花粉による肌荒れは、「花粉皮膚炎」と呼ばれるかゆみや赤みなどをともなうアレルギー性の皮膚の病気です。皮膚科などでしっかり治療することが大切ですが、日々のお肌のお手入れには、スキンケア化粧品やエイジングケア化粧品で保湿することも大切です。
この記事では、花粉皮膚炎の原因とともに、保湿などのスキンケアや自分でできること、皮膚科での治療を紹介します。
- 花粉が原因の肌荒れは、「花粉皮膚炎」とも呼ばれ、肌が敏感になり、カサつき、かゆみ、湿疹、発赤などの症状があらわれます。
- 花粉症による肌荒れ「花粉皮膚炎」の予防は、マスク、メガネ、帽子などで花粉が肌に付着しないようにすることが大切です。また、顔や体に付いた花粉は、早く落とすことも大切です。
- 花粉皮膚炎ではバリア機能が低下しているので、保湿がとても大切です。刺激の少ない化粧品でしっかり保湿しましょう。
- 花粉症による肌荒れ「花粉皮膚炎」のスキンケアは、新しい化粧品を使うことをなるべく避け、ふだんから使い慣れたものを使うことが基本です。今までの化粧品が肌に合わない場合は、一旦、使用を中止して様子をみましょう。
- 肌荒れの症状がひどい場合は、早目に皮膚科を受診しましょう。治療には、抗アレルギー薬の内服、保湿剤、ステロイドの外用薬などが使われます。
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CONTENTS
1.花粉症による肌荒れ「花粉皮膚炎」とは?症状は?
男性でも女性でも花粉症がある方は、春の飛散時期は毎年頭を悩まされるのではないでしょうか?
国内で行われた疫学調査(*)では、日本人の25%を占める人が、花粉症だという結果も報告されています。
そんな花粉症の症状は、目や鼻だけではなく、肌にも影響を与えるのです。
春先には花粉症が原因となる肌荒れなどの肌トラブルに悩む方が増えます。
花粉が原因となる肌荒れは、「花粉皮膚炎」と呼ばれます。
花粉が顔や首などの肌の露出したパーツに付着して、その刺激で肌荒れが起こってしまうのです。
花粉皮膚炎では、カサつき・かゆみ・湿疹・発赤などの症状があらわれます。
症状は、皮膚が薄いまぶたなど目の周りに症状が出る方が多く、ひどくなると頬や口の周りにも広がります。また、首の前側では、特に症状がひどくなることもあります。
花粉皮膚炎の症状の特徴は次のとおりです。
- 目の周り・鼻の周りなどの肌の色がほかのパーツと違っている
- 赤い細かい発疹が目立っている
- 普段使用している化粧品がしみてヒリヒリする
- マスクが肌と擦れる部分が赤くなって、刺激を感じる
- 白く粉吹きが見られる顔のパーツもある
花粉皮膚炎の症状は、目や鼻などの花粉症の症状と同時に出ることが多いのですが、まれに肌だけに症状が出ることもあります。
花粉皮膚炎は、春や秋の花粉症のシーズンに発症することが多く、軽症の場合は花粉の飛散が収まると症状が消えることがほとんどです。
しかし、炎症が強くなって重症化すると、腫れて熱を持ちます。そこを掻いてしまえば、傷になってジクジクしてきます。
また、症状が長引くと、赤みがだんだんと茶色っぽい色素沈着を起こしてしまうことがあります。さらには、皮膚がごわごわとして厚みが出たり、カサカサとした細かな白い粉を吹いてしまうこともあります。
そのため、花粉対策で予防するとともに、早めに治療することが大切です。
また、日々のスキンケアなどでもできることや気をつける点があります。
そこで、花粉による肌荒れに悩まされている方が少しでも楽になるように、花粉症による肌荒れ「花粉皮膚炎」の原因や症状から予防の対策、スキンケアでできること、皮膚科などの医療機関でできる治療まで、幅広くご紹介します。
「花粉皮膚炎の原因は?」
「花粉症による肌荒れを予防したい!」
「花粉皮膚炎のスキンケアで気をつけることは?教えて!」
「花粉皮膚炎の治療法は?どんな薬で治療できるの?」
などが気になる方は、ぜひ、続きをお読みくださいね。
<参照論文>
(*)馬場廣太郎ほか 鼻アレルギーの全国疫学調査2008(1998年との比較)-耳鼻咽喉科医およびその家族を対象として ― Prog. Med. 28:2001-2012,2008
<花粉侵入予防はゴーグルで!>
<花粉症による肌荒れは保湿で予防>
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<参考記事>
肌荒れの原因と対策の全てがわかる!|エイジングケア化粧品のナールス
2.花粉皮膚炎の原因は?
1)花粉皮膚炎の原因は花粉
花粉皮膚炎の原因は、その名のとおり「花粉」です。
春に飛散する花粉には、スギ、ヒノキ、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、シラカンバなどがあります。また、秋に飛散する花粉にはブタクサ、ヨモギ、カナムグラなどがあります。これら以外を合わせて60種程度と考えられています。
人によって、反応する花粉の種類が違いますが、いずれかの花粉がアレルゲンとなることが原因です。
花粉皮膚炎は、原因が何の花粉かがわかっていれば、その花粉の名をつけて呼ぶこともあります。
たとえば、スギ花粉が原因の肌荒れの場合は、「スギ花粉皮膚炎」と呼ばれます。
<参考記事>
2)なぜ花粉で皮膚に炎症が起こる?
ではなぜ、花粉が皮膚にかゆみや皮膚炎などの症状を引き起こすのでしょうか?
それは、花粉がアレルゲンとなって、アレルギー反応や免疫が関与するからです。
花粉症の方は、花粉に反応するIgE抗体が多くつくられています。そのため、肌に触れたり、内部に侵入した花粉に対して強いアレルギー反応を起こします。そのため、皮膚でアレルギー性の炎症が起こったのが、「花粉皮膚炎」です。
これは、付着した花粉を排除するための防御反応であり、異物に対する免疫がはたらいた結果でもあるのです。
その役割を担っている細胞の一つが、表皮にある肥満細胞(マストセル)です。
花粉が体内に入ろうとすると、体内からそれを受け取る抗体(IgE抗体)が放出されます。そして、抗体は、肥満細胞と結合します。
その結果、肥満細胞からヒスタミンという物質が出ます。
ヒスタミンは、普段は肥満細胞の中でヘパリンという物質と結合していて静かにしています。
しかし、花粉による刺激をはじめ、ケガやヤケドなどの物理的な刺激、侵襲や薬物などの化学的な刺激、侵襲があれば、活動が活発になるのです。
つまり、アレルゲンである花粉の皮膚への侵襲でヒスタミンが過剰に出ることによって、アレルギー反応を起こしてしまうのが花粉皮膚炎が起こるメカニズムです。
ヒスタミンは、かゆみの原因となる物質のため、花粉皮膚炎になるとかゆみが出るのです。
2)バリア機能低下が原因となって症状がひどくなる
肌のバリア機能が低下していることが原因で花粉皮膚炎の症状がでたり、ひどくなります。
乾燥肌や敏感肌の方、花粉皮膚炎以外で湿疹や炎症のある方は、皮膚に花粉が付着するとそれが刺激になって、余計に皮膚にアレルギー症状が出てしまうこともあります。
特に、アトピー性皮膚炎の方は要注意です。遺伝的に、アトピー素因を持っていてセラミドが少なかったり、天然保湿因子(NMF)のもととなるフィラグリンが少ないこともわかっています。そのため、表皮の角質層のバリア機能が元から弱いので、花粉のほか、外部の刺激にも弱いのです。
<参考記事>
3.花粉皮膚炎の予防は花粉を早く落とすことと付着させないこと
1)付いた花粉は早く落とす
花粉皮膚炎の予防のためには、外出後はすぐに花粉を落とすことが大切です。
帰宅したら、なるべく早く入浴し、花粉を洗い流しましょう。入浴が難しければ、髪をまとめて顔に触れないようにして、洗顔だけでも帰宅直後に済ませます。ここで注意しておきたいのは、よく洗おうと思うあまりゴシゴシとこすってしまうことです。花粉は顔の皮脂や化粧品に混じって付着していますので、クレンジング剤で浮かせた後に、洗顔料の泡でやさしくなでて洗い、こすらないようにしてぬるま湯で十分にすすぎ落して下さい。拭くときも、柔らかいタオルでやさしくおさえて拭きましょう。洗顔料は、スクラブ入りのものは弱っている皮膚には刺激が強いので、避けたほうが無難です。
2)鼻や口への花粉対策はマスクが基本
多くの方がご存知だと思いますが、花粉症の予防と対策に最も効果的なのは、鼻や口へ吸い込む花粉を防ぐためにマスクを着用すること。
これで、花粉の量は、1/6程度になります。
「花粉症用」のマスクであれば、花粉の量を大きく減らすことが可能ですが、少し息苦しいと感じるデメリットもあります。
通常のマスク着用でも、体内に入る花粉の量を3分の1以下に減らすことができるので、まずはマスク着用を花粉症予防の第一の選択肢と考えましょう。
花粉の中には、スギ花粉のように水につきやすいものもあるので、湿ったガーゼをマスクに挟むこともよい方法です。
<参考記事>
3)目元へ肌の花粉対策は、ゴーグルとメガネで!
目元や目の周りが気になる場合は、メガネやゴーグルが花粉の予防対策です。
万全を期すなら、90%程度花粉を遮断するゴーグルを使いましょう。
最近では、機能性もさることながらおしゃれなゴーグルもあるので、気に入ったものを選べばよいでしょう。
一方、少し大げさなのが気になるなら、メガネでも約75%の花粉がカットできます。
メガネもゴーグルほどではありませんが、花粉の遮断に有効です。
視力に問題がないなら、度の入っていないメガネをつけましょう。
また、いつもコンタクトレンズをしている方も、花粉を防ぎたいならメガネのほうが安心です。
コンタクトレンズと結膜の間に花粉が入ると、摩擦で目の炎症を起こすリスクがあるからです。
花粉の飛散の時期だけでも、メガネに変えることをおすすめします。
これで目の周りの花粉皮膚炎の予防が期待できます。
<参考記事>
4)頭皮の花粉は帽子でカット
頭に対する花粉をカットするなら、帽子が一番。
髪の長い方は、ハットタイプの帽子をかぶったり、髪をまとめて帽子ですべて覆うこともよい方法です。
もちろん、自分のお気に入りのおしゃれな帽子を選んでくださいね。
5)頭皮の花粉は帽子でカット
花粉の飛散時期には、衣類は外出後の花粉を家に持ち帰ってしまうツールとなってしまいます。
表面に毛のあるウールなどの衣類は、花粉が付着しやすく静電気も起きやすいので、避けることをおすすめします。
なぜなら、静電気も乾燥肌や肌荒れのリスクだからです。
本来は、肌にあまり優しくないポリエステルなど化学繊維は静電気が発生しにくい素材です。
下着は綿などの素材を着用して、アウターはこれらの素材の衣類を着用すれば、花粉はつきにくくなります。
もちろん、アウターに綿素材の服でもOKです。
6)部屋の中の花粉症の予防法
本当は、換気のためには窓を適度に開けることが大切ですが、花粉の飛散量が多い時には、ドアや窓の開閉は、花粉の侵入につながります。
ドアや窓の開閉の回数を意識的に減らし、また、しっかり閉めましょう。
また、掃除もこまめに行って、花粉を除去することも大切です。
7)そのほかの花粉遮断対策
今、挙げた方法を組み合わせれば、おおむね花粉をカットすることができますが、ほかにもいくつかの対策があります。
静電気防止スプレーを衣類にかける方法や、花粉防止クリームを使う、人口涙液で花粉を洗い流すなども、花粉を遠ざけたり、体から除去する方法として有効です。
<参考記事>
春になる前から要注意!花粉対策ですっきりと美肌を(飯塚美香さん)
4.スキンケアでできる花粉皮膚炎の対策
花粉症による肌荒れ、花粉皮膚炎の肌は、バリア機能が低下している状態です。
だから、攻めるスキンケアではなく、守るスキンケア、エイジングケアが基本です。
今まで使っていた化粧品に問題がないなら、それを使い続けることが基本です。
もし、それでもしみたり、刺激を感じるなら、使用をいったん控えることも考えましょう。
また、多種類の化粧品を併用することは避けましょう。
できるだけシンプルなケアにすることがベストです。
1)優しい保湿と不要な成分を使わない
花粉皮膚炎では、肌のうるおいを保つことが基本のケアになります。
エイジングケア化粧品にも配合されているセラミド、プロテオグリカン、ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチン、アミノ酸、ナールスゲンなどの保湿成分は、肌のバリア機能をサポートしてくれるので、摩擦によって肌荒れした肌にオススメです。
また、ナイアシンアミドやセラミドプロモーターなど、セラミドを増やす成分もおすすめです。
なお、避けたい成分としては、アルコール、PG(ポリエチレングリコール)、合成香料、合成着色料などです。
これらの成分が無添加の化粧品、アルコールフリーの化粧品がおすすめです。
マスクやティッシュの摩擦による肌荒れの予防には、保湿効果の高い保湿成分が配合された美容液を使用しましょう。
<参考記事>
おすすめの敏感肌化粧水!選び方はランキングより刺激成分を避ける
2)洗顔やクレンジングも優しく行う
洗顔はしっかり泡立て、擦らずに、泡で洗うイメージで洗いましょう。
30~35度程度のぬるま湯で、いつも以上に優しく洗顔しましょう。
ただし、優しい洗顔料や石けんなどでも、しみたり刺激を感じるなら、洗顔料を使わないでぬるま湯だけで洗顔しましょう。
なお、花粉症による肌荒れがある場合は、ピーリング洗顔、スクラブ洗顔、酵素洗顔などは避けましょう。
また、クレンジングは、刺激や脱脂力の強いミネラルオイルなどのクレンジング料の使用は控えましょう。
また、拭き取りタイプのメイク落としシートは、摩擦でダメージを与えてしまうので、花粉皮膚炎を起こしている方にはおすすめできません。
おすすめは、摩擦の小さなクレンジングジェルやクレンジングクリーム、クレンジングミルクです。
そんな中でも、アミノ酸系界面活性剤配合の乾燥肌や敏感肌向けのクレンジング料を使いましょう。
花粉症皮膚炎の場合は、優しいクレンジング料を使って、正しい方法でクレンジングを行うことが大切です。
一方、お肌についた花粉や毛穴の汚れをしっかり落とすことも大切です。
毛穴汚れをしっかり落とせるクレンジング料を使いましょう。
<参考記事>
*肌荒れを防ぎたい!おすすめのクレンジング料の選び方と使い方
3) 花粉飛散時期の紫外線対策も大切
紫外線ダメージも肌のバリア機能低下の原因になってしまいます。
そのため、花粉皮膚炎の方も日焼け止めなどで紫外線対策をすることが大切です。
ただし、日焼け止めは肌への刺激になることがあるので、ノンケミカルなどの肌に優しいものを選びましょう。
5.花粉皮膚炎の際のファンデーションやメイクはどうする?
1) ファンデーションの選び方は?
ファンデーションは肌への負担が少ないルースパウダー(粉白粉)か、パウダーファンデーションにしましょう。
リキッドやクリームタイプのファンデーションは、界面活性剤や防腐剤などの添加物が多く配合されていることが多いため、花粉皮膚炎や花粉による肌荒れを起こしている場合には不向きです。
また、リキッドやクリームタイプのファンデーションのように油分が多いファンデーションは、花粉が肌に付着しやすくなるので、肌荒れを起こしやすくする可能性があります。
<参考記事>
乾燥肌の方のためのファンデーションの選び方・使い方の3つのコツ!
2) 花粉皮膚炎対策のメイクとメイクオフ
どんなファンデーションを選んでも、やはりメイクは肌の刺激になるリスクがあります。
だから、もし家にいるときなど、メイクが不要な場合には控えることも大切です。
ただし、メイクには心理的な効果や紫外線を防ぐ効果もあるので、必ずしもデメリットばかりではありません。
上手にメイクを行いましょう。
でも、メイクをした日は帰宅後、すぐにメイクを落としましょう。
6.花粉皮膚炎は皮膚科で診断と治療が大切
1) 花粉症の診断と治療は、病院やクリニックで
春や秋の時期に肌荒れが起これば、その原因が花粉症なのか、ほかの皮膚の病気なのかなどを自分自身で見分けることは難しいものです。
また、薬局でも薬剤師に相談して市販薬を購入することはできますが、診断という面では不確定で不安が残ることもありますね。
その場合は、皮膚科専門医やアレルギー専門医などで、アレルギー検査を受けて花粉皮膚炎かどうかを診断してもらうことが大切です。
原因がわかれば、医師による適切な治療を受けることが可能です。
自分で解決する前に、専門家である医師に相談することが花粉症改善の近道です。
気になる皮膚症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。
2)花粉症や花粉皮膚炎の薬物治療
花粉症の治療薬には、抗ヒスタミン薬、メディエーター遊離抑制薬、抗ロイコトリエン薬(ロイコトリエン受容体拮抗薬)、血管収縮薬、ステロイド薬などがあります。
これらは、内服、点眼、点鼻、外用薬などがあります。
花粉皮膚炎の治療では、アレルギーを抑えるために抗ヒスタミン薬の内服薬が処方されます。
また、皮膚の角質層の水分を保持するために、ヘパリン類似物質やワセリンなどの保湿剤を使うこともあります。
さらに、炎症を抑える治療には、ステロイド外用薬が使われます。はじめはマイルドなものから始め、効果が不十分な場合は徐々に効果の強いものに切り替えます。
ステロイド外用薬には即効性があり、通常、花粉皮膚炎によるかゆみもおおむね数日程度でおさまります。
ほかでは、目や目周りかゆみがある場合は、点眼薬や外用薬が処方されます。
花粉症の治療薬は、症状に加え年齢、性別、妊娠の有無などを考慮して効果と副作用のリスクのバランスで検討されます。
受診の際には、問診に答えるとともに、症状のほか、気になることをきちんと伝えることが大切です。
もちろん、医薬品が処方された場合は、医師や薬剤師の指示を守り、正しく使いましょう。
3)花粉症の完治を目指す減感作療法
もう1つの花粉症の治療に減感作療法があります。
これは、ごく微量の花粉エキスを皮下注射することで、免疫系にはたらきかけ、過敏になっているIgE抗体を「鈍感」にする方法です。
つまり、アレルゲンへの感作を減らす治療法です。
定期的な注射が必要で、治療期間も1年以上といわれていますが、約80%の患者さんで症状の消失や軽快、薬が不要になるなどの効果が期待できると考えられています。
7.まだある!花粉皮膚炎&花粉症対策の日常生活
1) 就寝時の花粉対策
春など花粉飛散の多い季節は、ベッドや枕元に花粉が溜まることもあります。
布団や枕から花粉を取り除くためには、こまめに枕カバーや布団のカバーなどを洗濯して、清潔に保ちましょう。
本当は、洗濯物は外で干したいところですが、この時期は花粉の付着を避けるために、乾燥機を使うなどで我慢しましょう。
どうしても外で干す場合は、花粉をはたく、布団やシーツなどに掃除機をかけるなどの工夫も忘れずに。
なお、花粉症や花粉皮膚炎でなくても、エイジングケアで大切なのが、質の高い十分な睡眠。
花粉の飛散するシーズンは、意識的に十分な睡眠を取るようにしましょう。
<参考記事>
美肌は質の高い睡眠中に作られる!3つのホルモンを活かす4つの対策
2) ストレスを溜めない
ストレスが多いと免疫は下がり、花粉皮膚炎の症状が悪化するリスクが増えます。
だから、お笑いやバラエティ番組などを見て笑うことや、趣味やスポーツでストレスを発散することも大切な花粉症の予防になるのです。
笑ったり楽しく過ごすことは、免疫力のアップにつながります。
<参考記事>
3) たんぱく質や腸内環境に良い栄養素や食べ物を摂る
肌の状態を良くするには、皮膚の生成に必要なたんぱく質を含む魚や肉などを積極的に摂取しましょう。また、ビタミン類やミネラルも大切です。
さらに、腸内環境を整える発酵食品や食物繊維などをバランスよく摂取し、免疫力を高めることも意識しましょう。
<参考記事>
8.花粉皮膚炎に関するよくある質問
Q1.花粉皮膚炎は春だけ気を付ければ良いですか?
春だけでなく、秋も花粉症のリスクがあります。
スギやヒノキの花粉は、春のシーズンに飛散しますが、イネやブタクサ、ヨモギ、カナヌグラの花粉は、夏から秋のシーズンに飛散します。
イネやブタクサほか、これらの植物に反応する方は、秋でも花粉症になってしまいます。
花粉症は、春だけだと油断せずに秋にも対策が必要です。
Q2.花粉皮膚炎かどうかを自分で見分けるには?
花粉皮膚炎は、春や秋の花粉飛散時期に、顔や首など直接空気に触れている部位だけに症状が現れることが多いです。
また、アトピー性皮膚炎の方や家族にアトピー性皮膚炎がある方に多く発症します。
さらに、アレルギー性結膜炎や、眼瞼炎をともなうことも少なくありません。
これに該当するなら花粉皮膚炎の可能性がありますが、正確な診断のためには皮膚科などでアレルギー検査をすることをおすすめします。
Q3.脂漏性皮膚炎と花粉症皮膚炎を見分けるには?
一般の方が、脂漏性皮膚炎と花粉症皮膚炎を見分けるのは難しいですが、皮膚症状の発症または悪化したタイミングが、花粉症の季節と合致するかどうかがポイントです。
花粉皮膚炎は、花粉の季節で発症します。一方、脂漏性皮膚炎は、主に秋から冬にかけての乾燥する季節に悪化しやすい傾向があります。
正確に診断するのは、アレルギー検査などが必要です。
9.まとめ
花粉が肌につくことで起こる肌荒れ「花粉皮膚炎」の原因から症状、予防やスキンケアの対策、皮膚科などでの治療法をご紹介しました。
いかがだったでしょうか。
花粉皮膚炎対策としては、まずは花粉を避ける予防対策を実践しましょう。
その上で、スキンケアもしっかり行うことが大切です。
花粉皮膚炎を乗り切るためのスキンケアは、清潔と保湿が基本です。また、紫外線対策も必要です。
それでも症状がひどい場合は、早めに皮膚科などを受診することをおすすめします。
この記事が、花粉皮膚炎で悩む方のお役に立てば幸いです。
著者・編集者・校正者情報
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
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