アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹がでることから多くの方が悩んでいる皮膚の病気です。セラミドの減少によるバリア機能の低下とアレルギーがその原因といわれています。この記事では、セラミドとの関係を中心にアトピー性皮膚炎の原因や症状、治療法をご紹介します。
- アトピー性皮膚炎は、悪化したり、少し改善したりを繰り返す、かゆみや炎症を伴う慢性的な湿疹です。患者さんの多くは、アトピー素因を持っています。
- アトピー性皮膚炎は、年齢によって皮疹が出る部位が変化することが特徴です。いずれの場合も、ステロイド薬や免疫抑制の作用のあるお薬(外用医薬品)での治療が基本です。
- アトピー性皮膚炎では、セラミドが少なくなっている患者さんがみられます。そのためバリア機能が低下していることが多いのです。
- セラミドなどが配合された化粧品でスキンケアを行うことによって、アトピー性皮膚炎の改善をサポートすることが可能です。しかし、肌が弱い状態なので、スキンケア化粧品やエイジングケア化粧品は、刺激の少ないものを選びましょう。
- スキンケアでセラミドを補っても、そのまま自分自身のセラミドとしてお肌に留まるわけではありません。だから、アトピー性皮膚炎であっても乾燥肌であっても継続することが必要です。
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CONTENTS
アトピー性皮膚炎のスキンケアが気になるあなたへ
アレルギーの一種「アトピー性皮膚炎」は、炎症による強いかゆみや湿疹などの症状が特徴。
子どもに多い病気というイメージがありますが、最近では大人の成人型アトピー性皮膚炎が増加傾向にあり、ある日突然発症することもあります。
だから、エイジングケア世代ほか、どの年代であっても油断できません。
アトピー性皮膚炎の原因は、まだ解明されていないことも多く、個人差もあるのですが、遺伝的な要因に加え、食べ物やホコリ、ダニなどのアレルゲンの侵入、またストレスによる肌荒れなどが重なって起こると考えられています。
そしてもう1つ、今やエイジングケア化粧品の保湿成分として有名になったセラミドの不足もアトピー性皮膚炎の原因として指摘されているのです。
セラミドは、もともと皮膚の角質層に存在する保湿成分。お肌のバリア機能の要となる角質細胞間脂質のおよそ50%を占める主成分として、お肌の水分保持の役割を担っています。
このセラミドの量が、アトピー性皮膚炎の人は普通の人よりも少ないことがわかっています。
そのため、お肌のバリア機能が弱く、外部からの刺激や細菌の影響を受け、強いアレルギー反応が引き起こされてしまうのです。
また、セラミド不足は、アトピー性皮膚炎だけではなく、お肌のバリア機能の低下や乾燥肌、敏感肌、皮脂欠乏性湿疹(皮脂欠乏性皮膚炎)、老人性乾皮症などの皮膚の病気とも関係が深いことがわかっています。
この記事では、アトピー性皮膚炎の原因や症状、治療法に加えて、セラミドとの関係に迫ります。
また、スキンケアやエイジングケア、生活上の注意点なども取り上げます。
「アトピー性皮膚炎ってどんな病気?どんな症状があるの?」
「原因は何?セラミドとどんな関係があるの?」
「アトピー性皮膚炎の治療ってどんなもの?どんな薬がよいの?」
「治療中でも化粧品でスキンケアやエイジングケアをしてよいの?」
「セラミド化粧品は、アトピー性皮膚炎に効くの?」
などを知りたい方は、ぜひ、続きを読んでくださいね。
また、エイジングケアをしっかり理解するには、皮膚の病気のことも知っておいた方がよいので、エイジングケア世代の方もぜひ、読んでくださいね。
なお、セラミド化粧品全般について知りたい方は「セラミドは肌の保湿力の鍵!その秘密と化粧品の選び方」をご覧ください。
<アトピー性皮膚炎のスキンケアに>
*6種のヒト型セラミド配合エイジングケア美容液「ナールス ネオ」
*3種のヒト型セラミド配合エイジングケア保湿クリーム「ナールス ユニバ」
アトピー性皮膚炎とは?~原因と症状~
1)アトピー性皮膚炎の定義
アトピー性皮膚炎は、免疫の異常とアレルギー反応が関わる皮膚の病気です。
日本皮膚科学会の定義では、『アトピー性皮膚炎は,増悪と軽快を繰り返す瘙痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くは「アトピー素因」を持つ。
特徴的な左右対称性の分布を示す湿疹性の疾患で、年齢により好発部位が異なる。
乳児期あるいは幼児期から発症し小児期に寛解するか、あるいは寛解することなく再発を繰り返し、症状が成人まで持続する特徴的な湿疹病変が慢性的にみられる。』(「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2018」より)とされています。
ここで、ポイントは、次の3つです。
- かゆみのある湿疹
- よくなったり悪くなったりを繰り返す
- アトピー素因を持つ
「アトピー素因」という言葉は、なじみが少ないかもしれませんが、自分自身や両親や家族が、以下である場合を指します。
- アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、ぜんそく、結膜炎などを持っていること
- アレルギーと深い関係がある免疫物質「IgE抗体(免疫グロブリンE)」をつくりやすい体質を持っていること
要は、アトピー素因=アレルギーを起こしやすい体質と考えて差し支えありません。
2)アトピー性皮膚炎の原因は?
アトピー性皮膚炎の原因は、まだはっきりと解明されていません。
主に、アトピー素因やバリア機能が低下したお肌の状態などの「体質的要因」とアレルギー症状を起こす物質(アレルゲン)や皮膚の外部刺激などの「環境的な要因」とがあり、これらの要因が重なり合って発症、悪化すると考えられています。
アトピー素因は、体外からの異物を攻撃するヘルパーT細胞などのバランスが悪く、免疫機構がうまく働かない状態です。
バリア機能の低下は、セラミドの減少のほか天然保湿因子(NMF)の元であるフィラグリンの遺伝子異常が原因と考えられています。
本来、皮膚は弱酸性から中酸性の状態にありますが、アトピー性皮膚炎の皮膚は、皮膚常在菌の中の黄色ブドウ球菌などの有害菌が繁殖しやすい弱アルカリ性であることもわかってきています。
この有害菌の刺激によって、バリア機能が低下。さらにターンオーバーが乱れて黒い過酸化脂質を沈着させ、かゆみを増幅させることになるのです。
また、生まれつきアトピー性皮膚炎の人は、お肌のバリア機能を形成する遺伝子に異常があり、普通の人に比べてセラミド量が少なく、そのためお肌のバリア機能が弱くなっている傾向にあります。
ただし、原因や症状には個人差があり、例えば、同じ化粧品を使っても症状が出る人、出ない人があり、またその時の体調や精神的な状態によっても異なると言われています。
これは、アトピー性皮膚炎がいくつもの要因が重なって起こる「多因子性」の病気のためです。
アトピー性皮膚炎の原因、症状とともに、悪化していく要因も個人差がありますが、主な外部要因としては、次の様なものが指摘されています。
- 空気の乾燥
- 気温の上昇
- 心理的なストレス
- 睡眠不足
- 花粉、ダニ、ハウスダスト、衣類などの刺激
- 食物(アルコールや香辛料など)
3)アトピー性皮膚炎の症状は?
アトピー性皮膚炎は、よくなったり悪くなったりを繰り返す、かゆみのある湿疹が症状の特徴です。
また、「皮膚炎」の名の通り、「炎症」を伴います。
アトピー性皮膚炎は、なかなか治らないことが多く、慢性化(6カ月以上継続、乳幼児では2カ月以上継続)することも多いのが特徴です。
湿疹の出る部位やその傾向としては、次の通りです。
- 顔なら、オデコ、目元、口元、耳のまわりに多い。
- 身体なら、首、わき、ひじの内外、ももの付け根、ひざの表裏などに多い。
- 左右対称であることも多い
湿疹の特徴は、大きく3つです。
- 炎症(赤み)のある湿疹
- 盛り上がりのある湿疹やしこりのある湿疹
- ジュクジュクした水分の多い湿疹
かゆみを伴うため掻いたり剝がしたりすると、皮膚が厚くゴワゴワした状態になったり、かさぶたになることが多いのが特徴です。
さらに、掻くことによって角質層のセラミドを爪で剥がしてしまい、炎症が悪化するという悪循環に。
お肌の乾燥が進んでバリア機能も低下し、刺激や細菌による影響を受けやすくなってしまうのです。
なお、乾燥によるお肌のかゆみについては、「乾燥肌はなぜかゆい?かゆみの原因と改善の対策を考えよう!」の記事も参考にしてください。
4)アトピー性皮膚炎の症状と年齢
アトピー性皮膚炎は、症状がよく出る部位が年齢で変わります。
①乳児期
頭部、顔面、首の付近に、鱗屑という細かい粉を伴う紅斑が見られます。
かさぶたやジュクジュクした急性湿疹の状態になることがあります。
②幼小児期
皮膚が全体的に乾燥し、ひじやひざの内側に乾燥性の皮膚炎が起こります。
また、皮膚は厚くなります。
③成人期
乾燥性の皮膚症状とともに湿疹性の病変が増えます。
また、顔や首付近の皮膚炎が目立ちます。
アトピー性皮膚炎の治療
1)アトピー性皮膚炎の根本治療
アトピー性皮膚炎の根本的な治癒のためには、遺伝的な要因を取り除くことです。
しかし、現時点ではその治療法はありません。
したがって、治療は対症療法となります。
2)アトピー性皮膚炎の薬物治療
アトピー性皮膚炎の治療の基本は、お薬(医薬品)による治療です。
医師や薬剤師の指導の下、適切に使うことで症状の改善が期待できます。
アトピー性皮膚炎治療のお薬は、主に塗り薬、「外用薬」です。
外用薬には、ステロイド外用薬とタクロリムスなどの免疫抑制薬の大きく2種類があります。
この2種は、他の薬と比べて科学的な根拠(エビデンス)が豊富であり、日本皮膚科学会の「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」でも基本外用薬として位置づけられています。
なお、ステロイドには、その強さによって5段階あり、症状や程度で使い分けられています。
ステロイドや免疫抑制薬には内服薬もありますが、これらは外用薬では治らない重症の患者さんに使われることが多い薬です。
さらに、かゆみを引き起こす物質であるヒスタミンのはたらきを抑える抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などの内服薬が補助的に使われる場合もあります。
これらの薬による治療は、医師がアトピー性皮膚炎の診断を行ったうえで、患者さんの年齢、症状、体質、環境などを考慮して選択されます。
なお、現在、JAK阻害薬という新しいタイプの治療薬の開発が日本でも進んでいます。
この薬には、バリア機能の改善効果の報告があり、今後の開発の進展が期待されています。
3)保湿剤によるアトピー性皮膚炎のケア
今、挙げた薬剤以外にも、バリア機能を回復させるための保湿剤がアトピー性皮膚炎のケアに使われます。
バリア機能の改善のためには、保湿の3大要素をサポートすることが大切です。
そのため、皮脂や皮脂膜に代わる成分としては、ワセリンやスクワランなどのエモリエント成分が使われます。
また、天然保湿因子に代わる成分としては、尿素やヘパリン類似物質などが使われます。
角質細胞間脂質に代わる成分としては、セラミドなどが有効とされます。
4)日々の生活に注意して根気よく治療を!
アトピー性皮膚炎の完治は難しいですが、症状をコントロールしてQOL(生活の質)を高めるには、医薬品による治療やスキンケアに加えて、毎日の生活が大切です。
基本は、アンチエイジングや健康を意識して、栄養バランスのよい食べ物を摂ったり、質の高い十分な睡眠を取ることが大切です。
他にも、日々の生活では次のような点を心がけましょう。
- 掻き壊しを防ぐために爪を整えておく
- 刺激の少ないシルクなどの衣類を着用する
- ほこりやダニなどを避けるために部屋を清潔に保つ
- 春や秋は花粉を避けるためにマスクなどを使う
常に肌の状態をチェックする
アトピー性皮膚炎とセラミドの関係
1)セラミドとは?
セラミドについては、まだまだ研究途上でわかっていないこともたくさんありますが、理解しておくポイントは、次のとおりです。
- お肌の表皮の角質層にある「角質細胞間脂質」を構成する主成分
- スフィンゴ脂質と脂肪酸でできている油性の成分
- 角質内で水分を挟みこむことで高い保湿力を発揮する
- お肌のバリア機能の維持のために大切な成分
- 加齢とともにお肌のセラミド量は減ってしまうので、エイジングケア化粧品などで補うことが必要
- 化粧品には、ヒトのセラミドのはたらきに似せてつくったヒト型セラミドなどの合成セラミドや動物由来の天然セラミドなどが化粧品でよく利用される
セラミドの詳しい内容は、「保湿成分セラミドのはたらきとエイジングケア効果とは?」で説明しています。
また、化粧品としてのセラミドには、ヒト型セラミドの他いつくかの種類があるので、「セラミドの種類!天然と合成、ヒト型の効果と特徴の違い」や「ヒト型セラミドとは?保湿効果と種類による特徴と違い」で詳しく説明しています。
さらに、セラミド化粧品の選び方については、「セラミドは肌の保湿力の鍵!その秘密と化粧品の選び方」で詳しく説明しています。
このようにセラミドは、保湿や化粧品との関係、病気との関係で語られることが多い成分です。
セラミド配合の化粧水、美容液、保湿クリームの選び方については、下記の記事を参考にしてください。
2)アトピー性皮膚炎とセラミド
アトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚では、角層の水分保持機能やバリア機能が、そうでない人にくらべて、著しく低下していることがわかっています。
さらに、バリア機能に関連の深いセラミドが減少していることもわかってきました。
ここでのセラミドは、自分自身が細胞間脂質として持っているセラミドです。
アトピー性皮膚炎は複雑な病気ですが、水分保持機能と角質のバリア機能の低下とも関係しており、セラミドの減少も影響を与えているのです。
また、こうしたお肌の問題が、アトピー性皮膚炎を完治させるのを難しくさせていますし、再発させやすくもしているのです。
アトピー性皮膚炎は、先ほど説明したようにお薬による治療が基本ですが、日常生活におけるスキンケア化粧品やエイジングケア化粧品、医薬部外品を使ったケアの重要性が認識されています。
こうした背景もあって、日本皮膚科学会や厚生労働省研究班による「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」では、炎症に対する外用薬による治療と並んで、水分保持機能と角質のバリア機能の低下といった皮膚の生理学的な異常に対して、保湿剤による外用療法やスキンケアの重要性も唱えています。
実際、セラミドをはじめ、ワセリン、グリセリン、尿素、ヘパリン類似物質などを含む保湿剤で、アトピー性皮膚炎に対する有効性を示すエビデンスもあるので、医学的にも保湿の重要性が明らかになっています。
つまり、アトピー性皮膚炎では、医薬品による治療も大切ですが、日常のスキンケアによる保湿も大切であるということです。
保湿の重要性は、エイジングケアであっても同じことですから、いかにスキンケアにおける保湿が大切であるか、おわかりいただけるのではないでしょうか?
その中でも、セラミドの果たしている役割は大きいようです。
なお、保湿についての詳しい情報は、「お肌の保湿とは?本当にわかるスキンケアの基本と保湿成分」をご覧ください。
セラミドや他の保湿成分によるアトピー性皮膚炎のケア
1)アトピー性皮膚炎の場合のセラミド化粧品の選び方
アトピー性皮膚炎でスキンケアを考える場合、セラミドがお肌のバリア機能や水分保持機能と関係しているからと言って、セラミドが配合されていればどんなスキンケア化粧品を選んでもよいという訳ではありません。
セラミド配合以外のエイジングケア化粧品を選ぶ場合も同じです。
アトピー性皮膚炎の場合は、お肌の乾燥があって、敏感肌やインナードライ肌になっている場合もしばしばです。
そんな方は、刺激の強い成分を使うと化粧品かぶれなど接触皮膚炎のリスクも高くなります。
だから、セラミドを配合した化粧品を選ぶ場合でも極力、低刺激の化粧品を選んだ方がよいでしょう。
エイジングケア化粧品の中から、あるいは、エイジングケア化粧品以外から選ぶにしても、無香料、無着色、ノンアルコール、パッチテスト済みのものなど、安全性が高いものを選択肢として考えてみては、いかがでしょうか。
また、PG(「プロピレングリコール」もしくは「1,2-プロパンジオール」)やDPG(ジプロピレングリコール)といった成分が、全成分の上位に表示される化粧品も避けた方が無難です。
もちろん、セラミド以外の保湿成分によっても、しっかりケアできるならアトピー性皮膚炎だからといって、必ずしもセラミド配合の化粧品を選ばないといけない訳ではありません。
他にも、水溶性の保湿成分として、ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチン、プロテオグリカンなど水分を抱え込む保湿成分は、セラミドとは異なる機序で水分を保持するので、一緒に使うこともよい選択です。
また、NMF(天然保湿因子)の元であるアミノ酸、グリセリンには、水分を吸着させて保持するといった機序があります。これらをヒューメクタントと呼びますが、一緒に使ってもよいでしょう。
さらには、秋から冬の乾燥の季節は、油溶性成分で水分の蒸発を防ぐために保湿クリームを使ことも考えましょう。
化粧品に含まれる主な保湿成分の分類をお示ししますので、参考にしてみてください。
アトピー性皮膚炎の方の場合は、敏感肌の化粧水や化粧品の選び方も参考になりますので、「敏感肌化粧水の選び方は、ランキングより正しい知識で!」「敏感肌化粧品はこれがオススメ!ランキング不要の選び方」も参考にしてください。
また、乾燥肌対策は基本なので、「子供・赤ちゃんの乾燥肌対策は正しい保湿で!NGに注意」や「高齢の方の乾燥肌と肌トラブル!原因と対策・治療は?」、「ボディの乾燥肌対策も大切!からだの保湿ケアを」も参考にしてください。
なお、すでに、アトピー皮膚炎の治療中の方は、自己判断するよりも、選び方や使い方などを含め、皮膚科の専門医などに相談されてもよいのではないでしょうか。
2)セラミドのスキンケアでセラミドは増える?
もう1つ忘れてはならないのは、セラミド配合のエイジングケア化粧品でセラミドを補っても、自分自身のセラミドにはならないということです。
エイジングケア化粧品などに含まれるセラミドは、保湿成分としてはしっかりはたらいてくれますが、自分のお肌のセラミドが増えて、アトピー性皮膚炎が改善するわけではないので、その点はご注意下さい。
一方、セラミドを食べ物やサプリメントで摂るのはどうでしょうか?
こちらも、セラミドを必ずしも増やせるとはかぎりませんが、そうした食べ物を意識的に摂ることで、お肌の潤いが増したり、バリア機能の改善が期待できることもあります。
セラミドを食べ物から摂る方法については、「セラミドを食べ物、飲み物で!乾燥肌とシワにも効果が期待?」をご覧ください。
毎日の食事は、睡眠や運動とともにエイジングケアの基本です。
身体やお肌にとっての大切な栄養素である食べ物・飲み物についての情報は、下記の記事も参考にしてください。
アトピー性皮膚炎でもメイクはできる?
アトピー性皮膚炎でもメイクは可能です。
ただし、メイクの前にしっかり保湿することが大切です。
バリア機能が低下したままメイクを行うと接触皮膚炎のリスクが高くなるので、まずは治療薬を使い、そのあとに保湿力が高く刺激の少ないセラミド化粧品を使いましょう。
保湿後は、化粧下地を使わず、乾燥肌に優しいパウダーファンデーションがおすすめです。
また、アイシャドーや口紅などのポイントメイクはファッション性が高いので、色や質感の工夫のために合成着色料や合成香料など多種の化粧品成分が配合されています。
だから、ポイントメイクにはより慎重になりましょう。
まとめ
アトピー性皮膚炎原因や症状、治療法、生活上の注意などをご紹介しました。
また、セラミドとの関係についても触れました。
いかがだったでしょうか?
アトピー性皮膚炎とエイジングケア化粧品成分としても、よく知られているセラミドの減少が関係していることがおわかりいただけましたでしょうか。
アトピー性皮膚炎でもエイジングケアでも、保湿がとても大切です。
その要は、お肌の水分保持機能とバリア機能の維持による保湿です。
その保湿を担うのがお肌のセラミドです。
アトピー性皮膚炎に限らず、お肌のセラミドを減らさないことが大切ですが、病気や年齢によって減ってしまうことがあります。
その場合は、セラミド化粧品で補ったり、セラミドを豊富に含む食べ物を意識的に摂ることも大切です。
アトピー性皮膚炎の場合でも、エイジングケアにおいても、保湿をしっかり意識したケアを心がけましょう。
セラミドをはじめ、お肌の状態に影響を与える成分は、年齢とともに変化します。
加齢によるお肌の変化の状態については、「年代別エイジングケアの道標『エイジングインデックス』とは?」で詳しく説明していますので、そちらをご覧ください。
この記事が、アトピー性皮膚炎の治療やエイジングケアのお役にたてれば幸いです。
<参照論文>
【1】Imokawa G, Abe A, Jin K, Higaki Y, Kawashima M, Hidano A. Decreased level of ceramides in stratum corneum of atopic dermatitis: an etiologic factor in atopic dry skin? J Invest Dermatol. 1991 Apr;96(4):523-6.
PMID: 2007790|DOI: 10.1111/1523-1747.ep12470233
日本語要旨:アトピー性皮膚炎では角質層セラミド(特にCeramide 1)が低下し、乾燥・バリア機能低下に直結することを示した基礎的根拠。
【2】Di Nardo A, Wertz P, Giannetti A, Seidenari S. Ceramide and cholesterol composition of the skin of patients with atopic dermatitis. Acta Derm Venereol. 1998 Jan;78(1):27-30.
PMID: 9498022|DOI: 10.1080/00015559850135788
日本語要旨:アトピー性皮膚炎でセラミド(1・3)が低下しTEWL悪化と相関。セラミド不足=バリア障害という記事主張を脂質組成で支持。
【3】Yamamoto A, Serizawa S, Ito M, Sato Y. Stratum corneum lipid abnormalities in atopic dermatitis. Arch Dermatol Res. 1991;283(4):219-23.
PMID: 1929538|DOI: 10.1007/BF01106105
日本語要旨:アトピー性皮膚炎の乾燥肌は角質層脂質の異常と関連。セラミドを含む脂質バランスの乱れが、慢性的なバリア低下を招く視点を補強。
【4】Arikawa J, Ishibashi M, Kawashima M, Takagi Y, Ichikawa Y, Imokawa G. Decreased levels of sphingosine, a natural antimicrobial agent, may be associated with vulnerability of the stratum corneum from patients with atopic dermatitis to colonization by Staphylococcus aureus. J Invest Dermatol. 2002 Aug;119(2):433-9.
PMID: 12190867|DOI: 10.1046/j.1523-1747.2002.01846.x
日本語要旨:セラミド代謝低下に伴い抗菌脂質スフィンゴシンが減少し、黄色ブドウ球菌の定着が増える可能性を示唆。炎症悪化の機序説明に有用。
【5】Eberlein-König B, Schäfer T, Huss-Marp J, Darsow U, Möhrenschlager M, Herbert O, et al. Skin surface pH, stratum corneum hydration, trans-epidermal water loss and skin roughness related to atopic eczema and skin dryness in a population of primary school children. Acta Derm Venereol. 2000 May;80(3):188-91.
PMID: 10954209|DOI: 10.1080/000155500750042943
日本語要旨:小児集団でアトピー性皮膚炎は皮膚pH上昇と関連。pH変化が保湿低下・刺激感に関わり、セラミド不足のバリア脆弱性と合わせて説明できる。
【6】Palmer CNA, Irvine AD, Terron-Kwiatkowski A, Zhao Y, Liao H, Lee SP, et al. Common loss-of-function variants of the epidermal barrier protein filaggrin are a major predisposing factor for atopic dermatitis. Nat Genet. 2006 Apr;38(4):441-6.
PMID: 16550169|DOI: 10.1038/ng1767
日本語要旨:フィラグリン機能喪失変異がアトピー性皮膚炎の強い素因であることを示した代表論文。角質層バリア破綻→乾燥・炎症の根本理解に必須。
【7】Weidinger S, Illig T, Baurecht H, Irvine AD, Rodriguez E, Diaz-Lacava A, et al. Loss-of-function variations within the filaggrin gene predispose for atopic dermatitis with allergic sensitizations. J Allergy Clin Immunol. 2006 Jul;118(1):214-9.
PMID: 16815158|DOI: 10.1016/j.jaci.2006.05.004
日本語要旨:フィラグリン変異がアトピー性皮膚炎に加えアレルゲン感作とも関連。バリア低下(セラミド不足等)とアレルギー悪循環を結ぶ根拠として有効。
【8】Chamlin SL, Kao J, Frieden IJ, Sheu MY, Fowler AJ, Fluhr JW, et al. Ceramide-dominant barrier repair lipids alleviate childhood atopic dermatitis: changes in barrier function provide a sensitive indicator of disease activity. J Am Acad Dermatol. 2002 Aug;47(2):198-208.
PMID: 12140465|DOI: 10.1067/mjd.2002.124617
日本語要旨:セラミド主体のバリア補修脂質で小児アトピー性皮膚炎が改善し、バリア指標が病勢を反映。記事の「セラミド配合でケアを支える」に直結。
【9】Koppes SA, Charles F, Lammers LA, Frings-Dresen M, Kezic S, Rustemeyer T. Efficacy of a Cream Containing Ceramides and Magnesium in the Treatment of Mild to Moderate Atopic Dermatitis: A Randomized, Double-blind, Emollient- and Hydrocortisone-controlled Trial. Acta Derm Venereol. 2016 Nov 2;96(7):948-953.
PMID: 26939522|DOI: 10.2340/00015555-2395
日本語要旨:セラミド配合クリーム(Mg含有)のRCTで、軽〜中等症アトピー性皮膚炎の症状改善を評価。保湿=バリア補強の臨床的裏づけになる。
【10】Kong HH, Oh J, Deming C, Conlan S, Grice EA, Beatson M, et al. Temporal shifts in the skin microbiome associated with disease flares and treatment in children with atopic dermatitis. Genome Res. 2012 May;22(5):850-9.
PMID: 22310478|DOI: 10.1101/gr.131029.111
日本語要旨:小児アトピー性皮膚炎の増悪期に皮膚マイクロバイオームが変動し、多様性低下を示す。バリア低下(セラミド不足)と感染・炎症の関係説明に有用。
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