後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)はシミ?症状・原因と治療

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後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)は、シミとも考えられますが、医学的にはアザの一種です。

頬やこめかみ、まぶたなどに左右ともに発生します。

この記事では、後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)とは何か、また、原因と治療法をご紹介します。

<この記事の大切なポイント>
  • 後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)は、シミのように見えますが、医学的にはアザです。真皮にメラニンが溜まって直径1~3 mm程度のシミのようなアザが目立ちます。
  • ADMは、額の両側やこめかみ、まぶた、鼻の穴付近などに現れます。左右対称に現れることが多いのが特徴で、表皮に近いものから、褐色→灰色→青色と色が変化して見えます。
  • ADMの原因は明確になっていません。遺伝や紫外線、ホルモンバランスの乱れが深く関わっていると考えられています。また、ADMは、アジア民族特有のアザであると考えられています。
  • ADMを予防する確実な方法はありませんが、日焼け止めなどで紫外線対策することで、肌の過剰なメラニンをつくらせないことが大切です。他のシミと同じく、しっかり紫外線をブロックすることが大切です。
  • ADMの治療法はレーザーを使います。Qスイッチレーザーとルビーフラクショナルレーザーを使う方法があります。

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後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)が気になるあなたへ

後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)について考える女性

「後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)はシミ?症状・原因と治療」をお届けします。

後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)とは、Acquired Dermal Melanocytosisの略称で、対称性真皮メラノサイトーシスと呼ばれることもあります。

また、かつては遅発性太田母斑様色素班とも呼ばれていました。

ADMは、医学的にはシミではなくアザで、両側の頬やこめかみ、まぶたなどに発生します。

一般的なシミは、表皮の中にメラニンが溜まるのに対し、ADMでは真皮の中にメラニンが溜まる特異的なタイプのものです。

正しいスキンケアやエイジングケアのためには、こうした皮膚の病気に対する理解も大切です。

そこで、この記事では、後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)とは何か、症状、また、原因と治療法をご紹介します。

「後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)の症状や特徴を詳しく知りたい!」

「後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)の原因は何なの?教えて!」

「後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)は予防できるの?おすすめの対策は?」

「普通のシミとどう違うの?」

「後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)の診断や治療は?リスクや費用などは?」

などが知りたいエイジングケア世代の女性は、ぜひ、続きをチェックしてくださいね。

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後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)とは?

ADMが目立つ部位

後天性真皮メラノサイトーシスは、老人性色素斑、ソバカス、肝斑、炎症性色素沈着、脂漏性角化症などのシミに分類されますが、特徴が異なります。

額の両側や頬骨部にいくつかまとまって出現する直径1~3 mm程度のシミのようなアザです。

また、こめかみ、まぶた、鼻の穴付近にも見られることがあります。

左右対称に現れることが多いのが特徴です。

また、表皮に近いものから、褐色→灰色→青色と色が変化して見えることも大きな特徴です。

男性には現れることはほとんどなく、女性だけに目立ちます。

早い場合は思春期に現れますが、多いのは20代~30代で日本人や中国人に多いとされています。

( 参考:あたらしい皮膚科学第3版 清水博 )

肝斑はADMと似ていますが、まぶたに現れることはありません。

ただし、まれにADMと同時に現れることがあります。

ADMは、かつては太田母斑の1つと考えられていましたが、今では別の病気と考えられています。


後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)の原因

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)の原因を考える女性

残念ながら、ADMの原因は明確になっていません。

遺伝や紫外線、ホルモンバランスの乱れが深く関わっていると考えられています。

これらの影響で、老人性色素班やソバカスとは異なり、メラノサイトのない真皮層にメラニン色素が溜まります。

原因が明確でないため、確実にADMを予防することはできませんが、日焼け止めをはじめとする紫外線対策でメラニンを過剰につくらせないことが予防法の1つです。

もちろん、夏の紫外線対策だけでなく冬でも紫外線対策を行いましょう。

特に屋外でのスポーツや作業をすることが多い方は、強く意識的に行うことが大切です。

また、日焼けサロンもADMだけではなく、肌に良くないので控えましょう。

<参考記事>

日焼け止めの使い分けと選び方は、年齢・季節・利用シーンで!

春の紫外線対策。しっかりブロックして日焼けの無い美肌をキープ!

秋も紫外線対策は大切!斜め横からの光線を日焼け止めでブロック


後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)の診断

後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)は、肝斑と好発部位が似ていることや合併することからことから、発症年齢、形状、色調を注意深く観察することで診断されます。

また、目の下のクマが目立つ部位でも発症します。

目の下は、くぼみや色素沈着を起こしやすく、後天性真皮メラノサイトーシスが発症することで、より顔のくすみが目立ちます。

この部位での診断も大切だと考えられています。


後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)の治療法

後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)の治療について説明する女性

1)QスイッチレーザーによるADM治療

ADMは真皮の疾患なので通常のシミ治療より難しく、肌の深くまで照射できる Qスイッチレーザーを使う治療が選択肢の1つです。

ただし、1回のみの照射で治療できることはまれで、通常、複数回の照射が必要です。

Qスイッチレーザーを使うとお肌の回復を促すために、テープやガーゼなどによる保護が必要になります。

ダウンタイムが長くQスイッチレーザーは2~3か月に1回の照射で治療を継続することになります。

また、Qスイッチレーザーでの通常出力での照射は、肝斑の症状を悪化させるリスクがあります。

そのため、ADMと肝斑を併発している場合は、肝斑の治療を優先して行ったあとに、QスイッチレーザーでADMの治療を行います。

Qスイッチレーザーには、反応するは波長によってYAG(ヤグ)、ルビー、アレクサンドライトの3種があります。

中でもQスイッチルビーレーザーがADMに最も良く反応すると考えられています。

<参考記事>

YAG(ヤグ)レーザーは3種類!シミへの効果やダウンタイムは?

ルビーレーザーの効果とシミの治療費用・ダウンタイム・副作用

アレキサンドライトレーザーとは?シミへの効果や費用について解説

2)ルビーフラクショナルレーザーによるADM治療

ADM治療の新たな選択肢として、ルビーフラクショナルレーザーが登場しています。

ルビーフラクショナルレーザーのメリットは、レーザーを分割照射することで、肌へのダメージを軽減できることです。

そのため、照射後にガーゼなどを使用しなくても、炎症性色素沈着のリスクを小さくできることです。

一方、治療回数は増加することがデメリットです。

しかし、ダウンタイムが短いことから、月1回ペースで治療が行えるため、Qスイッチレーザー治療よりも短い期間で終えることが期待できます。

さらに、ルビーフラクショナルレーザーでは、全体照射ができるため、ADM以外のシミも並行して治療が可能です。

そのため、最近ではルビーフラクショナルレーザーを使うクリニックが増えつつあります。

なお、ルビーフラクショナルレーザーは、フラクショナルQスイッチルビーレーザー、Qスイッチルビーフラクショナルレーザーともいいます。

<参考記事>

フラクショナルレーザーの効果は?治療期間とダウンタイムも解説

3)ピコレーザーによるADM治療

最近では、Qスイッチレーザーよりも照射速度が速いピコレーザーがADMの治療に使われるようになってきました。

ピコレーザーのスポット照射によって、Qスイッチレーザーよりもダウンタイムが短い治療が可能になっています。

ピコレーザーには、ピコシュアやピコウェイ、エンライトンなどの機種があります。

<参考記事>

ピコレーザーはシミ取りに効果ある?種類やダウンタイムも解説

ピコスポットの効果と経過・ダウンタイムのかさぶたの防ぎ方

ピコレーザーの種類と機種別の特徴!5種からどれを選ぶ?


ADM治療の実際

まゆりなクリニック名古屋栄での20代女性のの症例のピコスポットによる治療例です。

ADM治療のビフォーアフター

 

ADM治療20代女性
ピコスポットシミ取り放題4回目6ヶ月後の症例です。

【施術内容】ピコスポット(シミ取り放題)
【治療回数】4回
【リスク】ピコスポット:施術中にごく軽度の痛みがあります。施術後にひりひり感がありますが、すぐに落ち着きます。一時的な赤みや、かゆみ、紫斑、炎症後色素沈着を生じることがあります。
【料金】ピコスポット(シミ取り放題):¥98,000(税込)→モニター価格¥55,000(税込)

<提供> まゆりなクリニック名古屋栄


後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)に関するよくある質問

Q1.後天性真皮メラノサイトーシスの見分け方は?

後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)は、灰色またはやや青みを帯びた独特のくすんだ色合いをしていることがほとんどです。

メラニン色素の存在する層が深いためこうした色になっています。

また、メイクでも隠れないことがあります。

独特の特徴から比較的、他のシミと見分けやすいです。

Q2.後天性真皮メラノサイトーシスの治療費は?

後天性真皮メラノサイトーシスの大きさやできた部位、治療法、クリニックによって治療費が異なります。

例えば、Qスイッチレーザーの場合は、直径1cmあたり、15000円前後が相場です。

治療費は、クリニックで診断をしてもらう際に確認しましょう。

Q3.後天性真皮メラノサイトーシスは保険適応になりますか?

後天性真皮メラノサイトーシスは保険適応にならず、自由診療です。

ただし、赤ちゃんの赤あざ・青あざは保険適応です。

Q4.後天性真皮メラノサイトーシスは光(IPL)治療で治りますか?

後天性真皮メラノサイトーシスは、フォトフェイシャルやフォトシルクプラスなどの光(IPL)治療では改善しません。

しかし、ADMは、老人性色素斑ややそばかす、肝斑など表皮の色素性病変と合併していることが多々あります。

これらに対しては、光治療は有効です。

ADMとシミが混在している場合は、先にシミ治療のために光治療を行うことは有意義です。

Q5.後天性真皮メラノサイトーシスは、薬で治りますか?

後天性真皮メラノサイトーシスは、他のシミと違いトラネキサム酸やシナールなどの美容内服薬では治りません。

また、ハイドロキノンやトレチノインなどの外用薬でも治りません。

しかし、ADMが肝斑を合併することも多々あります。

その場合は、しハイドロキノンやトレチノイン、トラネキサム酸の塗り薬やビタミンCなどで同時に肝斑を治療することは有意義です。

 

<参考記事>

トレチノイン(レチノイン酸)とは?効果と副作用を解説

医師監修|ハイドロキノンは美白効果と安全性を考えて使おう!

トラネキサム酸の効果は?肝斑などのシミ、出血性疾患の治療薬

美容内服薬は美白&シミ改善を!種類・効果と使い方の注意・副作用

 

Q6.ADMは何回くらい治療したら良くなりますか?

ADMは、Qスイッチレーザーを3か月に1回照射を2,3回行うことで良くなることが多いです。つまち、6ヶ月〜9ヶ月で治療を終えることが可能です。ただし、レーザーによる炎症後色素沈着がでる場合は、それが落ち着いてからのレーザー照射を行うことになります。

その場合は、治療期間が延びることがあります。

Q7.ADMと太田母斑は何が違うのですか?

太田母斑は、ほとんどが顔の片側に発症します。また、三叉神経第1・2枝支配領域に発生します。

一方、ADMはほとんどが顔の両側に発生します。

ともにアザですが、発生する部位や発生年齢、特徴などが異なります。


まとめ

後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)とは何か、また、症状や原因、治療法をご紹介しました。

いかがでしたか?

ADMは、シミのように見えますが、真皮でメラニンが溜まった状態です。だから、医学的にはアザなのです。

そんなADMは、紫外線対策である程度予防が可能です。

しかし、一度、発症すれば皮膚科や美容皮膚科などでの治療が必要な病気です。

正しいスキンケアやエイジングケアのために、ADMについての知識を身につけていただければ幸いです。

この記事「後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)はシミ?症状・原因と治療」が、ナールスエイジングケアアカデミーの読者の皆様のお役に立てば幸いです。

 

<参照論文>

【1】Mizoguchi M, Murakami F, Ito M, Asano M, Baba T, Kawa Y, Kubota Y. Clinical, pathological, and etiologic aspects of acquired dermal melanocytosis. Pigment Cell Res. 10(3):176–183, 1997.
PMID: 9266606|DOI: 10.1111/j.1600-0749.1997.tb00481.x
日本語要旨:本研究は後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)の臨床像・病理像・発症機序を包括的に解析した基礎論文である。真皮内メラノサイトの存在が本症の本態であり、表皮性のシミとは異なる疾患である点を示しており、記事中の「ADMはシミと同じか?」という病態解説の根拠となる。

【2】Hori Y, Kawashima M, Oohara K, Kukita A. Acquired, bilateral nevus of Ota-like macules. J Am Acad Dermatol. 10(6):961–964, 1984.
PMID: 6736340|DOI: 10.1016/S0190-9622(84)80313-8
日本語要旨:成人期以降に出現する両側性の灰褐色斑を報告した古典的論文で、ADM(Hori母斑)の疾患概念確立に寄与した。記事中の「ADMの定義・歴史的背景」の説明に対応する。

【3】Hidano A, Kaneko K. Acquired dermal melanocytosis of the face and extremities. Br J Dermatol. 124(1):96–99, 1991.
PMID: 1993152|DOI: 10.1111/j.1365-2133.1991.tb03291.x
日本語要旨:顔面だけでなく四肢にも生じるADM症例を報告し、真皮内メラノサイトの存在を確認した研究である。記事中の「ADMの症状・分布」の解説に適している。

【4】Park JM, Tsao H, Tsao S. Acquired bilateral nevus of Ota-like macules (Hori nevus): etiologic and therapeutic considerations. J Am Acad Dermatol. 61(1):88–93, 2009.
PMID: 19539841|DOI: 10.1016/j.jaad.2008.10.054
日本語要旨:ADMの発症要因として紫外線やホルモンの関与を考察し、治療法としてレーザー治療が中心となる理由を整理した総説。記事中の「原因・治療方針」に対応。

【5】Lee JY, Lee JS, Kim YC. Histopathological features of acquired dermal melanocytosis. Eur J Dermatol. 20(3):345–348, 2010.
PMID: 20299305|DOI: 10.1684/ejd.2010.0918
日本語要旨:ADMの組織学的特徴を詳細に解析し、メラノサイトの深さと分布を明らかにした研究である。記事中の「ADMの診断・病理的特徴」の裏付けとなる。

【6】Kosumi H, Miyauchi T, Nomura T, et al. Diagnostic features of acquired dermal melanocytosis of the face and extremities. Clin Exp Dermatol. 43(7):806–809, 2018.
PMID: 29952011|DOI: 10.1111/ced.13546
日本語要旨:ADMの臨床的診断ポイントを整理し、肝斑など他の色素斑との鑑別点を提示した論文である。記事中の「ADMの見分け方」の根拠として有用。

【7】Ouchi T, Ishii K, Nishikawa T, Ishiko A. Acquired dermal melanocytosis of the face and extremities. Clin Exp Dermatol. 41(6):643–647, 2016.
PMID: 27338120|DOI: 10.1111/ced.12867
日本語要旨:ADMの臨床像を症例ベースで整理し、左右対称性や色調の特徴を示した研究である。記事中の「ADMの症状・特徴」の具体化に対応する。

【8】Kunachak S, Leelaudomlipi P. Q-switched Nd:YAG laser treatment for acquired bilateral nevus of Ota-like maculae: a long-term follow-up. Lasers Surg Med. 26(4):376–379, 2000.
PMID: 10805942|DOI: 10.1002/(SICI)1096-9101(2000)26:4<376::AID-LSM5>3.0.CO;2-J

日本語要旨:QスイッチNd:YAGレーザーによるADM治療の長期成績を報告し、有効性と炎症後色素沈着のリスクを示した。記事中の「レーザー治療の効果と注意点」に対応する。

【9】Ee HL, Goh CL, Khoo LSW, et al. Treatment of acquired bilateral nevus of Ota-like macules with combined 532-nm and 1,064-nm Q-switched Nd:YAG laser: a prospective study. Dermatol Surg. 32(1):34–40, 2006.
PMID: 16393596
日本語要旨:532nmと1064nmレーザー併用が治療効果を高めることを示した前向き研究である。記事中の「治療法の選択・波長の違い」の解説に適している。

【10】Cho SB, Park SJ, Kim MJ, Bu TS. Treatment of acquired bilateral nevus of Ota-like macules using low-fluence 1064-nm Q-switched Nd:YAG laser. Int J Dermatol. 48(12):1308–1312, 2009.
PMID: 20415671|DOI: 10.1111/j.1365-4632.2008.04061.x
日本語要旨:低フルエンス1064nmレーザーによるADM治療の有効性と安全性を示した論文で、ダウンタイムを抑えた治療戦略の根拠となる。記事中の「治療の進め方・安全性」に対応。

 

本記事への症例提供をいただきましたまゆりなクリニック名古屋栄院長加藤成貴(かとう まさき)先生に感謝申し上げます。

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