません。

ピラティスで「若返る」といえる?

ピラティスによって生物学的な老化が逆転したり、直接若返ったりするとはいえません。一方、筋力、柔軟性、バランス、姿勢への意識などを保つことは、年齢を重ねても活動的に過ごすための支えになります。「若返り」ではなく、「健やかに年齢を重ねるための運動習慣」と考えましょう。

マシンピラティスのメリット

1)負荷と動作を調整しやすい

マシンピラティスでは、スプリングの強さやストラップの位置などを変え、身体の状態や目的に合わせて負荷を調整できます。スプリングは負荷になるだけでなく、動きを助ける役割もあります。

2)動きを補助してもらいやすい

自重だけでは難しい動作でも、マシンの補助によって動きの方向をつかみやすくなる場合があります。身体が硬い人や運動経験が少ない人でも、指導者が適切に調整すれば取り組みやすくなります。

3)身体の癖や左右差に気づきやすい

同じように動かしているつもりでも、右と左で動かしやすさが違ったり、特定の場所だけに力が入ったりすることがあります。指導者に動きを確認してもらうことで、自分では気づきにくい癖を知るきっかけになります。

4)日常動作へつなげやすい

Pilates luoでは、姿勢や歩き方を確認し、身体を整え、体幹を強化したうえで、日常動作への定着を目指す流れを掲げています。レッスン中だけ正しく動くのではなく、立ち方、座り方、歩き方など、普段の身体の使い方へつなげることを重視しています。

マシンピラティスの注意点・デメリット

ピラティスの正しい動きと無理な動きの比較

1)レッスンを受けるだけで大きく変わるとは限らない

ピラティスの効果は、頻度、期間、運動内容、日常生活、もともとの体力などによって異なります。月に数回スタジオへ通うだけで、柔軟性や筋力が大きく変わるとは限りません。
レッスンで学んだ姿勢や動きを日常生活で意識し、無理のない範囲で自宅でも復習することが大切です。

2)費用と通う時間が必要

マシンピラティスは、専用設備と個別指導が必要になることが多く、マットピラティスや自宅運動より費用がかかる傾向があります。無理なく継続できる料金、場所、時間帯かを確認しましょう。

3)自己流では狙った動きにならないことがある

見た目は小さな動きでも、骨盤や背骨の位置が崩れると、狙っていない筋肉に力が入ることがあります。呼吸を止めたり、首や肩、顔に力が入ったりすることもあります。最初は指導者に動きを確認してもらうと安心です。

4)痛みや疾患がある人は事前に相談する

腰、膝、肩などに強い痛みがある人、骨粗しょう症、心臓や呼吸器の病気がある人は、自己判断で始めず、必要に応じて医師へ相談してください。妊娠中や産後の人、治療中の病気がある人、手術後の人は、現在の状態や運動制限について医師または助産師などに確認したうえで始めましょう。ピラティスは医療行為ではなく、病気やけがの診断・治療の代わりにはなりません。

ピラティスの効果を高める取り組み方

ピラティスを安全に続ける5つのポイント

1)まず目的を明確にする

「体幹を安定させたい」「柔軟性を高めたい」「姿勢や歩き方を見直したい」「バランス能力を保ちたい」など、目的によって適した運動内容は変わります。体重を減らすことや筋肉量を大きく増やすことが主目的なら、食事や有酸素運動、筋力トレーニングも必要です。

2)回数よりも、呼吸と正確な動きを意識する

ピラティスでは、回数を増やすことより、呼吸を止めずに正確に動くことが大切です。身体が安定しないまま回数だけを重ねると、首や肩などに余分な力が入ることがあります。

3)専門家に身体の状態を見てもらう

初心者は、運動歴、痛みの有無、姿勢、関節の動きなどを確認し、負荷を調整してくれる指導者を選びましょう。変化を急がせるのではなく、できない動きを無理にさせないことも重要です。

4)自宅では短時間の復習から始める

毎日長時間行う必要はありません。まずは5分程度、レッスンで教わった動きを一つ復習するところから始めましょう。背骨や股関節を動かす、肩甲骨まわりをゆっくり動かす、呼吸と体幹を意識するといった小さな習慣が、レッスン内容の定着につながります。

5)痛みを我慢しない

筋肉を使っている感覚と、関節や神経に生じる痛みは異なります。鋭い痛み、しびれ、息苦しさ、めまいなどがある場合は中止し、必要に応じて医療機関へ相談してください。

ウォーキングとピラティスを組み合わせるメリット

ピラティスとウォーキングや筋トレを組み合わせるメリット

1)ウォーキングは「動く量」を増やしやすい

ウォーキングは、特別な道具がなくても始めやすい有酸素運動です。移動を徒歩に変えることで日常の活動量を増やせるため、継続しやすいことが大きな利点です。

2)ピラティスは「身体の使い方の質」に目を向ける

歩く動作は基本的に同じ動きの繰り返しです。ピラティスを組み合わせると、体幹、股関節、肩甲骨、背骨など、歩いているだけでは意識しにくい部分へ目を向けることができます。

3)異なる役割の運動を補い合わせる

ウォーキングは有酸素運動として活動量を増やしやすく、ピラティスは体幹、柔軟性、バランス、身体のコントロールを意識しやすい運動です。さらに、目的に応じて筋力トレーニングを取り入れると、より幅広い身体機能に働きかけられます。

運動・習慣主な役割
ウォーキング有酸素運動として日常の活動量を増やしやすい
マシンピラティス体幹、柔軟性、バランス、姿勢、身体の使い方を意識しやすい
自宅での復習レッスンで学んだ動きを定着させる
筋力トレーニング筋力・筋量の維持や向上を目的に、適切な負荷をかける

私がマシンピラティスを約1年続けて感じたこと

ピラティスを行っている著者

私は、上本町にあるPilates luoで、KEIKOさんのマシンピラティスを月2回、約1年間続けています。もともとウォーキングを継続しており、ピラティスの日もスタジオまで歩いて通うため、往復で約9,000歩になります。
私が始めた目的は、体調改善というより、体幹を鍛えることと身体の柔軟性を高めることでした。レッスンでは、股関節や肩甲骨の動き、骨盤や背骨の位置、呼吸などを細かく確認します。普段使えていない筋肉や、身体の左右差に気づくことが多く、ピラティスは「身体の使い方を学び直す運動」に近いと感じています。
一方、約1年で身体が劇的に変わったわけではありません。成果は「それなり」です。しかし、歩くときの姿勢、骨盤の位置、体幹の安定、股関節や肩甲骨の動きなどを以前より意識するようになりました。これは私にとって大きな変化です。
また、月2回のレッスンだけで大きな成果を求めるのは難しいとも感じています。レッスンで教わった動きを自宅で復習し、日常生活へ定着させる必要があります。私は自宅トレーニングを十分にできていないため、そこが今後の課題です。

私なりの整理

ウォーキングは「動く量」を増やす運動。マシンピラティスは「身体の使い方の質」を高める運動。どちらか一方を選ぶのではなく、役割の違う運動を無理なく組み合わせることが、続けやすい健康習慣につながると感じています。

<参考記事>

ウォーキングだけでは鍛えにくい筋肉へ。マシンピラティスを1年続けてわかったこと

初心者がピラティススタジオを選ぶポイント

生徒を指導するKEIKOさん

1)指導者の資格・経験を確認する

資格名だけでなく、初心者、中高年者、痛みや運動制限のある人など、自分に近い対象への指導経験があるかを確認しましょう。

2)身体の状態を確認してもらえるか

姿勢や関節の動き、運動経験、痛みの有無などを確認せず、全員に同じ運動を行うスタジオより、負荷や動作を調整してくれるところが安心です。

3)グループかパーソナルか

グループレッスンは費用を抑えやすい一方、個別の修正が少ない場合があります。初心者や身体に不安がある人は、パーソナルまたは少人数制から始める方法もあります。

4)通いやすく継続できるか

場所、営業時間、料金、予約の取りやすさなどを確認します。理想的な内容でも、通い続けられなければ習慣にはなりません。

5)体験レッスンで相性を確認する

説明のわかりやすさ、質問のしやすさ、痛みへの配慮、無理な勧誘の有無などを確認しましょう。

ピラティススタジオ選びのチェックリスト

監修者・Pilates luoについて

ピラティス ルオ代表 KEIKOさん

監修:Pilates luo(ルオ) KEIKOさん

Pilates luoは、大阪市天王寺区の上本町・谷町九丁目エリアにある、プライベートのマシンピラティススタジオです。公式サイトでは、姿勢や歩き方を分析し、柔軟性・可動域を整え、体幹を強化し、日常動作へ定着させる流れを紹介しています。初心者やシニアなども対象として案内されています。
公式サイト:Pilates luo(ルオ)

所在地:大阪府大阪市天王寺区上汐3-4-16 アリビオ上本町703
※料金・営業時間・提供プランなどは変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

ピラティスに関するよくある質問

Q1.身体が硬くてもピラティスはできますか?

はい。動かせる範囲や負荷を調整できます。ただし、無理に身体を伸ばすのではなく、指導者のもとで呼吸を止めずに行うことが大切です。

Q2.何歳からでも始められますか?

年齢だけで一律に判断するものではありません。現在の体力、病気やけがの有無、運動経験などに合わせて内容を調整します。持病や強い痛みがある場合は、事前に医師へ相談してください。

Q3.初心者が最初に意識したいことは何ですか?

回数や見た目の大きさより、呼吸と姿勢を意識することです。首や肩に力が入りすぎていないか、痛みを我慢していないかを確認しながら進めます。

Q4.週何回行えば効果がありますか?

研究では週2~3回程度のプログラムもありますが、最適な頻度は目的や体力、内容によって異なります。まず無理なく通える頻度から始め、自宅で短時間の復習を組み合わせることが現実的です。なお、研究で採用された頻度が、そのまますべての人にとって最適な頻度を意味するわけではありません。

Q5.月2回のレッスンでも意味はありますか?

月2回でも、自分の身体の状態を確認し、動き方を見直す機会になります。ただし、変化を定着させるためには、日常生活で姿勢を意識したり、自宅で短時間復習したりすることが大切です。

Q6.効果を急がないほうがよいのはなぜですか?

身体の癖は長い時間をかけて身についたものです。強い負荷や無理な動きで一時的な変化を求めるのではなく、自分に合った動作を少しずつ習慣化することが、長く続けるために大切です。

Q7.マットとマシンはどちらがおすすめですか?

どちらにも特徴があります。自宅で続けたい人にはマット、動きを補助してもらいながら負荷を調整したい人にはマシンが向く場合があります。体験レッスンで相性を確認しましょう。

Q8.ピラティスだけで痩せますか?

ピラティスだけで大幅な減量ができるとは限りません。体重管理には、食生活、有酸素運動、日常の活動量、睡眠なども関係します。

Q9.腰痛や膝痛があってもできますか?

痛みの原因や程度によって異なります。強い痛み、しびれ、腫れなどがある場合は、先に医療機関を受診してください。治療中の人は、医師の指示を確認したうえで行いましょう。

Q10.ウォーキングと同じ日に行ってもよいですか?

体調や運動強度に問題がなければ組み合わせられます。歩く前後の身体の状態を観察し、股関節や背骨、肩甲骨が動いているかを意識してみましょう。ただし、疲労が強い日や痛みがある日は無理をせず、歩く距離やピラティスの負荷を調整してください。

まとめ

ピラティスは、呼吸と姿勢を意識しながら、体幹、柔軟性、筋力、バランス、身体のコントロールを養う運動です。高齢者や中高年者を対象とした研究では、バランスや柔軟性、筋力、身体機能などへの効果が示唆されていますが、対象者や実施方法によって結果は異なります。
ピラティスをすれば若返る、姿勢が必ず改善する、転倒を防げると断定することはできません。それでも、自分の身体の使い方に気づき、年齢を重ねても動きやすい身体を保つための運動習慣として取り入れる価値はあります。
ウォーキングで「動く量」を増やし、ピラティスで「身体の使い方の質」に目を向け、必要に応じて筋力トレーニングを組み合わせる。こうした複数の運動を、自分の体力や生活に合わせて無理なく続けることが、健やかなエイジングケアにつながります。

参考論文

本記事の科学的根拠として、以下の査読済み論文を参照しています。
【1】Wells C, Kolt GS, Bialocerkowski A. Defining Pilates exercise: a systematic review. Complement Ther Med. 2012;20(4):253-262.
PMID: 22579438 DOI: 10.1016/j.ctim.2012.02.005
日本語要旨:査読論文におけるピラティスの定義を整理したシステマティックレビュー。体幹の安定性、筋力、柔軟性、動作のコントロール、姿勢、呼吸などを重視する運動として、おおむね共通した定義が用いられていることが示されている。
【2】Bull FC, Al-Ansari SS, Biddle S, et al. World Health Organization 2020 guidelines on physical activity and sedentary behaviour. Br J Sports Med. 2020;54(24):1451-1462.
PMID: 33239350 DOI: 10.1136/bjsports-2020-102955
日本語要旨:WHOの身体活動・座位行動に関するガイドライン。成人には中強度150〜300分/週などの有酸素性身体活動と週2日以上の筋力強化活動が推奨され、65歳以上ではさらに、機能的なバランスと筋力を重視した多要素の身体活動を週3日以上行うことが推奨されている。
【3】Kloubec JA. Pilates for improvement of muscle endurance, flexibility, balance, and posture. J Strength Cond Res. 2010;24(3):661-667.
PMID: 20145572 DOI: 10.1519/JSC.0b013e3181c277a6
日本語要旨:週2回・12週間のマットピラティスにより、腹部および上半身の筋持久力とハムストリングの柔軟性が有意に改善した一方、姿勢とバランスでは対照群との有意差が認められなかったと報告されている。
【4】Pereira MJ, Mendes R, Mendes RS, et al. Benefits of Pilates in the elderly population: a systematic review and meta-analysis. Eur J Investig Health Psychol Educ. 2022;12(3):236-268.
PMID: 35323204 DOI: 10.3390/ejihpe12030018
日本語要旨:60歳を超える高齢者を対象とした30件の研究のレビュー。動的バランス、筋力、可動性、機能的能力、精神・心理的健康などで介入群と対照群の差が報告され、健康的な加齢への有用性が示唆されている。
【5】Casonatto J, Yamacita CM. Pilates exercise and postural balance in older adults: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Complement Ther Med. 2020;48:102232.
PMID: 31987246 DOI: 10.1016/j.ctim.2019.102232
日本語要旨:高齢者を対象としたランダム化比較試験のメタ解析。ピラティスが姿勢バランスの改善に有効な運動となりうることが示された一方、介入期間や週あたりの実施量、研究の質と効果の大きさとの関連は認められなかった。
【6】Barker AL, Bird ML, Talevski J. Effect of Pilates exercise for improving balance in older adults: a systematic review with meta-analysis. Arch Phys Med Rehabil. 2015;96(4):715-723.
PMID: 25511371 DOI: 10.1016/j.apmr.2014.11.021
日本語要旨:高齢者を対象としたシステマティックレビューとメタ解析。ピラティスが動的バランスの改善に寄与する可能性が示された一方、根拠となる研究数は限られており、解釈には注意が必要とされている。
【7】Li F, Omar Dev RD, Soh KG, et al. Effects of Pilates on body posture: a systematic review. Arch Rehabil Res Clin Transl. 2024;6(3):100345.
PMID: 39372244 DOI: 10.1016/j.arrct.2024.100345
日本語要旨:ピラティスが一般的な姿勢に与える影響を整理したシステマティックレビュー。姿勢の改善を示す報告がある一方、研究デザインや対象者、介入内容にばらつきがあることが指摘されている。
【8】Aibar-Almazán A, Martínez-Amat A, Cruz-Díaz D, et al. The influence of Pilates exercises on body composition, muscle strength, and gait speed in community-dwelling older women: a randomized controlled trial. J Strength Cond Res. 2022;36(8):2298-2305.
PMID: 32991508 DOI: 10.1519/JSC.0000000000003790
日本語要旨:地域在住の60歳以上の女性を対象とした12週間のランダム化比較試験。握力や身体パフォーマンス、BMIの改善が認められた一方、体組成そのものには明確な変化がみられなかったと報告されている。
【9】Bergamin M, Gobbo S, Bullo V, et al. Effects of a Pilates exercise program on muscle strength, postural control and body composition: results from a pilot study in a group of post-menopausal women. Age. 2015;37(6):118.
PMID: 26578458 DOI: 10.1007/s11357-015-9852-3
日本語要旨:59〜66歳の閉経後女性25名を対象に、週2回・3か月間のピラティスを実施したパイロット研究。筋力の改善が示された一方、静的な姿勢制御については臨床的に意味のある改善までは確認されなかったと報告されている。

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