タバコを止めれば美肌が叶う!禁煙のメリットと治療法

■経歴
昭和58年3月  大阪府立三国丘高校卒業
昭和60年4月  奈良県立医科大学入学
平成4年4月  奈良県立医科大学第2内科学教室入局
平成6年7月  済生会中和病院内科
平成9年4月  済生会中和病院内科医長
平成10年7月  永広会島田病院内科医長
平成11年4月  田北病院内科
平成12年7月  市立松原病院内科医長
平成16年4月  大阪府結核予防会相談診療所診療部科長
平成20年4月  大阪府結核予防会相談診療所診療部長代理
平成23年4月~平成26年10月 大阪府藤井寺保健所
平成24年4月 大阪府結核予防会相談診療所診療部長
平成26年11月 本町林クリニック開設

■資格
労働衛生コンサルタント
日本医師会認定産業医

■所属学会
日本内科学会
日本呼吸器学会
日本消化器内視鏡学会
日本化学療法学会
日本循環器学会
日本CT検診学会

喫煙が肌や健康に良くないことは、ほとんどの方がご存知ですね。
逆に、禁煙すれば美肌が叶ったり、健康に役立つことも同様です。
ナールスのエイジングケア化粧品のお客様は、喫煙者は少ないと聞いていますが、まったくおられないというわけではないと思います。

この記事では、タバコの害をはじめ、禁煙でなぜ美肌になるのか、美肌を実感するにはどれくらいかかるのか、実際、どのように禁煙を進めるかなどを解説します。
もちろん、もとから喫煙習慣のない方は継続してくださいね。

女性の喫煙率は40代から50代が多い

厚生労働省「国民健康・栄養調査報告」によると、「毎日吸っている」と「時々吸う日がある」を合計した、現在習慣的に喫煙している人の割合は、男性が27.1%、女性が7.6%です。
この10年間はわずかに減少傾向です。
しかし、女性は50歳代(12.9%)が最も高く、次いで40代(10.3%)になっています。
ちょうど、ナールスのエイジングケア化粧品のお客様に多い年代で喫煙率が高いことがわかります。

<参照元>

禁煙は家族の健康や肌のためにも大切

喫煙の問題は喫煙者だけではないことをご存知でしょうか。
喫煙者のタバコの煙を意図せず吸ってしまうことを受動喫煙といいます。
受動喫煙は、喫煙者と同じ、またはそれ以上に健康や肌に害を与えます。
つまり、同居する家族にも病気を引き起こすことがあります。
そのため、禁煙をご自身だけではなく、家族のためのものとして考えることも大切です。

スモーカーズフェイスとは?~喫煙が肌に良くない証拠~

喫煙者と非喫煙者の比較写真

これは、BBCが2001年に製作した「スモーカーズフェイス」という言葉を世に知らしめた有名な写真です。
この写真は、22歳の双子姉妹のもので、向かって左のカースティさんは喫煙者、右のケリーさんは非喫煙者です。
実際の写真ではなく、カースティさんが40歳までタバコを吸ったと予測して作製されたものです。
明らかにカースティさんの肌のほうが老けていて、顔のシワやくすみが目立つことがわかります。

このように、タバコによる肌老化を表す言葉はスモーカーズフェイスと呼ばれています。

<参照元>

<参考記事>

禁煙は美肌と若さ・健康に大切

タバコを止めると、肺がんほか生活習慣病の予防となることはよく知られていますが、美肌を取り戻すことも可能です。
その理由は、タバコによってもたらされている肌へのダメージがなくなるからです。
では、禁煙は肌にとって具体的にどんなメリットがあるのでしょうか?

1)シワやほうれい線などの肌老化が抑えられる

喫煙は肌の酸化をもたらすため、ビタミンCを大量に消費してしまいます。
また、ニコチンの影響で血管が収縮し、肌に届く酸素が減ってしまいます。
その結果、コラーゲンが減って嫌なエイジングサインであるシワやたるみ、ほうれい線などの原因になります。

禁煙すればこうした肌ダメージはなくなります。
また、女性ホルモンの低下が改善されます。
その結果、シワやたるみの予防につながり、進行も遅くなります。
また、時間とともに肌にハリが出るといった美肌が期待できます。

ほうれい線の無い顔とある顔
<参考記事>

2)シミが抑えられる

喫煙によってビタミンCが消費されると、メラニン色素が増える原因になるため、シミが目立つリスクが高くなります。

逆に、禁煙するとそのリスクが減るので、シミの予防につながります。
シミといえば紫外線対策がまっさきに思い浮かびますが、禁煙も大切なのです。

また、美白化粧品を使われている方も、禁煙するとより高いシミ予防効果が期待できます。

老人性のシミ

3)くすみが減って透明感のある肌へ

タバコにはニコチン以外にもたくさんの良くない成分が入っています。
そのため、喫煙は今挙げた特定の肌悩み以外にも肌全体をくすませてしまいます。

禁煙をするとそれらの毒素などを体内に入れることがなくなり、全体的に肌のくすみが改善されて、美肌へと近づいていくのです。

ほかにも、歯肉の色素沈着がなくなったり、吐く息もさわやかになるなどのメリットもあります。

もちろん、呼吸器系のがんや慢性気管支炎、肺気腫などの慢性呼吸器疾患、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、不整脈といった循環器疾患ほか、生活習慣病の予防や進行を抑えるメリットもあります。

男性も女性も禁煙で美肌と健康を手に入れましょう。

<参考記事>

禁煙で美肌になるにはどれくらいの期間が必要?

今日、禁煙を始めたからといって、明日、美肌になるわけではありません。
喫煙を続けている期間や個人差もあります。
そのため、禁煙で美肌を実感するには長い期間かかるかもしれません。
しかし、確実に肌に良いことなので、思いついた時に始めることをおすすめします。
これはエイジングケアも同じですね。

一般的にいえることは、禁煙によって血管に酸素が行き渡るようになったり、ビタミンCの量が回復するまでには、2週間程度かかると考えられています。
つまり、禁煙から2週間くらい経つと、肌に栄養素が回り始め、また、肌のハリに必要なコラーゲンも増え始めます。

その後、少しずつ肌全体が健やかで美しい状態へと向かい始めます。

また、禁煙がうまくいけば、ストレスも減り、睡眠の質が高まるなども期待できます。

禁煙はタバコの害を取り除くことに加えて、生活の質(QOL)を高め、美肌と健康をもたらすのです。

美肌を取り戻すのに、時間がかかったり、すぐに実感できないこともありますが、必ず結果が付いてくるので、やり始めたら禁煙を続けましょう。

どうやって禁煙を進める?

「禁煙で健康と美肌を取り戻したい!」と思っても、禁煙を成功させるのは難しいと感じることが多いのではないでしょうか。

喫煙習慣は、ニコチンの作用による脳や体への快感(身体的依存)とほっとする、間がもつ、すっきりするといった気持ちの上での依存(心理的依存)が重なることで続いています。
そのため、自身の意思の力だけで禁煙することは、難しいのです。

そこで頼るのはクリニックの禁煙外来などです。

たとえば、クリニックによっては、ニコチンが脳神経に作用するのを止めて中毒症状を緩和する薬や、生活指導を駆使するなどの方法で禁煙のお手伝いをしております。

禁煙にはどれくらい費用がかかる?

禁煙治療は、2006年から健康保険が適用されています。
そのため、患者様の治療費負担も軽くなり、始めやすくなっています。

ただし、禁煙治療を保険診療で受けるためには、次の要件があります。

  • 1.ニコチン依存性を診断するテスト(TDS)で5点以上
  • 2.35歳以上の人については、1日の喫煙本数×喫煙年数が200以上
     たとえば、25歳から1日15本喫煙している45歳の人なら、15(本)×20(年)=300であり、対象となります。
     (35歳未満の方は、喫煙本数や喫煙年数によらず保険適用)
  • 3.すぐに禁煙をしたいと考えていること
  • 4.「禁煙治療のための標準手順書」に則った禁煙治療の説明を受け当該治療を受けることを文書により同意すること

禁煙治療で保険診療が可能かどうかは、1回目の診察で医師が確認することとなっています。

保険診療の場合、基本的には、12週間の内で計5回受診します。
まず、初回受診時に医師と本人が話し合って禁煙開始日を決定します。この禁煙開始日から、2週間後、4週間後、8週間後、12週間後の計4回受診します。
これで合計5回です。
3カ月間に5回受診する場合、およそ12,000円~14,000円です。

もちろん、要件を満たさない場合でも、自由診療で禁煙治療を受けることができます。
全額自己負担で治療を受ける場合は、およそ30,000円~となります。
(ニコチンパッチの種類や処方される枚数、医療機関などによって金額が異なります。)

禁煙を始めたい方は、受診の前にご自身でチェックしてみましょう。

まとめ

禁煙が美肌にとってなぜ大切なのかについてお話してきました。
40代や50代の女性は、ストレスの多い年代ということもあって、喫煙比率が高い傾向にあります。
この時期は更年期のライフステージでもあり、女性はさまざまな健康上の問題や肌老化・肌悩みに向き合うことが多い時期です。
そんな女性にとって、喫煙は大きなマイナスの影響を与えます。
だからこそ、喫煙習慣のある方には、禁煙で美肌と健康を叶えていただきたいと願います。
美肌をキープするために、喫煙習慣のない生活とともに、ご自身のお肌に合った化粧品で正しいエイジングケアを実践しましょう。

なお、本町林クリニックは、当社スタッフのかかりつけで、予防接種などで大変お世話になっております。

  • どんなことでもお気軽にご相談ください!

    元エステティシャンや、医学・薬学に詳しいスタッフがいます。