日本初のシワ改善有効成分「ニールワン」の効果や副作用、レチノールとの違いをわかりやすく解説します 。ポーラ(POLA)独自のシワ改善メカニズムや、リンクルショットなど配合化粧品の選び方まで徹底網羅 。自分に合うシワ対策を探している方におすすめです 。
「ニールワンって最近よく聞くけれど、レチノールと何が違うの?」「本当にシワに効くの?」——そんな疑問を持つ方は少なくありません。
ニールワンは、日本で初めて『シワを改善する』効能効果が認められた医薬部外品有効成分です。レチノールやナイアシンアミドとは異なる独自のしくみでシワに働きかけるのが特徴で、ポーラ(POLA)が開発しました。
この記事では、ニールワンがどんな成分で、どのようにシワを改善するのか、その効果のしくみと副作用・安全性、そして配合化粧品の選び方までを、皮膚科学の知見と公的に確認できる情報をもとにわかりやすく解説します。
レチノールなど他の成分との違いや使い分けも整理するので、自分に合うシワ対策を選ぶ参考にしてください。
CONTENTS
ニールワンとは?日本初のシワ改善有効成分
まずは、ニールワンがどんな成分で、どのような位置づけにあるのかを押さえましょう。
1)ニールワンの基本(POLAが開発した独自成分)
ニールワンは、ポーラ・オルビスグループが開発した独自の医薬部外品有効成分です。日本で初めて医薬部外品の効能効果として「シワを改善する」が承認された有効成分で、2016年7月に承認されました。正式な成分名は「三フッ化イソプロピルオキソプロピルアミノカルボニルピロリジンカルボニルメチルプロピルアミノカルボニルベンゾイルアミノ酢酸Na」で、4つのアミノ酸誘導体から構成される成分です。2017年に発売された薬用シワ改善化粧品「リンクルショット」に配合され、シワ改善のパイオニア的存在として知られています。
2)「シワを改善する」と表示できる医薬部外品有効成分
ニールワンは、医薬部外品の有効成分として「シワを改善する」と表示することが認められています。これは、日本香粧品学会が定めた抗シワ製品評価ガイドラインの評価基準において、有意なシワ改善効果が確認されたことにもとづくものです。シワ改善が認められた医薬部外品有効成分は複数あり、それぞれ働き方が異なります。成分全体の比較は、医薬部外品のシワ改善有効成分の記事で詳しく解説しています。
3)レチノール・ナイアシンアミドとの違い
シワ改善成分としてよく知られるレチノールはビタミンA由来でコラーゲン産生やターンオーバーに、ナイアシンアミドはビタミンB3で多面的な肌ケアに働きます。一方ニールワンは、これらとはまったく異なる「酵素の働きを抑える」アプローチでシワに作用します。名前が似ているために純粋レチノールと混同されることがありますが、ニールワンはレチノールではなく、別の独自成分である点に注意しましょう。
<参考記事>
ニールワンのシワ改善メカニズム
ニールワンの最大の特徴は、シワの一因となる「酵素」に着目した独自のメカニズムです。
1)シワ形成に関与する好中球エラスターゼ
シワは、紫外線や表情圧(表情の動きによって肌にかかる力)など複数の要因によって生じます。その過程では、真皮の成分を分解する酵素の働きが高まることが一因とされています。その酵素のひとつが「好中球エラスターゼ」です。白血球の一種である好中球が放出するこの酵素は、コラーゲンやエラスチンといった真皮の土台を強く分解します。紫外線によって真皮の成分(細胞外マトリックス)が分解されることがシワにつながる機序は、シワの根本原因(真皮の分解)としても知られています【1】。
2)ニールワンは好中球エラスターゼの働きを抑える
ニールワンは、この好中球エラスターゼの活性を抑える(阻害する)働きを持つ成分です。ポーラの研究では、シワができやすい目尻まわりの皮膚に好中球エラスターゼを出す細胞が多く存在することが確認され、この酵素を抑えることがシワ改善の標的になると示されました。実験では、ニールワンが酵素によるコラーゲンやエラスチンの分解を強く抑えたことが報告されています【2】【3】。
3)真皮の「分解と生成のバランス」を整える
ニールワンは、真皮成分を「分解」する側の働きを抑えることで、分解と生成のバランスを整え、結果としてシワの改善を促します。レチノールがコラーゲン産生の促進などを通じて肌に働きかけるのに対し、ニールワンは真皮成分の分解を抑えることでシワ改善を目指す点が特徴です。シワ改善の考え方として新しい視点を示した成分といえます。
<参考記事>
ニールワンの効果|どんなシワにどう働く?
ニールワンは、どのようなシワに向いていて、どの程度の根拠があるのかを見ていきましょう。
1)向いているシワ(表情圧が関わる目尻・額・口元など)
ニールワンは、紫外線や表情圧によって生じる真皮性のシワに対して用いられます。具体的には、目尻・額・口元など、表情の動きが関わってできるシワが主な対象です。配合製品も、こうした部分用の美容液として展開されているほか、近年は顔全体に広がる「散在シワ」に向けた全顔用タイプも登場しています。
2)評価基準とエビデンス
ニールワンのシワ改善効果は、日本香粧品学会が定めた抗シワ製品評価ガイドラインの基準にもとづいて確認されています。これは医薬部外品として「シワを改善する」と表示するために満たすべき、客観的な評価方法です。また、メカニズムと有効性については学術的にも報告されており、開発の経緯や評価方法を含めた解説が学会誌にまとめられています【1】。性別を問わず効果が確認されている点も特徴です。
3)効果を実感するまでの目安と継続の大切さ
シワ改善は、短期間で劇的に変わるものではなく、継続的なケアが前提です。配合製品は、気になる部分に毎日朝晩使い続けることが推奨されています。数週間から数か月の単位で、肌の状態を見ながら続けることが大切です。なお、医薬部外品の効能は「シワを改善する」の範囲であり、すべての深いシワを完全に消すものではない点は理解しておきましょう。
<参考記事>
しわの見分け方|4種類(小じわ・真皮じわ・表情じわ・たるみ)の原因と対策
ニールワンの副作用・安全性と使う際の注意
ニールワンを安心して使うために、安全性と使い方の注意点を確認しておきましょう。
1)安全性の考え方
ニールワン配合製品はアレルギーテスト済みで販売されています(ただし、すべての方にアレルギーや肌トラブルが起きないわけではありません)。一般的には刺激の少ない成分と考えられていますが、肌質や体調によっては赤みやかゆみ、刺激感などが生じる可能性があります。
化粧品や医薬部外品は、どの成分であっても肌に合わない場合があります。使用中に異常を感じた場合は使用を中止し、症状が続く場合は医師や専門家に相談しましょう。
2)使い方の基本
配合製品は、朝晩のスキンケアで化粧水などで肌を整えたあとに使うのが基本です。シワが気になる部分に適量をなじませます。部分用の美容液では、一部位につき米粒2粒ほどが使用量の目安とされています。
使用量が少なすぎると十分なケアができず、多すぎても効果が高まるわけではありません。使う順番や量は製品ごとの説明に従い、毎日のケアとして継続することが大切です。
3)レチノールとの違い
レチノールは、コラーゲン産生をサポートするなどシワ改善に役立つ成分として知られていますが、使い始めにA反応(レチノイド反応)と呼ばれる赤みや乾燥、皮むけなどの刺激が現れることがあります。
一方、ニールワンは好中球エラスターゼの働きを抑えることでシワ改善を目指す成分で、レチノールとは作用機序が異なります。そのため、レチノールにみられるA反応の心配は比較的少ないと考えられています。
ただし、刺激の感じ方には個人差があるため、どちらの成分であっても自分の肌の状態を確認しながら使用することが大切です。
レチノールの副作用について詳しくは、レチノールの効果と副作用の記事をご覧ください。
<参考記事>
ニールワン配合化粧品の選び方
ニールワンを取り入れたい場合の、製品の選び方を整理します。
1)ニールワンはPOLA独自成分という前提を理解する
まず知っておきたいのは、ニールワンがポーラ・オルビスグループの独自成分であるという点です。そのため、ニールワンを配合した化粧品は、基本的にPOLAの「リンクルショット」シリーズに限られます。レチノールのように多くのブランドから選べる成分ではないため、選択肢は実質的にこのシリーズ内での比較になります。
2)製品ラインと選び方
代表的なのが、シワ改善有効成分ニールワンを配合した部分用美容液「リンクルショット メディカル セラム N」(医薬部外品、20g・税込14,850円目安)です。目尻・口元・額など、気になる部分のシワに使います。顔全体のシワ(散在シワ)が気になる場合は、全顔用に設計された「リンクルショット メディカル セラム デュオ」もあります。また、ニールワンは配合していませんが、表情圧に着目した保湿美容液「リンクルショット ジオ セラム プロティアン」を組み合わせるライン使いも提案されています。部分用か全顔用か、目的に合わせて選びましょう。
なお、価格や容量、ラインナップは変動するため、購入時は公式サイトで最新情報を確認してください。リンクルショットは正規販売ルートのみで取り扱われており、模倣品に注意が呼びかけられています。フリマアプリや非正規の通販での購入は避け、公式や正規取扱店で購入しましょう。
3)他の有効成分との選び分け・併用の考え方
どの成分を選ぶか迷う場合は、目的と肌質で考えるとよいでしょう。分解を防ぐアプローチのニールワン、生成を後押しするレチノール配合のクリームや美容液、多面的に働くナイアシンアミドと、それぞれ特徴が異なります。刺激が心配な方はニールワン、ターンオーバーから整えたい方はレチノール、といった選び分けが目安です。複数の有効成分を併用する場合は、肌の負担を見ながら少しずつ取り入れましょう。
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<参考記事>
よくある質問(FAQ)
Q. ニールワンとレチノールはどちらがいいですか?
目的や肌質によります。ニールワンは真皮成分の分解を抑えるアプローチで、A反応のような強い初期刺激が比較的少ないのが特徴です。レチノールはコラーゲン生成を後押しする一方、使い始めに刺激が出ることがあります。刺激が心配な方はニールワン、ターンオーバーから整えたい方はレチノールが一つの目安です。
Q. ニールワンはどこで買えますか?市販されていますか?
ニールワンはポーラ独自成分のため、配合製品は基本的にPOLAのリンクルショットシリーズに限られます。POLA公式サイトや正規取扱店、百貨店などで購入できます。模倣品が出回ることがあるため、正規販売ルートでの購入をおすすめします。
Q. 効果が出るまでどのくらいかかりますか?
シワ改善は継続が前提です。製品は毎日朝晩の使用が推奨されており、数週間から数か月の単位で肌の状態を見ながら続けることが大切です。短期間での判断は避けましょう。
Q. 敏感肌や妊娠中でも使えますか?
配合製品はアレルギーテスト済みですが、すべての方に肌トラブルが起きないわけではありません。敏感肌の方はまず少量から試し、異常があれば中止してください。妊娠中・授乳中の方は、まず製品の使用上の注意をご確認ください。不安がある場合は、医師や薬剤師などの専門家に相談することをおすすめします。
まとめ|ニールワンは「日本初のシワ改善成分」を理解して選ぶ
ニールワンは、日本で初めて「シワを改善する」と認められた医薬部外品の有効成分で、ポーラが開発した独自成分です。好中球エラスターゼの働きを抑え、真皮成分の分解と生成のバランスを整えることでシワを改善する、レチノールとは異なるアプローチが特徴です。A反応のような強い初期刺激が比較的少なく、刺激が気になる方にも選びやすい成分といえます。
配合製品はPOLAのリンクルショットシリーズが中心で、部分用と全顔用から目的に合わせて選べます。ほかの有効成分とも特徴が異なるため、自分の肌質や目的に合わせて選び分けるとよいでしょう。シワ全体の原因と対策の全体像は、シワ対策の完全ガイドもあわせてご覧ください。
<参考記事>
参照論文(エビデンス)
PMID: 19675548 DOI: 10.1038/jidsymp.2009.8
日本語要旨:紫外線によって真皮の成分を分解する酵素が増え、コラーゲンやエラスチンが壊されることでシワやたるみが進む、という光老化の根本的なしくみを整理した総説。ニールワンが抑えようとする「真皮成分の分解」という現象を、独立した学術論文として裏づける。
【2】Suenobu N. Innovation of Research and Development by Cosmetic Science—With a Focus on the Story behind the Development of Anti-Wrinkle Quasi-Drug—. J Jpn Cosmet Sci Soc (香粧品科学). 2020;44(1):13-19.
PMID: なし DOI: 10.11469/koshohin.44.13
日本語要旨:ポーラの研究者による解説論文。目尻まわりの皮膚に好中球エラスターゼを出す好中球が存在し、この酵素が真皮のコラーゲンやエラスチンを分解することに着目。酵素を阻害する成分ニールワン(NEI-L1)が強い阻害作用とシワ改善効果を示すことを報告し、開発と評価の経緯をまとめている。
【3】Kasahara K, et al. A study on the mechanisms and the efficacy of the anti-wrinkle ingredient NEI-L1. J Invest Dermatol. 2019;139(5):S118. PMID: なし DOI: 10.1016/j.jid.2019.03.761
日本語要旨:ニールワン(NEI-L1)のメカニズムを検証した学会抄録。培養したヒト皮膚細胞などを用いた実験で、好中球エラスターゼによるコラーゲンの分解を、ニールワンが大幅に抑制したことを報告。エラスチン線維の分解抑制も確認され、真皮成分を守る働きを実証的に示している。
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