ナイアシンアミドとは?化粧品成分としての効果・安全性・使い方を徹底解説

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「エイジングケア」とは、年齢に応じた化粧品による肌のお手入れを指します。
「浸透」とは、角質層までの浸透を指します。
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ナイアシンアミドはビタミンB3の一種で、シワ改善・美白・肌荒れ防止の3効能で医薬部外品の有効成分に承認された希少な化粧品成分。コラーゲン産生促進・メラノソーム輸送阻害・セラミド産生促進という3つの異なるメカニズムで、エイジングケアに多角的に貢献します。

「シワに効く」「シミに効く」「肌荒れに効く」——それらすべてに国が認めた医薬部外品の有効成分として承認された化粧品成分が、ナイアシンアミドです。
スキンケアに関心がある方なら一度は目にしたことのある名前でしょう。しかし「なぜこんなに多くのブランドが配合しているのか」「化粧品と医薬部外品では何が違うのか」「他の美肌成分と組み合わせるとよいのか」といった疑問に、納得のいく答えを持っている方は少ないかもしれません。
この記事では、ナイアシンアミドとはどんな成分なのか、その特徴・3つの効果・メカニズム・安全性・使い方、おすすめの配合化粧品まで、幅広く・深く解説します。

 

ナイアシンアミドとはどんな成分?基本プロフィール

ナイアシンアミドの化学構造

1)ビタミンB3の仲間

ナイアシンアミドは、水溶性ビタミンのひとつ「ナイアシン(ビタミンB3)」の一形態です。化学名は「ニコチン酸アミド」とも呼ばれます。ナイアシンはニコチン酸(ナイアシン)とニコチン酸アミド(ナイアシンアミド)の総称で、どちらもビタミンB3として機能します。
体内では糖質・脂質・たんぱく質の代謝を助ける補酵素(NAD+・NADP+)の構成成分として働き、皮膚や粘膜の健康維持に欠かせない栄養素です。食品では、まぐろ・鶏むね肉・豚レバー・まいたけなどに豊富に含まれています。

2)化粧品成分としての歴史

ナイアシンアミドは何十年もの歴史を持つ化粧品成分です。ナイアシンアミドは、バリア機能改善、角層水分量の改善、皮脂調整など多面的な皮膚作用を持つことが報告されています【1】【2】。
こうした効果を背景に、SK-IIなどが1990年代から配合・研究を重ね、2007年に美白有効成分として承認を取得しました。その後シワ改善(2017〜2018年頃)の有効成分承認も加わり、「3つの効能を持つ医薬部外品成分」として一躍、多くのブランドが採用する人気成分へと成長しました。
ナイアシンアミドの承認年代と効能

年代申請企業医薬部外品有効成分として承認された効能・名称
1990年代末カネボウ肌荒れ改善・防止
2007年P&G美白有効成分。「ニコチン酸アミド」または「D-メラノ」
2017〜2018年コーセーシワ改善有効成分。「リンクルナイアシン」

ナイアシンアミドの3大効果と医薬部外品承認の意味

ナイアシンアミドの医薬部外品有効成分としての効能

1)医薬部外品の有効成分とは

日本では薬機法により、化粧品が謳える効能は、臨床試験で有効性が確認されれば「乾燥による小じわを目立たなくする」と表記が可能です。一方、医薬部外品(薬用化粧品)は厚生労働省が有効性を認めた成分を所定の濃度範囲で配合することで、「シワを改善する」「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」「肌荒れを防ぐ」などの効能を正式に謳えます。
つまりナイアシンアミドが3つの医薬部外品有効成分として承認されているということは、単なるメーカーの主張ではなく、国が認めたルールとエビデンスに基づいた効能であることを意味します。

2)ナイアシンアミドの医薬部外品としての効能のまとめ

効能メカニズムの概要承認成分名
シワ改善コラーゲン産生促進・バリア機能強化リンクルナイアシン
美白 (シミ・そばかすを防ぐ)メラノソームの表皮細胞への輸送阻害ニコチン酸アミド(D-メラノ)
肌荒れ防止・改善セラミド・グルコシルセラミド・ スフィンゴミエリンの産生促進ニコチン酸アミド

この3つの効能を一つの成分で持つことは、化粧品成分の世界では極めて希少です。エイジングケアの3大テーマ(シワ・シミ・肌荒れ)に同時にアプローチできる点が、ナイアシンアミドが高く評価される最大の理由です。

<参考記事>

ナイアシンアミドのシワ改善効果とは?承認メカニズムと実感するための使い方
ナイアシンアミドの美白効果とは?シミへのアプローチ方法と他の美白成分との違いを解説
ナイアシンアミドで肌荒れが改善する理由|セラミドとバリア機能への効果を徹底解説

ナイアシンアミドの3つの効果のメカニズム

1)シワ改善:表皮と真皮への2段階アプローチ

ナイアシンアミドのシワ改善効果(塗布4週間目)

ナイアシンアミドのシワ改善効果(塗布8週間目)

 

ナイアシンアミドがシワにアプローチする経路は2つあります。
【表皮へのアプローチ】角質層のセラミド産生を高め、バリア機能を回復させることで乾燥による小じわを改善します【3】。
【真皮へのアプローチ】真皮の線維芽細胞に働きかけてコラーゲン・エラスチンの産生を促進し、肌のハリを回復させることで真皮性のシワを改善します。
5%ナイアシンアミド外用では、加齢に伴う顔面の小ジワや色むら、赤みなど複数の光老化徴候の改善が報告されています【4】。また、日本人女性30名を対象とした左右顔比較試験でも、目元のシワ改善効果が確認されています【5】。
おすすめの化粧品は、「ナイアシンアミドの効果は?話題のシワ改善化粧品のおすすめ紹介!」を参考にしてください。

<参考記事>

線維芽細胞を活性化する化粧品成分とは?ハリ・弾力を高めるスキンケアを徹底解説
シワ改善の医薬部外品は5種ある!効果の違いと美容医療との差

2) 美白:メラノソーム輸送阻害という独自メカニズム

ナイアシンアミドの美白効果

美白成分の種類と特徴・効果!「シミ」が消えるのは?」で詳しく解説していますが、多くの美白成分が「チロシナーゼを阻害してメラニンを作らせない」という前段アプローチをとるのに対し、ナイアシンアミドは「できたメラニンを表皮細胞に届けない(メラノソームの輸送を35〜68%阻害)」という後段アプローチで美白を実現します【6】。

この異なるメカニズムにより、ビタミンC誘導体やトラネキサム酸など、他の美白成分と組み合わせた多角的なアプローチが可能になります。
また、ナイアシンアミド4%外用は、肝斑患者を対象とした二重盲検ランダム化比較試験でも色素沈着の改善が報告されています【7】。

3)肌荒れ改善:セラミド産生促進によるバリア機能強化

ナイアシンアミドのセラミド産生促進効果

ナイアシンアミドはセリンパルミトイルトランスフェラーゼという酵素を活性化し、グルコシルセラミド・スフィンゴミエリン・セラミドの産生を増やします。これにより角質層の細胞間脂質が増加し、バリア機能が内側から修復されます。
鐘紡基礎研究所のTannoらは、ナイアシンアミドがセラミドをはじめとする角層脂質の生合成を高め、皮膚バリア改善に寄与することを報告しています【3】。さらに、Somaらの臨床研究では、2%ニコチンアミド外用により4週時点からTEWLの低下など保湿・バリア改善効果が示されています【8】。

<参考記事>

セラミドを増やす3つの美容成分と日常生活でバリア機能正常化!

ナイアシンアミドのそのほかの効果

1)皮脂抑制効果

ナイアシンアミドには、皮脂抑制効果があります。
ナイアシンアミド2%配合の保湿クリームを2週間使用することで、皮脂分泌量が有意に低下するという研究報告があります【9】。
また、ナイアシンアミド4%を含むジェルを8週間使うことで、ニキビの重症度が52%低下したという研究報告があります【10】。

2)抗炎症効果

ナイアシンアミドには抗炎症作用があり、炎症性ニキビに関わる炎症性サイトカインの産生抑制や、紫外線による炎症性ダメージ・免疫抑制に対する保護作用が報告されています【11】【12】。

併用がおすすめの美肌成分

ナイアシンアミドと併用がおすすめの成分を説明するコスメコンシェルジュ

ナイアシンアミドは単独でも優秀ですが、他の成分と組み合わせることで美肌効果をさらに高めることができます。
ナイアシンアミドは、角層のバリア機能を整え、セラミドなどの脂質産生をサポートすることが報告されています【1】【2】【3】。そのため、スキンケア全体の土台を整える成分として、ほかの美容成分とも併用しやすいと考えられます。
例えば、レチノールとナイアシンアミドを組み合わせた外用製剤では、色調不均一やエイジングサインの改善、良好な忍容性が報告されています【13】。

組み合わせる成分期待できる相乗効果
ナールスゲン(コラーゲン・ エラスチン産生成分)真皮レベルでのシワ改善を多方向から強化。ナールスゲンは線維芽細胞の活性化を通じてコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸をサポートし、ナイアシンアミドと相補的に働く。
ビタミンC誘導体 (APPS・セラミドプロモーター等)チロシナーゼ阻害(VC誘導体)+メラノソーム輸送阻害(ナイアシンアミド)により美白を多段階で強化。セラミドプロモーターはセラミド産生を別経路で促しバリア機能強化を相乗化。
レチノール(ビタミンA誘導体)レチノールのターンオーバー促進・コラーゲン産生効果にナイアシンアミドが加わり相乗効果。刺激が気になる場合の併用設計として活用されることがあります
セラミド・プロテオグリカンヒアルロン酸(保湿成分)ナイアシンアミドの内側からのセラミド産生促進に、外からの直接補給を加えることでバリア機能をより包括的に強化。乾燥肌・敏感肌ケアに特に有効。
トラネキサム酸(美白成分)ナイアシンアミドとは異なる経路(プラスミン阻害→炎症性メラニン抑制)で機能。肝斑や炎症後色素沈着への対策に組み合わせが有効。

ナイアシンアミドの安全性——どんな肌質でも使える理由

ナイアシンアミドの安全性が気になる女性

1)高い安全性の根拠

ナイアシンアミドは化粧品成分の中でも安全性が非常に高い成分として知られています。
CIRの安全性評価報告では、ナイアシンアミド配合製剤を用いた臨床評価において、明らかな刺激性や感作性は認められず、光感作性も示されなかったと整理されています【14】。

  • アレルギー性・光毒性・光感作性:一般的な使用条件では大きな問題は報告されていません
  • 眼刺激性:最小限と評価(まったくないわけではないが日常使用では問題のないレベル)
  • 食品添加物・日本薬局方・外原規2021に収載:医療・食品の両分野で認められた安全性

2)すべての肌タイプで使える

これらの安全性データから、ナイアシンアミドは乾燥肌・脂性肌・混合肌・敏感肌・インナードライ肌・高齢者の乾燥肌にいたるまで、ほぼすべての肌タイプで使用できます。

3)注意点

高濃度、例えば10%以上のナイアシンアミドは皮脂分泌を強く抑制する可能性があるため、人によって乾燥感や刺激感が出ることがあります。はじめて使う場合はパッチテストを推奨します。また「ナイアシンフラッシュ」(赤み・ほてり)はニコチン酸(ナイアシン)大量摂取時に起きる現象で、ナイアシンアミドでは通常起きません。

化粧品と医薬部外品の違い・配合濃度のポイント

ナイアシンアミド配合の化粧品を選ぶとき「化粧品」と「医薬部外品(薬用化粧品)」の2種類があることに気づいた方も多いでしょう。成分そのものに違いはありません。しかし、この2つは法的な区分・謳える効能・配合濃度のルールがまったく異なります。

比較ポイント化粧品医薬部外品
謳える効能整肌・保湿など緩やかな表現のみシワ改善・美白・肌荒れ防止を正式に標榜可
配合濃度の規定制限なし(1%未満〜25%超の製品も存在)おおよそ0.1〜3.5%の範囲(承認の前例に準拠)
成分名表示ナイアシンアミド「ニコチン酸アミド」または「ナイアシンアミド」
効能の信頼性処方全体の設計による国が有効性を認めている

医薬部外品が「確実に優れている」とは一概に言えません。化粧品の中にも高品質・高濃度の製品が多くあります。大切なのは配合成分全体のバランスと、自分の肌悩みに合った製品選びです。
詳しくは、「化粧品と医薬部外品のナイアシンアミドは何が違う?配合濃度と効果の規制を徹底解説」をご覧ください。

正しい使い方と効果を実感するまでの期間

1)スキンケアのステップへの組み込み方

ナイアシンアミドは水溶性のため、化粧水・美容液・乳液・クリームなど多様なテクスチャーの製品に配合されています。特別な使い方は必要なく、通常のスキンケアの流れに沿って使用できます。

  • 洗顔後、化粧水(またはナイアシンアミド配合化粧水)→美容液→乳液・クリームの順で使用
  • コットンよりも手のひらで押し込むように肌になじませるとより浸透しやすい
  • 気になる部位(目元・ほうれい線周りなど)は重ね塗りが効果的
  • 朝晩どちらでも使用可。朝はバリア強化、夜は修復・再生の時間帯を活かす

2)効果を実感するまでの期間

効能実感の目安
乾燥小じわの改善2〜4週間程度で変化を感じはじめることも
バリア機能の修復・肌荒れ改善2〜4週間(臨床試験では4週間で有意な改善)
美白・シミへのアプローチ1〜3カ月の継続使用が目安
真皮性のシワ改善8週間〜3ヶ月以上の継続使用が必要

ナイアシンアミドは即効性のある成分ではなく、継続的な使用で効果が積み上がります。「変化がない」と感じても、1〜3カ月は使い続けることが大切です。

ナイアシンアミド配合のエイジングケア化粧水「ナールスピュア」

 ナイアシンアミド&ナールスゲン配合「ナールスピュア」

ナイアシンアミド&ナールスゲン配合「ナールスピュア」

1)ナールスピュアとは

ナイアシンアミドを配合したエイジングケア化粧水として、私たちナールスがおすすめするのが「ナールスピュア」です。京都大学と大阪市立大学の共同研究で開発された成分「ナールスゲン(カルボキシメチルフェニルアミノカルボキシプロピルホスホン酸メチル)」を推奨濃度で配合しています。「素肌サプリメント」をコンセプトに、肌本来の力を引き出すことを目指して開発されました。

2)ナイアシンアミドの2023年リニューアルによる濃度アップ

ナールスピュアには2020年のリニューアル時からナイアシンアミドが配合されており、2023年のリニューアルでその濃度が2倍にアップしています。

3)主な配合成分

  • ナールスゲン(コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸産生サポート)
  • ナイアシンアミド(整肌・保湿)
  • 3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸(セラミドプロモーター/整肌)
  • APPS(パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na/整肌)
  • ヒト臍帯血幹細胞順化培養液(整肌)
  • アスコルビルリン酸Na・トコフェリルリン酸Na(整肌)
  • プロテオグリカン・PCA-Na(保湿)
  • ツボクサエキス(整肌)

4)ナールスピュアの特徴

  • 界面活性剤・香料・着色料・アルコール(エタノール)フリーの7つの無添加
  • 乾燥肌・敏感肌・インナードライ肌・オイリー肌を問わず使いやすい
  • さらっとしながらもしっかりうるおうテクスチャー
  • モンドセレクション金賞受賞・@cosme化粧水ランキング1位獲得実績
  • 2023年リニューアルでナイアシンアミド配合量2倍にアップ

5)ナールスピュアは「化粧品」

ナールスピュアは薬機法上「化粧品」であり、医薬部外品ではありません。そのため「シワを改善する」「メラニンの生成を抑えシミ・そばかすを防ぐ」「肌荒れを防ぐ」などの医薬部外品的な効能を正式に謳うことはできません。配合ナイアシンアミドは「整肌成分」として機能します。医薬部外品の効能を求める場合は「医薬部外品(薬用化粧品)」の表示がある製品を選んでください。
化粧水の選び方は、「すべての年齢肌におすすめ!「ナイアシンアミド」配合の人気化粧水20選 」も参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

Q1. ナイアシンアミドはどんな肌悩みに効きますか?

シワ・シミ(美白)・肌荒れの3つが医薬部外品として国に認められた効能です。また、セラミド産生を高めてバリア機能を強化するため、乾燥肌・敏感肌・インナードライ肌の改善にも有効です。さらに、毛穴の引き締めや皮脂バランスの改善も期待されています。

Q2. 化粧品と医薬部外品、どちらのナイアシンアミドを選べばよいですか?

「シワ改善・美白・肌荒れ防止」という効能を正式に求めるなら医薬部外品を選ぶのが確実です。一方で化粧品は処方の自由度が高く、ナールスゲンなど他の有効成分と組み合わせた高機能な処方も実現できます。「化粧品と医薬部外品のナイアシンアミドは何が違う?配合濃度と効果の規制を徹底解説」を参考に目的と予算に合わせて選びましょう。

Q3. ナイアシンアミドは毎日使っていいですか?

はい。ナイアシンアミドは継続的な使用で効果が積み上がるため、毎日朝晩の使用が基本です。安全性が高く長期使用にも適した成分です。

Q4. レチノールと一緒に使っても大丈夫ですか?

基本的に問題ありません。「ナイアシンアミドとレチノールの違いは?どっちがいい?効果・副作用・併用を解説」で詳しく解説していますが、ナイアシンアミドとレチノールの併用で、レチノールの濃度を下げる工夫をすることで、刺激を和らげる効果も期待されています。また、作用メカニズムが異なる2成分を組み合わせることでシワへの相乗効果が期待できます。刺激が気になる場合は、低頻度から始める、交互使用する、保湿を併用するなど調整しましょう。

Q5. ナイアシンアミドをサプリメントで摂るのはどうですか?

ナイアシンアミドはサプリでも美肌に効く?内側からのケアと化粧品との違いを科学的に解説」で詳しく解説していますが、ナイアシンアミドはビタミンB3として経口摂取も可能です。ただし外用(塗る)のほうが皮膚に直接届く分、肌への効果は外用のほうが直接的です。サプリは全身の代謝・DNA修復サポートとして活用し、化粧品との組み合わせが理想的です。

Q6. NMNとナイアシンアミドの関係は?

ナイアシンアミドとNMNの関係とは?NAD+を軸にした抗老化メカニズムをわかりやすく解説」で詳しく解説していますが、ナイアシンアミドは体内でNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)を経てNAD+という補酵素に変換されます。NAD+は細胞のエネルギー産生・DNA修復・長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)の活性化に関与しており、ナイアシンアミドとNMNはNAD+を軸に深く結びついています。

まとめ

ナイアシンアミドは、1つの成分でシワ改善・美白・肌荒れ防止という3つの医薬部外品効能を持つ、化粧品業界屈指のマルチ有効成分です。
コラーゲン産生促進(シワ改善)・メラノソーム輸送阻害(美白)・セラミド産生促進(肌荒れ改善)という3つの異なるメカニズムを持つため、ナールスゲンやビタミンC誘導体・レチノールといった他の美肌成分との相乗効果も非常に期待できます。
さらに安全性の高さ・幅広い肌タイプへの対応・水溶性で多様な製品に配合しやすいという特性が重なり、現在最も多くのブランドが採用するエイジングケア成分のひとつとなっています。
ぜひ本記事をハブに、各効果の詳細記事や配合製品の選び方記事も読み進めて、ナイアシンアミドを賢くスキンケアに取り入れてください。

参考文献(エビデンス)

本記事の科学的根拠として、以下の査読済み論文を参照しています。
【1】Gehring W. Nicotinic acid/niacinamide and the skin. J Cosmet Dermatol. 2004;3(2):88-93.
PMID: 17147561 DOI:10.1111/j.1473-2130.2004.00115.x.
日本語要旨:ナイアシンアミドの皮膚への作用をまとめた総説です。セラミド合成促進、バリア機能改善、抗炎症作用、皮脂分泌調整など多面的な作用が整理されており、加齢肌やニキビ、色素トラブルなど幅広い用途で有用な成分であることが示されています。
【2】Wohlrab J, Kreft D. Niacinamide – mechanisms of action and its topical use in dermatology. Skin Pharmacol Physiol. 2014;27(6):311-315.
PMID: 24993939 DOI:10.1159/000359974
日本語要旨:ナイアシンアミドの外用に関する作用機序と皮膚科領域での応用を整理した総説です。バリア機能サポート、抗炎症、皮脂調整など、多面的な働きが簡潔に整理されています。ナイアシンアミドの機能全体を説明するのに有用な論文。
【3】Tanno O, Ota Y, Kitamura N, Katsube T, Inoue S. Nicotinamide increases biosynthesis of ceramides as well as other stratum corneum lipids to improve the epidermal permeability barrier. Br J Dermatol. 2000;143(3):524-531.
PMID: 10971324 DOI:10.1111/j.1365-2133.2000.03705.x.
日本語要旨:ナイアシンアミドが、角層バリアに重要なセラミドやその他の脂質の産生を高めるかを検討した研究です。培養ヒト角化細胞では、ナイアシンアミド添加によりセラミド合成が増加し、バリア関連脂質の産生促進が確認されました。さらに乾燥肌への外用で、角層中のセラミド量増加と経表皮水分蒸散量の低下が示され、皮膚バリア機能の改善につながる可能性が示されました。
【4】Bissett DL, Oblong JE, Berge CA. Niacinamide: A B vitamin that improves aging facial skin appearance. Dermatol Surg. 2005;31(7 Pt 2):860-865; discussion 865.
PMID: 16029679 DOI:10.1111/j.1524-4725.2005.31732.x.
日本語要旨:5%ナイアシンアミド外用の加齢顔面皮膚への有効性を評価した臨床研究です。継続使用により、小ジワ、色素沈着、赤み、黄ぐすみ、弾力低下など、複数の光老化徴候の改善が確認されました。ナイアシンアミドは比較的忍容性が高く、エイジングケア成分として有用であることが示されています。
【5】Kawada A, Konishi N, Oiso N, Kawara S. Evaluation of anti-wrinkle effects of a novel cosmetic containing niacinamide. J Dermatol. 2008;35(10):637-642.
PMID: 19017042  DOI: 10.1111/j.1346-8138.2008.00537.x
日本語要旨:目尻のシワを有する日本人女性30名を対象に、ナイアシンアミド配合化粧品の抗シワ効果を評価したランダム化プラセボ対照・左右顔比較試験です。ナイアシンアミド配合群では、シワグレードや皮膚の見た目に改善がみられ、ナイアシンアミド配合化粧品が日本人女性の目元のシワ改善に有用である可能性が示されました。
【6】Hakozaki T, Minwalla L, Zhuang J, Chhoa M, Matsubara A, Miyamoto K, Greatens A, Hillebrand GG, Bissett DL, Boissy RE. The effect of niacinamide on reducing cutaneous pigmentation and suppression of melanosome transfer. Br J Dermatol. 2002;147(1):20-31.
PMID: 12100180 DOI:10.1046/j.1365-2133.2002.04834.x
日本語要旨:ナイアシンアミドが皮膚の色素沈着をどのように改善するかを検討した研究です。臨床試験では、外用により色素沈着の軽減と肌の明るさの改善が認められました。あわせて、メラノソームの移送抑制が作用機序の一つとして示されており、医薬部外品の美白効能の背景説明の根拠として有用な論文です。
【7】Navarrete-Solís J, Castañedo-Cázares JP, Torres-Álvarez B, Oros-Ovalle C, Fuentes-Ahumada C, González FJ, Martínez-Ramírez JD, Moncada B. A Double-Blind, Randomized Clinical Trial of Niacinamide 4% versus Hydroquinone 4% in the Treatment of Melasma. Dermatol Res Pract. 2011;2011:379173.
PMID: 21822427 DOI:10.1155/2011/379173
日本語要旨:肝斑患者を対象に、ナイアシンアミド4%とハイドロキノン4%を比較した二重盲検ランダム化比較試験です。ナイアシンアミド群でも色素沈着の改善がみられ、忍容性の面でも良好な結果が示されました。
【8】Soma Y, Kashima M, Imaizumi A, Takahama H, Kawakami T, Mizoguchi M. Moisturizing effects of topical nicotinamide on atopic dry skin. Int J Dermatol. 2005;44(3):197-202.
PMID: 15807725  DOI: 10.1111/j.1365-4632.2004.02375.x
日本語要旨:アトピー性乾燥肌患者を対象に、2%ニコチンアミドクリームの保湿効果を検討した臨床研究です。4週および8週の外用により、白色ワセリンと比較してTEWLの低下などバリア機能改善が確認され、乾燥肌に対する保湿補助として有用である可能性が示されました。「2%・4週間・TEWL低下」の根拠となる論文。
【9】Draelos ZD, Matsubara A, Smiles K. The effect of 2% niacinamide on facial sebum production. J Cosmet Laser Ther. 2006;8(2):96-101.
PMID: 16766489 DOI: 10.1080/14764170600717704
日本語要旨: 2%ナイアシンアミド外用が顔面の皮脂分泌に与える影響を、日本人と白人を対象に検討した研究です。日本人被験者では、2週間および4週間の使用で皮脂排出率の有意な低下が確認され、ナイアシンアミドが皮脂コントロールに役立つ可能性が示唆されました。
【10】Shalita AR, Smith JG, Parish LC, Sofman MS, Chalker DK. Topical nicotinamide compared with clindamycin gel in the treatment of inflammatory acne vulgaris. Int J Dermatol. 1995;34(6):434-437.
PMID: 7657446 DOI: 10.1111/j.1365-4362.1995.tb04449.x
日本語要旨:炎症性ざ瘡(ニキビ)に対して、4%ニコチンアミドゲルと1%クリンダマイシンゲルを比較した研究です。76例を対象に8週間評価した結果、4%ニコチンアミド群では丘疹・膿疱数の減少に加え、重症度評価が52%改善し、クリンダマイシンと同等の有効性が示されました。
【11】Sivapirabu G, Yiasemides E, Halliday GM, Park J, Damian DL. Topical nicotinamide modulates cellular energy metabolism and provides broad-spectrum protection against ultraviolet radiation-induced immunosuppression in humans. Br J Dermatol. 2009;161(6):1357-1364.
PMID: 19804594 DOI: 10.1111/j.1365-2133.2009.09244.x
日本語要旨:ヒト皮膚において、外用ニコチンアミドが紫外線による免疫抑制に対して保護的に働くことを示した研究です。UVダメージに伴う皮膚反応の軽減という文脈で、ナイアシンアミドの抗炎症・光防御補助作用の根拠として有用な論文。
【12】Grange PA, Raingeaud J, Calvez V, Dupin N. Nicotinamide inhibits Propionibacterium acnes-induced IL-8 production in keratinocytes through the NF-κB and MAPK pathways. J Dermatol Sci. 2009;56(2):106-112.
PMID: 19726162 DOI: 10.1016/j.jdermsci.2009.08.001
日本語要旨:ニコチンアミドが、C. acnes刺激を受けた角化細胞におけるIL-8産生を抑制し、NF-κBおよびMAPK経路を介した炎症反応を抑えることを示した研究です。ナイアシンアミドの抗炎症作用を機序面から補強する際に使いやすい論文です。
【13】Farris P, Zeichner J, Berson D, Tann J. Efficacy and Tolerability of a Skin Brightening/Anti-Aging Cosmeceutical Containing Retinol 0.5%, Niacinamide, Resveratrol, and Hexylresorcinol. J Drugs Dermatol. 2016;15(7):863-868.
PMID: 27391637
日本語要旨:レチノール0.5%とナイアシンアミドを含む外用製剤の有効性と忍容性を評価した臨床研究です。継続使用により、色むらやエイジングサインの改善がみられ、忍容性も良好と報告されています。ナイアシンアミドとレチノールは併用効果の根拠として有用な論文。
【14】Andersen FA; Cosmetic Ingredient Review Expert Panel. Final report of the safety assessment of niacinamide and niacin. Int J Toxicol. 2005;24 Suppl 5:1-31.
PMID: 16596767 DOI:10.1080/10915810500434183
日本語要旨:ナイアシンアミドおよびナイアシンの安全性評価をまとめた報告です。臨床試験や刺激性評価をもとに、一定濃度範囲での外用時の忍容性が整理されています。ナイアシンアミドの安全性全般及び高濃度化粧品の刺激感への注意の裏付けとなる論文です。

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