今や大人気のスキンケアアイテムといえば、オールインワン化粧品。
オールインワンジェル、オールインワンゲル、オールインワンクリームなどはすべてオールインワン化粧品の1種です。
そんなオールインワン化粧品のメリットやデメリット、また人気の秘密は何でしょうか?
この記事では、オールインワン化粧品の真実に迫ってみます。
- オールインワン化粧品は、一般的に1つで化粧水、美容液、保湿クリーム、乳液などの基礎化粧品の役割があります。
- 技術の発展により、フェイスマスクや化粧下地などの役割を持ったオールインワン化粧品もあります。だからといって、たった1つで万能なアイテムかといえば、それは疑問です。
- 実は、オールインワン化粧品には、明確な定義がなく、化粧品メーカーがそう名乗れば、すべてオールインワン化粧品になるのです。
- ゲル化剤は、高分子ポリマーと呼ばれる物質が使われますが、オールインワン化粧品に使われるポリマーは、危険なものではありません。
- 化粧品を理解するには、その成り立ちと成分の構成、はたらきを理解することが大切で、オールインワン化粧品も例外ではありません。
化粧品成分上級スペシャリスト&京都大学農学部卒医薬品業界歴30年以上の専門家の執筆記事
ナールスエイジングケアアカデミーには月間数十万ページのアクセスがあります。
ナールスコム店長 村上清美
メーカー営業、エステティシャンを経て、現在、ナールスゲン入りエイジングケア化粧品「ナールス」の公式サイト「ナールスコム」の店長として、ナールスブランドに関わる業務全般を担当。
<保有資格>
コスメコンシェルジュ
◆化粧品検定1級
◆日本エステティック協会認定エステティシャン
◆日本エステティック業協会上級認定エステティシャン
◆ソワンエステティック協会認定ビューティーセラピスト
CONTENTS
1.オールインワン化粧品が気になるあなたへ
「オールインワン化粧品とは?ゲルとジェルの違いとその真実」をお届けします。
オールインワン化粧品、オールインワンジェル、オールインワンゲルといえば、時短スキンケア、経済的なスキンケアのアイテムとして、今や大人気の化粧品。
一つでスキンケアが完成することから、肌を触る回数も少なくなるため、摩擦を軽減できることも良いですよね。
特に、30代や40代の忙しい女性の心強い味方です。
また、最近では、エイジングケアのためのオールインワン化粧品もたくさんあります。
種類も増え、オールインワンクリーム、オールインワン美容液なども市販されていますし、美容液ランキングや口コミなどでも話題になるものもあります。
たった1つで美肌になれるなら、本当に便利ですね。
一方、そんなオールインワン化粧品について、
「オールインワンって本当に1つでスキンケアできるの?」
「オールインワンってゲルとジェルがあるけど、一体何がどう違うの?」
「本当のところエイジングケアの効果は?」
「オールインワン化粧品に使っているポリマーって危険では?」
「普通の化粧品とどう違うのかよくわからない・・・」
などの疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、そんなオールインワン化粧品やゲル、ジェルについて、深く掘り下げてみたいと思います。
きっと、ほかでは得られないオールインワン化粧品の情報とともに、ゲルとジェル、化粧水、美容液、乳液、保湿クリームの違いについてもわかります。
オールインワン化粧品にご興味にある方は、ぜひ、続きを読んでみてください。
<動画で見るオールインワン化粧品の秘密>
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2.オールインワン化粧品は大発明?
1)オールインワン化粧品は画期的なコンセプト!
オールインワン化粧品は、21世紀の直前から登場しました。
その手軽さ、便利さから人気の化粧品となり、今では多くの企業から続々と新たな製品が生まれています。
オールインワンとは「All in One」、つまり、「1つにすべてが入っている」という意味です。
オールインワンの冠のあるゲル、ジェルとも同じです。
基礎化粧品といえば、
「化粧水」 → 「美容液」 → 「乳液」 → 「保湿クリーム」
と順番に使うという選択肢しかなかった時代に、「たった1つで、化粧水・美容液・乳液・保湿クリームの役割を果たす」という提案は、女性にとって大きな期待を持って受け入られました。
<参考記事>
*化粧水、美容液、乳液、保湿クリームの役割の違いとつける順番は?
2)オールインワンのメリット
「オールインワン」によって、
(1)化粧水→美容液→乳液→保湿クリームの4つのステップが1つで済むので、時間短縮できる
(2)3種や4種の基礎化粧品を使う必要がないので、費用負担も小さくなって経済的
(3)化粧品をお肌に塗る回数が少なくなり、刺激が軽減されるので、お肌トラブルのリスクが減る
(4)ライン使いか、アイテムごとでブランドを使い分けるか、など余計なことを考えなくて済む
(5)美白やエイジングケアなど付加的な機能もあるので、さらに便利
などのメリットが享受できるようになったのです。
今では、フェイスマスクや化粧下地の役割をするオールインワンの化粧品もあります。
こうした多くのメリットと働く女性も一層増えたことが相まって、2000年以降もオールインワン化粧品は高い人気を維持し続けているのです。
<参考記事>
3)オールインワン化粧品の定義は?
手軽で経済的な化粧品。
ゲルまたはジェルタイプで新しいテクスチャー。
まさにオールインワン化粧品は、「大発明」。
…ですが、それは「化粧品そのものとしての大発明」というより、マーケティングや製品コンセプトの大発明なのです。
実は、「オールインワン化粧品」といっても、明確な定義があるわけではありません。
荒っぽくいえば、保湿成分ほか、多くのさまざまな化粧品成分を配合して、ゲル化した化粧品をつくれば、「オールインワン化粧品」なのです。
だから小さな化粧品メーカーでもOEMメーカー(化粧品の製造を請け負う企業のこと)でも、つくろうと思えば、簡単に「オールインワン化粧品」「オールインワンジェル」「オールインワンゲル」をつくれるのです。
もし、オールインワン化粧品が本当の意味での大発明なら、そんなに簡単にできることに違和感がありますね。
では、本当は、オールインワン化粧品とはどんな化粧品なのでしょうか?
今から、そんなオールインワン化粧品について、詳しく見てみましょう。
<参考記事>
*平成生まれの画期的な美容アイテム第1位は?やはり便利なアレ?
3.オールインワン化粧品を支える技術「ゲル化」とそのリスクは?
1)オールインワン化粧品を支えるゲル化とは?
オールインワン化粧品が普及したのは、「ゲル化」という製造技術によるものです。
ゲルとは、主に高分子同士が連結して3次元の網目構造をつくり、そこに水やほかの成分を吸収あるいは膨潤させることで、液体と固体の中間的な性質をもつに至った物質のことをいいます。
食べ物では、寒天やゼリーなども「ゲル」です。
化粧品の場合だと、寒天というより柔らかいゼリーのようなものです。
化粧水や美容液は液体です。
保湿クリームは、最近ではゲル状のものも増えていますが、かつては固体が主流でした。
液体と固体の中間的なゲルにするための成分が「ゲル化剤」です。
実は、寒天もゲル化剤の1種なのですが、化粧品にはほとんど使われません。
化粧品に使われるゲル化剤は、「合成樹脂」で、カルボマーや○○ポリマーと呼ばれる高分子の物質、高分子ポリマーです。
たとえば、カルボマーを使えば、透明性の高いゲルや高粘度・低粘度などいろいろなゲルをつくることが可能です。
そして、なんとゲル化剤を加えてゲル化することは、保湿効果を高めるのです。
つまり、オールインワン化粧品は、ゲル化によって保湿効果も高めたものなのです。
ほかにもゲル化剤はたくさんあって、最近では合成の高分子だけでなく、天然系の高分子なども開発され、ゲル化した化粧品をつくる基盤が進化してきました。
こうしたゲル化技術の発展が、オールインワンゲルやオールインワンジェルなどのオールインワン化粧品の普及を支えているのです。
2)ゲル化剤高分子ポリマーは危険?
「高分子ポリマーは、皮膚を覆ってしまうので、皮膚呼吸ができないので危険だ!」
「高分子ポリマーを塗ると皮膚常在菌の活動を妨げ、お肌の環境に悪影響を与える!」
「だから、オールインワン化粧品は、お肌にとって良くない!」
「オールインワンゲルは使うと危険!」
などと攻撃を浴びることがあります。
高分子ポリマーは、「合成」のものが多いので、その言葉のイメージと相まって、よりその傾向が強いように感じます。
はたして、本当にそうなのでしょうか?
結論からいえば、答えはNoです。
1つひとつ検証していきましょう。
①「高分子ポリマーは、皮膚を覆ってしまうので、皮膚呼吸ができないので危険だ!」
高分子ポリマーといっても、その種類はさまざまです。
化粧品に使う高分子ポリマーは、3次元の立体構造で隙間があります。
だから、皮膚を覆ったとしても、隙間がないくらい覆うことはありません。
ポリマーといえば、台所で使うラップをイメージする方も多いと思いますが、ラップで使うポリマーと化粧品で使うポリマーは、まったく別物です。
オールインワン化粧品で使うポリマーは、ちゃんと隙間があるので、お肌を覆いつくすことはありません。
化粧品が悪者にされるときには、あるカテゴリーの成分であれば、すべて「悪」のようないい方をされることがあります。
界面活性剤やポリマーがその例です。
かつては、防腐剤であるパラベンもそうでした。
しかし、多くのケースは得する誰かが意図的な情報操作をしているのです。
オールインワン化粧品で使う高分子ポリマーが皮膚に悪影響を与える可能性は、とても低いのです。
さらにいえば、オールインワン化粧品に配合するゲル化剤、つまり、ポリマーはせいぜい数%以内です。
これで、オールインワン化粧品のゲル化剤が肌を覆いつくすことはないことがわかると思います。
ちなみに、ゲル化剤は、化粧水ほかオールインワン化粧品以外でも粘性を調整するためなどによく使用されています。
続いて、皮膚呼吸について。
皮膚は、少量の酸素と二酸化炭素の交換を行いますが、「呼吸」というほどのものではありません。
本当に、皮膚が呼吸するなら、お風呂に10分も入っていれば、窒息死してしまいますね。
でも、お風呂で、皮膚呼吸ができなくて亡くなった方を聞いたことがありません。
これで、この主張はほぼおかしいことがおわかりいただけますね。
②「高分子ポリマーを塗ると皮膚常在菌の活動を妨げ、お肌の環境に悪影響を与える!」
皮膚常在菌そのものは、お肌にとって大切な役割を果たしています。
そのことは、「皮膚常在菌の種類と働きを知って一歩進んだエイジングケアで美肌へ!」で詳しく解説しました。
では、高分子ポリマーが皮膚常在菌に影響を与えるのでしょうか?
まず、今、説明したように、高分子ポリマーがお肌を覆いつくすものではないことやオールインワン化粧品への配合濃度を考えれば、皮膚常在菌に大きな影響を与えないことがおわかりいただけますね。
また、皮膚常在菌とゲル化剤であるポリマーが反応するかどうかですが、それもありません。
なぜなら、化粧品で使う高分子ポリマーは、安定性の高い物質なので、皮膚常在菌によって分解されることもないので、餌になることも害を与えることもないのです。
いわば、お互い知らん顔です。
つまり、高分子ポリマーは、皮膚常在菌に影響を与えることはほとんどないのです。
これで、この主張も違うことがわかりました。
①②から、「オールインワン化粧品は、お肌にとって良くない!」は間違っていることがおわかりいただけると思います。
もちろん、今、検証したのは、「高分子ポリマーを配合しているからといって、オールインワン化粧品が危険とはいえない」ということだけです。
香料や着色料、防腐剤など別の成分の影響も含めて、1つひとつのオールインワン化粧品の安全性が決まることはいうまでもありません。
少なくともオールインワンゲルやオールインワンジェルの高分子ポリマーに対して神経質になる必要はありません。
4.オールインワン化粧品を解剖することで真実が暴ける!
1)オールインワン化粧品の正体は?
今、説明したようなゲル化技術のおかげでオールインワン化粧品はさまざまなものが登場していますが、多くの方のイメージは、「オールインワン化粧品=オールインワンゲル」だと思います。
ゲルとは、「ゲル化剤によって液体と固体の中間的な性質をもつに至った物質」でした。
ゲルならすべてオールインワン?
何か、違和感がありませんか?
ここからが、種明かしです。
今から、オールインワン化粧品の真実に迫ります。
そのためには、そもそも化粧品が何からできているのかを、ちゃんと理解することが必要なので、ここで一緒に勉強しましょう。
実は、ここのポイントを理解することは、オールインワン化粧品だけではなく、化粧水、美容液、保湿クリーム、スキンオイル(美容オイル)などへの理解につながるのです。
化粧品は、化粧水であれ美容液であれ、水溶性または油溶性のいくつかの保湿成分やエイジングケア化粧品成分に、水、油、界面活性剤などを混ぜてつくります。
化粧品の場合、界面活性剤は「洗浄作用」を期待するものではなく、「乳化作用」を期待して使うものです。
だから、刺激性の高い界面活性剤を使うことは、今ではほとんどありません。
オールインワン化粧品も、基本は同じで、ゲル化剤を加えるか否か、またその量が異なるだけです。
つまり、おおざっぱにいえば、
- 水溶性成分と油溶性成分の配合比率
- ゲル化剤をどれだけ使うか
で化粧品のカテゴリーが決まるのです。
水溶性成分が80%以上なら化粧水で、その割合を減らして、油溶性成分の割合を少しずつ高めれば、美容液、乳液、保湿クリームとなって、ほとんどが油分になればスキンオイルです。
一方、オールインワン化粧品のイメージは、「1つで4役!化粧水、美容液、乳液、クリームが一体化した万能の化粧品」ですね。
やっぱり、何か変ですね。
「ゲル化剤」を使えば、水溶性成分が多い化粧水や美容液にゲル化剤を混ぜても、油溶性成分が多い保湿クリームにゲル化剤を混ぜても、「液体とも個体ともいえない性状」を得ることはできます。
であれば、
ゲル化 = 化粧水 + 美容液 + 乳液 + 保湿クリームの役割を果たす
の公式は成り立たないですよね。
ゲルだからといって、「たった1つで、化粧水、美容液、乳液、保湿クリームのすべての役割を果たす」といえません。
なぜなら、ゲル化しても、その化粧品の成分の有効性を変えるものではないからです。
いってみれば、オールインワン化粧品は、水溶性成分と油溶性成分の配合バランスによって、「美容液をゲル化したもの」や「保湿クリームをゲル化したもの」なのです。
もっとわかりやすくいうと、どんな成分を配合していても、ゲル化することによって、「オールインワン」という呼び名で売られている化粧品もあるのです。
<基礎化粧品の成分の構成>
<さまざまなスキンケアアイテムの保湿の役割>
では、オールインワンってウソなの?
化粧品メーカーは、消費者をだましているの?
と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここかからがもう1つ、種明かしです。
実は、化粧水、美容液、乳液、保湿クリームも明確な定義や基準があるわけではありません。
先ほどもお伝えしましたが、オールインワンゲルやオールインワンジェルなどのオールインワン化粧品も同じです。
だから、化粧品メーカーが、勝手に決めているのです。
もちろん、勝手に決められるからといって、水溶性成分の多い水のようなものを「保湿クリーム」と呼ぶようなバカな真似はしませんが。
そのことはさておき、化粧水、美容液、保湿クリームの役割を考えてみることで、オールインワン化粧品の「オールインワン」が必ずしもウソではないことがわかります。
化粧水は、水溶性成分の割合が多いので、水分を与えるは最も得意です。
そして、ヒアルロン酸やコラーゲン、プロテオグリカンなどの保湿成分を配合すれば、水分の保持が可能です。
さらに、スクワランやアルガンオイルなどの美容オイルなど、微量でも油溶性成分を加えれば、「水分の蒸発を防ぐ」といえないこともありません。
さらに、ビタミンC誘導体やナールスゲン、プラセンタエキス、フラーレン、アスタキサンチンなどのエイジングケア化粧品成分を加えると、「エイジングケア」のはたらきも期待できます。
これで、「オールインワン化粧水」のできあがりです。
美容液でも保湿クリームでも同じですね。
保湿の3つの役割で得意、不得意はありますが、美容液でも保湿クリームでも、1つで保湿とエイジングケアができるのです。
つまり、化粧水、美容液、乳液、保湿クリームなどの性状に関わらず、機能的に「オールインワン」と呼ぼうと思えば、呼べないことはないのです。
要は、化粧品を修飾する言葉は、法の範囲ならつくる側が自由に決めているのです。
このあたりで、結論です。
- 基礎化粧品それぞれの成分や成り立ちを考えれば、「オールインワン化粧品=化粧水+美容液+乳液+保湿クリームなどがすべて一体化したもの」という考え方は、成立しない。
- しかし、基礎化粧品は、そのタイプが何であっても、保湿の3つのはたらき(水分を与える・水分を保持する・水分の蒸発を防ぐ)がある。また、エイジングケア化粧品成分を加えれば、エイジングケアもカバーできる。
- だから、化粧水でも美容液でもオールインワン的なはたらきがあるので、どれかをゲル化して「オールインワン」といえないこともないので、ゲル化した化粧品=オールインワン化粧品といってもウソとはいえない。
- ゲル化することで、目に見える形で違う性状の化粧品がつくれるようになったので、それをオールインワン化粧品と呼べば、一般の方には受け入れやすかった。
そもそも、「オールインワン」に明確な定義があるわけではないし、化粧水や美容液もしかり。
ここから何がいえるかというと、基礎化粧品を評価する場合には、広告や飾られた言葉に振り回されるのではなく、
- 化粧品の成り立ち、つまり成分の組成とつくり方の基本を知っておく
- 化粧品の成分1つひとつの特徴やメリット、デメリットを理解する
ということが大切なのです。
2)「オールインワン化粧品で多くの肌悩みが解決!」は、本当?
続いて、もう1つ「オールインワン化粧品で多くの肌悩みが解決!」というコピーなどを見ることがあります。
今、オールインワン化粧品の正体を解き明かし、万能でないことも説明しました。
では、「オールインワン化粧品で、乾燥、ほうれい線、しわ、くすみ、インナードライ肌をケアできます!」などは、本当でしょうか?
これも、結論をいいましょう。
「本当」です。
なぜなら、これらのお肌の悩みの原因には、「お肌の乾燥」が関係しているからです。
オールインワン化粧品には、保湿によって乾燥を防ぐはたらきがありますが、ほとんどのお肌の悩みは、乾燥が原因となっているので、この主張は条件付きで本当です。
条件というのは、乾燥が原因ではなく、表情筋の衰えや真皮のたるみなどが原因のエイジングサインには効果がないということです。
たとえば、ほうれい線やしわなどは、乾燥以外にも真皮の衰えなどが原因の場合があります。
その場合は、オールインワン化粧品であってもどんなエイジングケア化粧品でも、根本的な対策にはならないのです。
つまり、真皮やそれより奥のお肌の老化でできたエイジングサインは、化粧品では改善しないのです。
保湿と乾燥対策については、「お肌の保湿とは?本当にわかるスキンケアの基本と保湿成分」と「乾燥肌の予防や改善対策は正しいエイジングケアが大切!」を参考にしてください。
また、ほうれい線ケアのために保湿クリームを使うかオールインワンを使うかについては、「ほうれい線対策の保湿クリームの本当に正しい選び方と使い方」をご覧ください。
<参考記事>
5.オールインワンゲルとオールインワンジェルって同じ?違うの?
オールインワン化粧品には、「オールインワンゲル」と呼ばれるものと「オールインワンジェル」と呼ばれるものがあります。
ゲルもジェルも、つづりは「Gel」です。
ドイツ語で発音すれば「ゲル」、英語で発音すれば、「ジェル」です。
もともとは、同じ意味なのです。
「化粧品の表示に関する公正競争規約」の施行規則の「種類別名称」には「ジェル」が記載されていますから、どちらが一般的かといえば「ジェル」です。
一方、現実には「ゲル」という類似表現も普及しているので、こちらが使われても問題になることはないのです。
要は、どちらが正しいか、正しくないかということではないのです。
ただ、オールインワン化粧品では、使い分けている場合もそうでない場合もあります。
今、お話したとおり、明確な定義はありませんが、使い分ける場合は、水分が多ければオールインワンジェル、少なければオールインワンゲルと呼ぶ場合もあります。
一般的には、みずみずしいタイプのものは、ウォータージェルと呼ばれ、クリームに近いものがゲルと呼ばれることが多いようです。
要は、ゲルもジェルも基本は同じ、メーカーによって使い方が異なる場合があるというレベルなので、効果面などの違いは、気にすることはないでしょう。
6.良いオールインワン化粧品の選び方
1)良いオールインワン化粧品の選び方の基本
これまでの説明で、オールインワン化粧品の正体がおわかりになったと思います。
良いオールインワン化粧品を選ぶ第一歩は、オールインワンという言葉を忘れて、美容液や保湿クリームを選ぶ際の考え方と同じように考えれば良いのです。
ランキングや口コミを参考にしても良いですが、それがなくても知識があれば大丈夫です。
つまり、
- 自分の肌悩みに最も適した保湿成分やエイジングケア化粧品成分が適度な量で配合されているか?
- 自分にとって、刺激のある成分が配合されていないか?
が基本です。
スキンケアやエイジングケアの基本は、保湿ですから、どんな場合であっても保湿成分には注目することが大切です。
乾燥肌で高い保湿力を求めるなら、セラミド、中でもヒト型セラミドなどが配合されているオールインワン化粧品が良い選択肢の1つです。
ほかにも、汎用される保湿成分であるコラーゲンやヒアルロン酸などもセラミドとは違うタイプの保湿成分ですから、一緒に配合されていればなお良いでしょう。
これらは、水性の保湿成分です。
また、スクワランやワセリンなどの油性の保湿成分が配合されているアイテムであれば、水分の蒸発を防ぐことができるので、乾燥肌にお勧めです。
逆に脂性肌であれば、全成分表示の上位に水性の保湿成分が表記されており、油性の保湿成分が中~下位に配合されているアイテムがお勧めです。
ただし、オールインワン化粧品の中には、「たくさんの種類の美容成分が入っている!」ことを売り文句にするために、1つひとつの成分の濃度を低くして、種類だけを増やしたものもあります。
必ずしも、配合されている種類が多ければ良いオールインワン化粧品ではないことを覚えておきましょう。
2)オールインワン化粧品でエイジングを考えるなら
エイジングケアでお肌のハリや弾力を取り戻したい場合は、コラーゲンやエラスチンにはたらきかけるエイジングケア化粧品成分配合のものがおすすめです。
ビタミンA誘導体であるレチノールやレチノイン酸トコフェリル、ビタミンC誘導体、ナールスゲンやネオダーミルなどがおすすめのエイジングケア化粧品成分です。
また、プラセンタエキス、ビタミンE誘導体、フラーレンやアスタキサンチンなども高い抗酸化作用を発揮するので、成分としては良い選択肢です。
なお、化粧品に入っているコラーゲンやエラスチンは、良い保湿成分ですが、お肌でコラーゲンやエラスチンになるわけではありませんので、その点には注意しましょう。
エイジングケアのオールインワン化粧品を選ぶ上では、「美容液ランキングとエイジングケア美容液の選び方7つの秘密」と同じ考え方で選べば間違いが少ないはずです。
ぜひ、参考にしてみてください。
3)敏感肌の場合は?
最後に、敏感肌の方は特に刺激のある成分に注意が必要です。
敏感肌は、肌質というより乾燥肌がひどくなってバリア機能がとても低下している状態のお肌です。
だから、刺激にはとても敏感なのです。
ビタミンC誘導体は良いエイジングケア化粧品成分ですが、刺激が強いので敏感肌の場合は避けたほうが良いときもあります。
また、防腐剤も、自分自身に合った刺激の感じないものが何かをあらかじめ知っておくことも大切なポイントです。
エタノール、香料などが配合されているアイテムは、敏感肌にとって刺激になる可能性があるので、保湿成分が多く配合されていることだけに注目するのではなく、成分全体を見て判断するようにしましょう。
敏感肌の方は、「敏感肌を改善!症状・原因と10のエイジングケア対策のコツ」や「敏感肌化粧品はこれがおすすめ!ランキング不要の選び方」も参考にしてください。
<参考記事>
*インスタで多かった質問!私に合うコスメ・化粧品の選び方は?
7.ナールス ユニバは、オールインワン化粧品?
1)ナールス ユニバは、オールインワンジェル?
ナールスブランドのエイジングケア保湿クリーム「ナールス ユニバ」について、お客様から「ナールス ユニバはオールインワンジェルですか?」という質問を受けることがあります。
その場合、「ナールス ユニバは、オールインワン的なはたらきがありますがオールインワン化粧品とは呼んでいません。」と答えています。
ナールス ユニバとは、水溶性成分と油溶性成分、エイジングケア化粧品成分をバランス良く配合した、ジェルタイプのテクスチャーの保湿クリームです。
だから、オールインワン化粧品、オールインワンジェル、オールインワンゲルと呼べなくはないのです。
しかし、化粧品の成り立ちから考えれば私たちは、「オールインワン」と呼ぶことで、「1つでどんな肌悩みでも解決できる」という誤解を与えたくないので、その呼び方をしていないのです。
2)ナールスユニバは、どんなエイジングケア保湿クリーム
ナールス ユニバとは、QOS(Quality Of Skin=お肌の質)の向上、つまり、
を実現すべく、攻めと守りのエイジングケアをサポートする成分をバランスよく配合した高機能な保湿クリームです。
成分は濃厚、でも使い心地は軽く、すごく伸びがよいクリームです。
<配合成分の主なポイント>
- 浸透性に優れた3種のヒト型セラミド(2、AP、NP)で、お肌のバリア機能と高い保湿をサポート。
- 持続型ビタミンVC-IPが、抗酸化作用、ナールスゲンとの相乗効果を存分に発揮。
- シアバターの保湿力に加え、お肌へのなじみのよさとなめらかな質感を実現。
- 安全性の高いビタミンA誘導体(レチノイン酸トコフェリル)で、お肌のハリ・ツヤをサポート。
- パラベン、フェノキシエタノール不使用
アルコール不使用
とくに、40代のエイジングケアや50代のエイジングケアと乾燥肌の予防や改善に使っていただきたいエイジングケア保湿クリームです。
このようにナールス ユニバは、オールインワンジェルとは呼びませんが、高機能のエイジングケア保湿クリームです。
8.オールインワンクリームも紹介!
オールインワンはジェル(ゲル)が一般的に多いのですが、先ほどの説明のとおり、保湿の3つの役割をもったオールインワンクリームもあります。
クリームなので、水分の蒸発を防ぐことを主軸に、水分を与えるまたは水分を保持する役割を持った成分も配合されているというわけです。
中でも、高保湿×お肌の保護が叶うオールインワンクリームを紹介します。
それが、VitaRoman(ビタロマン)のプレミアムフェイスプロテクトクリーム(医薬部外品)です。
1)プレミアムフェイスプロテクトクリームはどんな役割を持ったクリーム?
プレミアムフェイスプロテクトクリームは、5役持っています。
5役とは、化粧水、美容液、保湿クリーム、フェイスマスク、化粧下地の5つです。
つまり、水分を与える・水分を保持する・水分の蒸発を防ぐ成分がそれぞれ配合され、この5役を果たしています。
プレミアムフェイスプロテクトクリームは神奈川県川崎市にある調剤薬局「プライマリーファーマシー」の薬剤師が立ち上げたアロマブランド<ビタロマン>の医薬部外品です。
5役もあると、スキンケアにかける時間が大幅に短縮できることや、アイテム数が1つで済むのでコストパフォーマンスが高いことも嬉しいところですね。
2)プレミアムフェイスプロテクトクリームに配合されている成分
3つの保湿の役割に分けて考えてみましょう。
水分を与える…精製水
水分を保持する…トレハロース、キシリトール、ヒアルロン酸ナトリウム
水分に蓋をする…植物性スクワラン、ワセリン、2-エチルヘキサン酸セチル
※有効成分…グリチルリチン酸2K
特に、トレハロースは保湿成分の中でもかなり高保湿のため、敏感肌やお肌のトラブルを感じる方にもお使いいただける成分です。
さらに、キシリトールはバリア機能をサポートしてくれるので、プレミアムフェイスプロテクトクリーム1つでお肌の保湿×保護が叶います。
クリームは、ジェルよりも油分が多いことが特徴です。
そのため、ほかの化粧品とプレミアムフェイスプロテクトクリームを併用したい場合は、水分を与える保湿ができる化粧水の後に使うことをおすすめします。
プレミアムフェイスプロテクトクリームは、水分に蓋をするエモリエント成分が多く配合されているので、普段のスキンケアが合わなくなってきたとお感じの方にぜひお使いいただきたいアイテムです。
抗炎症作用のある有効成分のグリチルリチン酸2Kも配合されているので、肌荒れが気になる方にもお使いいただけます。
<参考記事>
*乾燥対策はオールインワンのビタロマンのフェイスクリームにお任せ by のんmam
*『VitaRoman』の保湿クリームは時短、保湿、美肌全てを叶える byかのんかのんママりん
*ビタロマンのフェイスクリームを使って乾燥の季節をのりきろう by 歌凛
9.まとめ
オールインワン化粧品が、どのような化粧品かご理解いただけましたでしょうか?
化粧品について深く理解するには、イメージや広告で使われる言葉ではなく、成分や成り立ちを知ることが大切です。
オールインワン化粧品は、その最たる事例なのです。
商品のイメージを伝える製品コンセプトとしては、まさに大発明ともいえるオールインワン化粧品も、その成り立ちと成分を解剖すれば、普通の化粧品と大きく変わるものではなく、基本的なはたらきは同じです。
なお、この記事は、オールインワン化粧品を非難するためのものではありませんし、オールインワンを名乗っているものにもそうでないものにも良い化粧品はたくさんあります。
オールインワン化粧品を選ぶ場合も、しっかりと保湿成分やエイジングケア化粧品成分をチェックしましょう
この記事「オールインワン化粧品とは?ゲルとジェルの違いとその真実」が、ナールスエイジングケアアカデミーの読者の皆様のお役に立てば幸いです。
著者・編集者・校正者情報
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務。その後、医学出版社、医学系広告代理店勤務を経て現職に至る。
医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。
一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト。
著作(共著)
(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子)
大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
そんな中で、「これは!」という、みなさまの健康づくりのご参考になるような情報をご紹介したり、その時期に合ったスキンケアやエイジングケアのお役立ち情報をメールでコンパクトにお届けしています。
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