コラーゲンは、エイジングケア化粧品や健康食品に配合されます。
誰もが知る美容成分で、エイジングケアやアンチエイジングを意識する女性の注目の的。
しかし、まだ誤解が多いのも事実です。
この記事では、そんなコラーゲンとは何か、役割を幅広くご紹介します。
- コラーゲンは、少し変わった構造を持つたんぱく質です。たんぱく質の30%、ヒトのからだの6%を占める成分です。
- コラーゲンには約30種類あって、からだの部位で多い種類や少ない種類があります。肌に多いのはⅠ型やⅢ型です。
- ヒトのコラーゲンは、イメージされているようなプルプルのものでなく強靭で伸展性の少ない線維組織です。柔らかいのは熱を与えてゼラチンになったものです。
- 化粧品やドリンクに使われるコラーゲンの多くは、加水分解されて小さくなった「コラーゲンペプチド(加水分解コラーゲン)」です。だから、もとの構造とは異なっています。
- 体内のコラーゲンは年齢とともに減ります。だから、バランスのよい食事、紫外線対策などで維持を図ることが健康や美肌にとって大切です。
- コラーゲン化粧品に期待できることは、お肌の保湿です。ただし、お肌の中にそのまま定着するわけではありません。
- コラーゲンの研究が進みいろいろなことがわかってきました。食べたコラーゲンがコラーゲンペプチドとして、細胞にまでたどり着くことがわかってきました。だから、食べることに健康や美容上のメリットがあるのです。
ナールスコム店長 村上清美
メーカー営業、エステティシャンを経て、現在、ナールスゲン入りエイジングケア化粧品「ナールス」の公式サイト「ナールスコム」の店長として、ナールスブランドに関わる業務全般を担当。
<保有資格>
コスメコンシェルジュ
◆化粧品検定1級
◆日本エステティック協会認定エステティシャン
◆日本エステティック業協会上級認定エステティシャン
◆ソワンエステティック協会認定ビューティーセラピスト
*目元のシワの原因と対策の全てがわかる!|エイジングケア化粧品のナールス
CONTENTS
1.コラーゲンに興味があるあなたへ
「コラーゲンのエイジングケアとアンチエイジングの効果と役割」をお届けします。
コラーゲンについての話題といえば、
「コラーゲンドリンクを飲んだら次の日に、お肌がプリプリになった!」
「コラーゲン化粧品でお肌のハリとツヤが戻ってきた!大切な美容成分」
「鶏の皮はコラーゲンいっぱいだから、お肌によい!」
といったポジティブな意見。
一方
「コラーゲンサプリなんて飲んでも無駄!食べ物を摂れば十分」
「コラーゲンを塗ってもお肌なんか変わらない!意味がない」
「コラーゲンを食べても消化されるから、増えるわけはない!」
といった意見もあります。
一体、何が正しいのか?本当のところはどうなのか?
といったことが気になりますね。
コラーゲンの研究は進みつつも、未だわからないこともあるのです。
また、まだ「可能性」の段階の内容もあります。
医学や科学、また化学の世界では、まだまだ分からいことも多く美容成分や食べ物でもまだ謎となっている部分も多いのです。
コラーゲンもそんな成分の1つです。
研究は進んでいても、やっぱりわからないことも多いのです。
この記事では、そんなコラーゲンについてわかっていることとわかっていないこと、またその可能性も考えながら、構造や役割、はたらきを幅広く紹介します。
「コラーゲンっていったい何からできているの?教えて!」
「コラーゲンの効果や役割は?ちゃんと知りたい!」
「コラーゲンの研究報告にはどんなものがあるの?」
などが、気になる方は、ぜひ、続きをチェック。
正しいアンチエイジングやエイジングケアのために理解を深めてくださいね。
なお、コラーゲン化粧品について詳しく知りたい方は、「コラーゲン化粧品の種類と効果!エイジングケアに大切?」をご覧ください。
<コラーゲンを生み出す力をチェックしたいなら!>
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2.コラーゲンって、そもそも何?
コラーゲンを考える上で大切なのは、
「人が元から持っているコラーゲンと化粧品やサプリメントで取り入れるコラーゲンの役割は、同じではない」
という前提に立つことです。
まず、人の持つコラーゲンからお話を進めましょう。
1)ヒトのコラーゲンとは?
コラーゲンは、からだ全体の6%、そして人の真皮の70%以上を占める成分ですが、その正体は「たんぱく質」です。
たんぱく質は、からだ全体の20%もあって、60%ある水に次いで多い成分です。
コラーゲンは、たんぱく質の6%/20%なので、ヒトのたんぱく質の30%を占めているのです。
たんぱく質といえば、その根本は、アミノ酸です。
コラーゲンを形成するアミノ酸は、グリシンやプロリン、ヒドロキシプロリン、グルタミン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン、セリン、リジン、スレオニンなどです。
この中で、ヒドロキシプロリンはコラーゲンに特有のものです。
一方、コラーゲンには、必須アミノ酸のひとつであるトリプトファンが含まれないこともその特徴です。
2)栄養素として評価が低かったコラーゲン
ここで少しアミノ酸とコラーゲンの関係を整理します。
実は、コラーゲンは栄養学的な観点では、質の高いたんぱく質と考えられてなかったのです。
なぜなら、ヒトにとって大切な必須アミノ酸が不足しているからです。
ヒトのからだをつくっているアミノ酸は、20種ありますが、そのうち9種が必須アミノ酸、残りの11種が非必須アミノ酸です。
栄養学的に考えて、「良質なたんぱく質」とは、トリプトファンが含まれているたんぱく質です。
これが含まれていないコラーゲンは栄養学的な視点では評価が低かったのです。
さらに、コラーゲンを形成するアミノ酸の1つであるグリシンが全体の約1/3を占めるといういびつな割合なのです。
この点もたんぱく質としては、質が低いと考えられていた要素なのです。
しかし、コラーゲンに注目が集まっているのは、栄養学的なことではなく、むしろ、皮膚(肌)、髪、爪、関節などの組織を支える機能です。
その点では、コラーゲンはちょっと変わったたんぱく質なのです。
3)ヒトのコラーゲンと化粧品のコラーゲンは別!
ヒトのコラーゲンのイメージがつかみかけてきたでしょうか?
さて、コラーゲンといえば、食べ物、サプリメント、化粧品成分を思い出す場合が多いでしょう。
実は、化粧品やサプリメントで使われるコラーゲンは、魚や動物由来のものです。
エイジングケア化粧品や健康食品などに配合されるコラーゲンは、美容成分としての知名度は超メジャー級ですが、実際にからだの中にあるコラーゲンについては、誤解も多い成分です。
以前、コラーゲンについて、アンケートを行ったところ、
「もともとコラーゲンは自分のからだにないので、外から取り入れる必要がある」
と回答された方が、40%程度いらっしゃったのが、衝撃的でした。
コラーゲンについて、詳しく説明すれば、本1冊以上のボリュームになりますし、実際、コラーゲンに関する本も何種類か世に出ています。
この記事では、そんなコラーゲンについて、お肌やエイジングケアに関連の深いポイントに絞って説明します。
サプリメントなどに使われるコラーゲンについて深く知りたい方は、「プルプル美肌になる!コラーゲンサプリメントの種類と選び方のコツ」や「コラーゲンはなぜ必要?その解説とおすすめコラーゲンサプリご紹介!」をご覧ください。
また、動物由来と魚由来の違いは、「マリンコラーゲンとフィッシュコラーゲンに大きな違い!真実は?」や「100%天然海水魚から抽出したマリンコラーゲンの秘密」をご覧ください。
4)人のコラーゲンの種類は?
人のコラーゲンは、存在する場所や、元となるタンパク質の組み合わせや量のちょっとした違いで、30種類程度にわかれます。
それらは、I型、Ⅱ型のようにローマ数字で表されます。
そのうち体内でもっとも多いのはI型コラーゲンですが、からだのパーツによっては、そのバランスはさまざまです。
たとえば、真皮、靱帯、腱、骨などではI型コラーゲンが多く、関節軟骨ではⅡ型コラーゲンが主成分です。
お肌のコラーゲンは、9種類あるといわれていますが、I型コラーゲンが90%程度です。
I型コラーゲン以外では、Ⅲ型やⅣ型、Ⅶ型などがお肌のコラーゲンで、少しずつ役割も違います。
そのため、最近では、エイジングケアや美容の観点でもこれらのタイプごとのはたらきも注目されつつあります。
たとえば、Ⅲ型コラーゲンは、「ベビーコラーゲン」、「若返りのコラーゲン」とも呼ばれていて、I型コラーゲンよりも柔らかく、年齢を重ねるとI型以上にその比率が減ることが知られています。
だから、柔らかな美肌のためにはⅢ型の比率を上げることが注目されることもあります。
5)私のコラーゲン量は、どこにどれくらいあるの?
コラーゲンは、人間だけでなく動物や魚など多くの生物が、体内に持っているたんぱく質です。
人間の場合、先ほどもお伝えしましたが、たんぱく質が全体重の20%程度で、そのうちの30%がコラーゲンなのです。
たとえば、体重が50kgの方なら、3kg(50kg ×0.2 × 0.3)ものコラーゲンが、ご自身のからだにあるコラーゲンです。
そして、その内訳は、お肌に40%、骨・軟骨に10~20%、血管7~8%。
残りは、髪の毛なども含め、からだのあちらこちらに少しずつ存在します。
ということは、お肌のコラーゲンについては、体重50kgの方なら、“1.2kg” (3kg×0.4)となります。
年齢や体質などでこの数値は若干異なりますが、
ご自身のお肌のコラーゲン量は、「体重×0.024」で、計算できます。
3.お肌のコラーゲンの役割と形・性状は?
1)コラーゲンの役割は?
このようにお肌の中でも、大きな割合を占めるコラーゲンにはどんな役割があるのでしょうか?
人間のからだが、細胞でできていることは誰もがご存じだと思います。
この細胞は、からだの中でバラバラになっているのではなく、きっちりと整理された状態で並ぶことで、組織や器官を形づくっています。
実は、そこで大切な役割を担っているのがコラーゲンなのです。
コラーゲンは、細胞と細胞の間にあって、この細胞たちをきっちり並ばせるために細胞同士を次のようにサポートします。
- 結びつける
- 支える
- ほかの組織との境界をつくる
このように細胞と細胞の間にあって、今、説明したような役割を担うものを、「細胞外マトリックス」と呼びます。
コラーゲン以外でも真皮にあるエラスチンやヒアルロン酸、プロテオグリカンも、細胞外マトリックスの1つです。
ところで、有名な映画「マトリックス」は、「コンピュータがつくり出した仮想現実」を意味しているのですが、
「マトリックス」の語源は、ラテン語の「Mater」=「母」です。
現在は、それが転じて、「基盤」、「基質」、「そこから何かを生み出す背景」といった意味を持っています。
お肌のコラーゲンは、真皮の中で、線維芽細胞と線維芽細胞をしっかりと支え、真皮が真皮たる構造を持つ上で、まさにお肌の「母」として頑張ってくれているのです。
つまり、お肌の「真皮」が健やかでいるために、コラーゲンは不可欠な成分なのです。
これが、コラーゲンが美肌やエイジングケアとの関係で、注目される理由です。
2)コラーゲンの形や性状は?
コラーゲンの形は、「三重のらせん構造」です。
3本の鎖が、コイルのように巻きついているようなイメージです。
こんな形状は、ほかのたんぱく質にはなく、コラーゲン独特のものです。
また、コラーゲンは、コラーゲン同士で、お互いに橋(架橋)をかけ合っています。
これによって、コラーゲンは伸縮性を発揮しながらも、力強さを兼ね備えているのです。
<コラーゲンが少ない肌とコラーゲンが豊富な肌>
「コラーゲンはぷるんぷるんとして柔らかいゼリーのようなもの」
をイメージされるかもしれませんが、お肌の中のコラーゲンは、レザースーツのように、伸び縮みは少ししても、しっかりとした強さのあるものなのです。
魚のアラや鶏の皮などを煮て冷やした「煮こごり」もコラーゲンなのですが、人間のお肌の中にある生きたコラーゲンとは、性状が違うものになります。
これらは、加熱で変性してゼラチンになっている状態のコラーゲンです。
4.コラーゲンの味方と敵は?
1)コラーゲンを助けるエラスチンとHSP47
実は、コラーゲンはコラーゲンだけで組織を支えているのではありません。
コラーゲンをサポートする成分として知っておきたいのは、エラスチンとヒートショックプロテイン(HSP)47。
エラスチンは、弾性線維とも呼ばれています。
その名のとおり、実はお肌の弾力の源はこのエラスチンなのです。
コラーゲンほど強靭な線維ではない代わりに、その弾力性では勝っているのです。
エラスチンもコラーゲンと同じく、線維状のたんぱく質で、コラーゲン同士を結びつけて網目状に構成しているのです。
つまり、コラーゲンのらせん構造を側面から支えているのです。
一方、ヒートショックプロテイン(HSP)47は、熱ショックたんぱく質。
これは、コラーゲンが正しい3重の構造になることをサポートする分子シャペロンと呼ばれるたんぱく質なのです。
この2つは、コラーゲンがしっかり機能を果たす上で、とても大切な成分なのです。
2)コラーゲンの敵は年齢?加齢だけ?
コラーゲンも細胞や成分と同じく、からだの中で、絶えず古いものが壊され、新しいものがつくられています。
ターンオーバーを説明したときにも触れましたが、このプロセスが、「代謝」です。
そして、残念なことに、年齢を重ねると、このスピードは落ちてしまうのです。
コラーゲンの代謝は真皮で行われるので、表皮で行われるターンオーバーとは違いますが、年齢やお肌の老化の影響を受けるのは同じです。
その結果、年齢とともにコラーゲンの量が減ったり、劣化してしまったりするのです。
加齢にともなうコラーゲンの量の変化については、いくつかの研究がありますが、20歳がピークで、そのあと年齢とともに減っていくといわれています。
<コラーゲンと年齢の関係>
50代では、20代の70%程度になるといわれています。
コラーゲンは、真皮にある「線維芽細胞」でつくられますが、この細胞の活力が下がることで、つくられる量が減ってしまうのです。
したがって、コラーゲンの代謝を若い状態のままにするには、この線維芽細胞をイキイキとした状態に維持することです。
また、コラーゲンは、年齢以外でも変性したり減ったりします。
たとえば、次のような原因があります。
- 紫外線ダメージによる活性酸素で、コラーゲンが変性します。また、線維芽細胞もダメージを受けてしまいます。
- 糖化によって、たんぱく質であるコラーゲンと糖が結びつき、焦げた状態になってしまいます。
- 酸化によって、コラーゲンが劣化します。
女性ホルモン(エストロゲン)の減少によって、コラーゲンを体内でつくる力が低下します。
つまり、年齢以外にもコラーゲンが減ったり、劣化する要素が身の回りにあるのです。
<参考記事>
*コラーゲンを毎日食べて、紫外線による光老化や肌老化を予防しよう!
*コラーゲンの敵!紫外線による光老化から肌を守るコラーゲンペプチド
5.コラーゲンの理解を深めるコラーゲンペプチドとは?
ヒトのコラーゲンと化粧品などのコラーゲンが違うはたらきをするとお伝えしてきましたが、その違いを理解するために知っておきたいのが、「コラーゲンペプチド」のことです。
ヒト以外からつくられたコラーゲンは、化粧水、美容液、保湿クリーム、洗顔料、酵素洗顔料、クレンジング料、ヘアケア用品、ハンドクリーム、ボディソープ、コラーゲンドリンク、入浴剤、サプリメント、ドリンクなどに配合され、さまざまな場面で私たちの生活に役立っています。
これらに使われているコラーゲンの多くは、
厳密にいえば「コラーゲン」ではなく「コラーゲンペプチド」(加水分解コラーゲン)です。
動物や魚の皮や骨に含まれているコラーゲンは、3重のらせん構造で強靭な線維であること、またその分子量が約30万ダルトンもあります。
だから、消化吸収されにくく、熱にも溶けにくいのです。
そのため、このままでは医療材料や一部の化粧品素材以外では使いにくいのです。
そこで、この生のコラーゲンを加熱して抽出・精製したのがゼラチンです。
ゼラチンは、コラーゲンの3重のらせん構造が緩やかにほどけているので、少し消化されやすくなったものです。
また、水には溶けにくいのですが、温水には溶ける状態です。
ただし、ゼラチンは温度が下がると、もとのコラーゲンに戻ろうとする力がはたらきます。
これが多くの方がイメージしているものです。
ゼラチンは、分子量が約10万ダルトンです。
このゼラチンを、さらに酵素を使ってバラバラにした(加水分解した)ものがコラーゲンペプチド(加水分解コラーゲン)です。
コラーゲンペプチドは、分子量も数百ダルトンから数千ダルトンと小さくなって、水に溶けやすく吸収性も高まったものです。
<コラーゲン・ゼラチン・コラーゲンペプチドの関係>
肌の中のコラーゲンはこの状態ではなく、3重のらせん構造で組織を支えていますが、テレビのCMやコラーゲン化粧品の広告で使われるのは、このプルプルのゼリーのようなゼラチンのイメージです。
でも、呼び方はゼラチンではなくコラーゲンですね。
これが、多くの方にコラーゲンについて誤解をもたらしたのです。
また、最も小さくなったコラーゲンペプチドは、ナノコラーゲン、あるいは低分子コラーゲンと呼ばれることもあります。
6.コラーゲンを減らさない生活、増やす生活
1)紫外線対策でコラーゲンを減らさない
コラーゲンを増やすことは大切ですが、減らさない生活を意識することも大切です。
まずは、紫外線ダメージを防ぐために紫外線対策は必ず行いましょう。
紫外線による光老化は、コラーゲンを変性させるだけでなく線維芽細胞も傷つけてしまうことで起こります。
夏の紫外線対策だけでなく、冬もしっかり紫外線をケアしましょう。
また、喫煙もからだが酸化する原因なので、オススメできません。
2)食事で摂るコラーゲンを増やす
コラーゲンは、たんぱく質ですから、それを含む食品を食べることが基本です。
また、コラーゲン生成の時にビタミンAやビタミンCが必要になるので、一緒に摂りましょう。
たんぱく質は、アミノ酸からできていていますが、「プロリン」、「リジン」というアミノ酸がコラーゲンの生成の際に使われるアミノ酸です。
プロリン、リジンを多く含む食材もオススメです。
<プロリン、リジンを多く含む食品>
豚肉、鳥胸肉、大豆製品、乳製品、小麦、ゼラチンなど
<ビタミンAを多く含む食品>
レバー、うなぎ、にんじん、かぼちゃなど
<ビタミンCを多く含む食品>
パブリカ、ピーマン、ブロッコリー、さつまいも、レモンなど
また、エストロゲンはコラーゲン線維をつくる線維芽細胞を活性化する作用があるため、エストロゲンが減少してくる閉経の年齢になると、コラーゲンも減少します。
だから、女性ホルモンを増やす食べ物を摂ることが大切です。
そのため、エストロゲンに似たイソフラボンを含む大豆食品である納豆・豆腐・おから・味噌なども意識して摂りましょう。
ザクロや山芋にもイソフラボンは含まれています。
なお、コラーゲンをはじめ食べ物や飲み物、栄養素はからだに大切です。
次の記事も美肌の参考にしてください。
*毛髪に朗報!ノニと魚由来コラーゲン入りドリンクで抜け毛が減った
*スーパーフードはアンチエイジング・美容・ダイエットに効果!?
3)食事で栄養素が不十分ならサプリメントも併用する
本来は、たんぱく質やビタミンA、ビタミンCが摂れればよいのですが、それが十分でない場合は、コラーゲンやアミノ酸を含むサプリメントを使うのも選択肢の1つです。
また、エクオールのサプリメントを摂ることもおすすめです。
ただし、コラーゲンを食べても、一旦、アミノ酸に分解され、それがまたからだをつくる原料として再利用されるのです。
つまり、食べたコラーゲンがそのまま自分自身のコラーゲンになるわけではありません。
あくまで、原料を補給するためのものであることをご理解ください。
4)質のよい睡眠でコラーゲンを増やす
バランスのよい食事に加えて、質のよい睡眠もコラーゲンを増やすために大切です。
美肌を保つために大切なのが「成長ホルモン」のはたらき。
成長ホルモンは年齢とともに減少してしまうものですが、「良質な睡眠」を取ることで分泌を増やせます。
十分な睡眠時間の確保はもちろんですが、眠った直後の約1時間に質の高い睡眠を取れるようにリラックスした状態で入眠しましょう。
睡眠と美肌の関係は、
「美肌は質の高い睡眠中に作られる!3つのホルモンを活かす4つの対策 」を参考にしてください。
また、「スタンフォード式 最高の睡眠 西野精治」は、睡眠を理解するのにとても有用です。
5)適度な運動でコラーゲンをキープ
コラーゲンを増やすには、からだの新陳代謝を高めることも大切です。
適度な運動は、新陳代謝を高めることになります。
逆に運動しないとコラーゲンは減ります。
宇宙空間にロケットで数匹のカエルを送り込み、無重力空間の中で一週間飼育したところ、地上でのコラーゲンより平均で1/5も減少したという実験報告があります。
これは無重力空間にいたカエルには気圧の負荷・刺激がかからないため、皮膚のコラーゲンが分解されたためと、推測されます。
だから、逆に運動で負荷をかけると、代謝がアップするのでコラーゲンの生成をサポートすることになるのです。
適度な運動を心がけましょう。
ウォーキングなら、少し早めに歩くこともよい方法です。
7.エイジングケア化粧品でのコラーゲンの効果
エイジングケア化粧品の原料には、コラーゲンが含まれているものやコラーゲンを増やすエビデンスのあるものがあります。
1)コラーゲン化粧品のスキンケアでの効果
一般に、コラーゲン化粧品といえば、コラーゲンが含まれている化粧品のことで、魚や豚などから抽出したコラーゲンがその原料です。
これらは、表皮で保湿成分としてはたらき、お肌の潤いを維持するのを助けます。
だから、コラーゲン化粧品でできることは、お肌を保湿することで、乾燥肌を防いだり改善することなのです。
その結果、バリア機能が正しくはたらいたり、ターンオーバーが正常化することもあります。
しかし、これが、お肌で自分自身のコラーゲンになることはありません。
だから、コラーゲン化粧品で顔のたるみが改善したり、たるみで目立つほうれい線を消す対策はできません。
<参考記事>
2)コラーゲンを増やすエイジングケア化粧品成分は?
一方、ビタミンA誘導体(レチノール・レチノイン酸トコフェリル)、ビタミンC誘導体、ナールスゲン、ネオダーミル、ナイアシンアミドなど、コラーゲンを増やすはたらきのあるエイジングケア化粧品成分があります。
しかし、これらのデータは、成分での実験結果で、必ずしもその成分を含んだ製品の効果を保証するものではありません。
エイジングケア化粧品で、お肌のターンオーバーが改善したり表皮のバリア機能が高まったり、あるいは乾燥が改善した結果、お肌の健康状態が高まり、その結果、線維芽細胞のはたらきが高まって、コラーゲンが増えることはあり得ます。
しかし、化粧品は、真皮にまでは浸透しないことが基本なので、エイジングケア化粧品は、ケアするものであっても、キュア(治療)するものではないことを理解しておくことが大切です。
エイジングケアでコラーゲンを維持し、増やすのは、まずアンチエイジングを意識した日常生活を考えることが大切なのです。
その上で、サポート役として、エイジングケア化粧品を使うというふうに考えましょう。
なお、ナールスゲン配合のエイジングケアローション「ナールスピュア」を深く知りたい方、化粧水をランキングや人気などに頼らず選びたい方は、こちらもご参考にしてください。
また、年代別のエイジングケアはこちらの記事を参考にしてください。
*60代・70代も大切!エイジングケア化粧品の選び方と使い方
8.最近、わかってきたコラーゲンに期待できる効果
コラーゲンやコラーゲンペプチドの研究も進み、今までわからなかったことが解明されつつあります。
1)明治製菓の論文「コラーゲンペプチド経口摂取による皮膚角質水分量の改善効果」
コラーゲンの研究では比較的大きな研究で、200人以上の被験者に対し、ダブルブラインド(二重盲検)試験を行っています。
研究報告では、魚由来コラーゲンペプチドを毎日5g、あるいは10gを1ヶ月飲むとプラセボと比べて有意に角層水分量がアップしました。
しかし、水分蒸散抑制量、肌のやわらかさ、弾力は、プラセボと比べて有意な結果がでませんでした。
また、魚由来コラーゲンペプチドを毎日2.5gでは、プラセボと比べて有意な結果が出ませんでしたし、豚由来コラーゲンを毎日10g飲んでも、プラセボと比べて有意な結果は出ませんでした。
このことから、1日あたり5gの魚由来のコラーゲンペプチドを摂ると肌への効果がありそうです。
魚由来のコラーゲンペプチドに効果があったのは、ヒドロキシプロリンが含まれるジペプチドやトリペプチドが、豚に比べて1.5倍ほど血中濃度が高くなり、その結果、線維芽細胞のヒアルロン酸産生を促進するためと考えられています。
<参考記事>
*マリンコラーゲンのメリットと提供理由!日本酵研さんにインタビュー
2)まだまだある!コラーゲンの効果の研究
森永製菓が実施した『コラーゲンペプチド,エラスチンペプチド,ヒアルロン酸,パセノール™配合飲料の摂取が肌へ及ぼす効果』では、43名の健常成人女性を対象に2群に分け、コラーゲンペプチド10,000mg、エラスチンペプチド、ヒアルロン酸、パセノールTMを含むコラーゲン含有飲料、或いは、上記の原料を含まない対照飲料を24日間1日1本摂取させたところ、角質層の水分量と肌の弾力がコラーゲン含有飲料摂取群では対照飲料摂取群と比べ有意に向上したとういう結果でした。
ほかにも大規模な臨床研究ではありませんが、コラーゲンペプチドを摂取すると、4週間程度で次のような結果を得た論文も発表されています。
メカニズムがはっきりとわかっているわけではありませんが、美肌効果があったようです。
3)コラーゲンが増えるメカニズムの仮説
「コラーゲン完全バイブル」(真野博 著(幻冬舎)にコラーゲンペプチドのメカニズムに興味深い内容が掲載されていますので、ご紹介します。
従来の考えでは、コラーゲンペプチドを食べてもアミノ酸に分解されて、血中ではもはやコラーゲンではない状態だと考えられていました。
しかし、実際に人が食べたコラーゲンペプチドがどうなったかを調べたところ、アミノ酸が数個くっついた形で吸収されることがわかったそうです。
つまり、コラーゲンやほかのたんぱく質と消化・吸収の仕組みが違うようなのです。
これは、コラーゲンの成分である非必須アミノ酸のヒドロキシプロリンが、関係しているようです。
複雑な説明は省略しますが、ヒドロキシプロリンがほかのアミノ酸と結合がねじれたり隠れたりすることで分解されにくくなることにより、血中にアミノ酸が数個くっ付いたままで存在するようです。
また、ラットの研究でもコラーゲンペプチドが、ラットの骨、皮膚、関節に摂取後24時間後でも残っていることもわかったようです。
そして、これらは、皮膚でも線維芽細胞にまで届けられることが明らかになってきたとも記されています。
では、こうしたコラーゲンペプチドは、皮膚でコラーゲンになるのでしょうか?
それについてはまだ解明されていませんが、「コラーゲンペプチドが何らかのシグナル(命令)を線維芽細胞に送り、活性化させるのではないか?」との仮説が考えられています。
この仮説が正しいとすると、「コラーゲンを食べるとコラーゲンになるわけではないが、コラーゲンペプチドが線維芽細胞を活性化させることで、コラーゲンが増える」ことになります。
非常に興味深い仮説ですし、これが証明されれば、コラーゲンペプチドを食べることに大きな意味がありそうですね。
<参考記事>
*注目の新発見!コラーゲンの「カルバミル化」は顔たるみの原因
9.まとめ
コラーゲンの効果やエイジングケア化粧品の関係について詳しく説明しました。
また、コラーゲンの役割や増やし方、最新の研究などについてもご紹介しました。
いかがだったでしょうか?
今や、化粧品やサプリメントをはじめ私たちの生活にとって大切な存在であるコラーゲン。
でも、お肌の中でのはたらきと化粧品などのはたらきは異なるのです。
そんなコラーゲンを正しく理解することでアンチエイジングやエイジングケアへの理解も深まります。
この記事「コラーゲンのエイジングケアとアンチエイジングの効果と役割」で、外から補うコラーゲンと自分自身のコラーゲンの違いをしっかり理解いただき、エイジングケアに役立てていただければ幸いです。
<参考図書>
著者・編集者・校正者情報
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。
医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。
一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト
著作(共著)
(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子)
大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
そんな中で、「これは!」という、みなさまの健康づくりのご参考になるような情報ご紹介したり、その時期に合ったスキンケアやエイジングケアのお役立ち情報をメールでコンパクトにお届けしています。
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