美容成分で最も有名なのは何かといえば、何といってもコラーゲン。
あなたももちろん、コラーゲンってご存知ですよね。
さて、そんなコラーゲンやコラーゲン化粧品は、その名も超メジャーで誰もが一度は使ったことがあるでしょう。
けれど、意外に誤解も多いのです。
そこで、この記事ではコラーゲン化粧品の種類と効果についてあらためてしっかりとご紹介したいと思います。
ぜひ、コラーゲンの化粧品成分としての正しい知識を持ち、上手な使い方で、美肌を手に入れてくださいね。
コラーゲンは入っていないけど、コラーゲンを増やす「ナールスゲン」。
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- コラーゲンは、人が元から持っているたんぱく質の1つです。お肌では真皮にあります。
- 化粧品成分のコラーゲンは、魚、動物などからつくられています。水溶性の成分なので化粧水と相性がよい美容成分です。
- 化粧品成分としてのコラーゲンが肌に入って真皮のコラーゲンになることはありません。また、サプリメントやドリンクを飲んでもすぐにコラーゲンになりません。一度、アミノ酸に分解されるのです。
- 化粧品成分としてのコラーゲンは、お肌の表面や角質層で保湿効果を発揮します。その結果、お肌が潤ってハリやツヤをもたらすのです。
- コラーゲン化粧品にはたくさんの種類がありますが、その効果はいずれも保湿です。ほとんどの方に安全な成分でエイジングケアにとっても大切です。
ナールスコム店長 村上清美
メーカー営業、エステティシャンを経て、現在、ナールスゲン入りエイジングケア化粧品「ナールス」の公式サイト「ナールスコム」の店長として、ナールスブランドに関わる業務全般を担当。
<保有資格>
コスメコンシェルジュ
◆化粧品検定1級
◆日本エステティック協会認定エステティシャン
◆日本エステティック業協会上級認定エステティシャン
◆ソワンエステティック協会認定ビューティーセラピスト
CONTENTS
1.コラーゲン化粧品でエイジングケアを考えているあなたへ
「コラーゲン化粧品の種類と効果は?エイジングケアに大切!」をお届けします。
エイジングケアやアンチエイジングに使いたい美肌のための成分として人気のコラーゲン。
ほとんどの女性は、化粧水などで使ったり、サプリメントで摂ったことがあるでしょう。
また、エイジングケア世代になって、お肌の老化が気になりだすと使う方も多いコラーゲン。
「コラーゲンコスメでキレイになった。やっぱりこれが一番!」
「コラーゲン化粧品でハリとツヤのある素肌を手に入れた!潤いある素肌になった」
「豚足や鶏の手羽を食べた翌日は、プルプルのお肌!」
「エイジングケア化粧品といえば、コラーゲン!ハリがピーン!」
「ドリンクを毎日飲んだら美肌になった!やっぱりコラーゲンは効果がある!」
コラーゲンに対して、今、挙げたような実感や意識を持った方も少なくないでしょう。
一方、「コラーゲンは化粧品で塗っても、サプリメントを食べても意味がない」というネガティブな意見も。
いまや世にあふれるコラーゲン化粧品。
エイジングケア化粧品でも、本当に配合されることの多い化粧品成分です。
一方、誤解も多いのが現状です。
その大きな理由は、自分のからだの中にある成分としてのコラーゲンと、化粧品成分のコラーゲンを混同してしまうからです。
『コラーゲン化粧品をしっかり理解するためには、まず、自分自身のコラーゲンと化粧品成分のコラーゲンは別!』
というところからスタートすることが大切です。
まず、このことを覚えておいてください。
タイトルの「コラーゲン化粧品の種類と効果!エイジングケアに大切?」ですが、先に答えをいうと、しっかりと理解して使うのならば、エイジングケアにとって大切な化粧品の1つとなります。
「そもそもコラーゲンってどんな成分なの?特徴が知りたい!」
「からだや肌にあるっていうけど、どこにあるの?」
「コラーゲンってたしか種類がたくさんあったけどどう違うの?教えて!」
「コラーゲン化粧品の効果やはたらきをちゃんと理解したい!ハリが出るの?」
「エイジングケアによいコラーゲン化粧品の選び方を知りたい!」
「コラーゲン化粧品って安全なの?刺激はない?」
などを知りたいエイジングケア世代の女性方は、必読です。
エイジングケア化粧品を理解する上でも、役立つのでぜひ、読み進めてくださいね。
コラーゲンのことは、よく知っている!
もう情報は十分!
だから、コラーゲン化粧品よりも、エイジングケア化粧水の選び方やコラーゲンをつくるサポートをする化粧品に興味のある方は、こちら。
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<コラーゲンのアプローチ!のおすすめ化粧品>
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2.そもそもコラーゲンとは?
1)コラーゲンとは何か?
コラーゲンは、人をはじめ、脊椎動物の真皮、骨、軟骨、靭帯などにある成分で、アミノ酸からできています。
アミノ酸同士が結合してペプチドになり、それがまた結びつくと、たんぱく質です。
つまり、コラーゲンはたんぱく質の1種で、人にとってはとても大切な成分です。
もちろん、人以外の動物でも大切です。
コラーゲンは、大きく分けると、線維を形成する「線維性」と形成しない「非線維性」の2種類あります。
さらに、構造でも細かく分かれます。
コラーゲンには、Ⅰ型、Ⅱ型など約30種類のタイプがあることが知られています。
そのうち、お肌で最も多いのはⅠ型コラーゲンで、ほかではⅢ型コラーゲンなどもあります。
体内では、コラーゲンはビタミンCの力で増えることが知られています。
2)コラーゲンの組成とはたらき
コラーゲンは、そのタイプで少しずつアミノ酸組成が異なっています。
たとえば、I型コラーゲンは、グリシン残基が1/3を占め、プロリン及びヒドロキシプロリン残基を合わせて21%、アラニン残基が11%と、ほかのたんぱく質とはかなり違った組成です。
<Ⅰ型コラーゲンのアミノ酸組成>
- グリシン 3%
- プロリン 7%
- ヒドロキシプロリン 3%
- グルタミン酸 10%
- アラニン 4%
- アルギニン 7%
- アスパラギン酸 5%
- セリン 4%
- リジン 3%
- ロイシン 6%
- バリン 2%
- スレオニン 9%
- フェニルアラニン 6%
- ヒドロキシリジン 5%
- イソロイシン 2%
- ヒスチジン 9%
- メチオニン 9%
- チロシン 6%
このようたくさんのアミノ酸でできているのです。
そんなコラーゲンは、皮膚の中ではほとんどが真皮にあって、約70%を占めています。
三つ網のような3重のらせん構造で皮膚を支えているため、お肌の弾力を支える成分としてはたらいています。
コラーゲンは、肉眼では白色に見え、煮ると膠(にかわ)、つまりゼラチンになります。
そんなことから、日本語では、「膠原線維(こうげんせんい)」と呼ばれているのです。
さらに、細かく分解されるとコラーゲンペプチドになりますが、化粧品やサプリメントで使われるのはほとんどがこの状態です。
<コラーゲン・ゼラチン・コラーゲンペプチドの関係>
3)ヒトのコラーゲンの種類と特徴
代表的なタイプについて簡単に説明します。
お肌と関係が深いのは、Ⅰ型、Ⅲ型、Ⅳ型です。
①I型コラーゲン
線維性です。
人やほかの脊椎動物では最大の量のコラーゲン。
骨や皮膚に大量にあって弾力性と強さを持たせています。
皮膚のコラーゲンの90%がⅠ型です。
②Ⅱ型コラーゲン
線維性です。
硝子軟骨や眼球の硝子体液の成分となるコラーゲンです。
③Ⅲ型コラーゲン
線維性です。
Ⅰ型と一緒に存在することが多いコラーゲンです。
「若さのコラーゲン」とも呼ばれています。
傷が治る初期段階で増え、その後、Ⅰ型コラーゲンに置き換わるプロセスを経て傷が治るという特徴的なはたらきがあります。
④Ⅳ型コラーゲン
非線維性です。
基底膜を構成する主成分となって、上皮細胞の足場を形成するコラーゲンです。
⑤Ⅴ型コラーゲン
線維性です。
I型とⅢ型がある骨や皮膚などに少量含まれているコラーゲンです。
⑥Ⅵ型コラーゲン
非線維性です。
細線維(マイクロフィブリル)の成分となるコラーゲンです。
⑦Ⅶ型コラーゲン
非線維性です。
皮膚の表皮と真皮の境界の基底膜近くにあるコラーゲンです。
⑧Ⅷ型コラーゲン
血管内皮細胞などで作られています。
短鎖コラーゲン(short chain collagen)と呼ばれています。
⑨Ⅸ型コラーゲン
軟骨のコラーゲン線維に結合しています。
⑩Ⅹ型コラーゲン
Ⅷ型と同じく短鎖コラーゲン(short chain collagen)と呼ばれています。
肥大軟骨層に多くあります。
4)お肌のコラーゲンは、プルプル?
さて、コラーゲンと聞けば「プルプル」「プルンプルン」のイメージがあると思います。
でも、実際は、違います。
皮膚の多くを占めるⅠ型コラーゲンは、強靭な線維で伸び縮みする性質は少なく、皮膚を支えているのです。
皮製品をイメージしていただけると最もわかりやすいのですが、皮の手袋やベルトなどは真皮のコラーゲンがたくさん詰まっているのです。
一方、Ⅲ型コラーゲンはⅠ型より少し柔らかく、お肌の弾力に影響を与えます。
そんなコラーゲンは、加齢で減少します。
また、女性ホルモン(エストロゲン)の減少や紫外線ダメージによる光老化、酸化、糖化などの影響で減ったり、変性することが知られています。
<参考記事>
*注目の新発見!コラーゲンの「カルバミル化」は顔たるみの原因
*コラーゲンの敵!紫外線による光老化から肌を守るコラーゲンペプチド
*コラーゲンを毎日食べて、紫外線による光老化や肌老化を予防しよう!
5)真皮の中のコラーゲン以外の成分
真皮には、コラーゲン以外にも線維芽細胞、組織球、肥満細胞(マストセル)、形質細胞などの細胞成分があります。
コラーゲンは、この中の線維芽細胞によってつくられているのです。
また、線維芽細胞が、コラーゲン以外にもエラスチン、ヒアルロン酸、プロテオグリカン などをつくり出します。
線維芽細胞は、とても大切な細胞なのです。
コラーゲンを含め、これらの成分は細胞と細胞の間を埋めているので、「間質成分」あるいは、細胞外マトリクスと呼ばれています。
お肌のコラーゲンについて概ね理解できましたでしょうか?
線維芽細胞をイキイキとした状態にしておくことがコラーゲンを生み出す力のあるお肌、
つまり、健やかな美肌にとってとても大切です。
そんなエイジングケアのためには、食生活をはじめとする日常生活が大切です。
なお、コラーゲンについての詳しい情報は、「コラーゲンのエイジングケアとアンチエイジングの効果と役割」の記事をご参照ください。
3.化粧品成分としてのコラーゲンとは?
1)化粧品成分としてのコラーゲンの基本
化粧品、あるいはエイジングケア化粧品に配合されるコラーゲンは、人由来のものではありません。
コラーゲンはさまざまな種類や呼ばれ方がありますが、基本は動物由来か魚由来のものです。
また、化粧品成分のコラーゲンの多くは、加工して細かくされています。
なぜなら、動物や魚のコラーゲンは本来、水に溶けないからです。
そこで、酸やアルカリ、酵素などを用いて、溶解して抽出し、水溶性の成分に加工されるのです。
だから、化粧品成分としてのコラーゲンの多くは、「水溶性コラーゲン」または「加水分解コラーゲン」です。
また、最近では、ナノ化技術を使ってとても小さな分子にする場合もあります。
今では、加工技術が進み、さまざまなタイプのコラーゲンがつくられるようになっています。
2)コラーゲンはなぜ分解が必要なの?
動物由来でも魚由来でもコラーゲンは、もともと3重のらせん構造の線維状の成分です。
そして、その両端には、アレルギーの原因になりうる部分があります。
この部分を、「テロペプチド」と呼びますが、人のからだや動物、魚の中では、この部分がコラーゲン同士を結びつけ、水に溶けない状態で皮膚の弾力をもたらすためにはたらいているのです。
しかし、テロペプチドには、人であれ、動物や魚のコラーゲンでも、アレルゲンとしてアレルギーを引き起こす可能性があります。
そこで、化粧品成分やサプリメントの成分として使うために、テロペプチドを酵素で除去するのです。
このように化粧品成分としてのコラーゲンは、アレルギーが起こるリスクを下げる工夫がなされ、安全性に配慮されているのです。
4.化粧品成分としてのコラーゲンの種類
各化粧品会社がマーケティングや販売目的、差別化のためにさまざまな呼び名を付けています。
しかし、化粧品成分としてのコラーゲンは、大きく3つに分けられます。
1)アテロコラーゲンとは?
テロペプチドを酵素的に分解したコラーゲンを、「アテロコラーゲン」と呼びます。
増粘剤を加えたり、サクシニル化やミリスチル化とよばれる化学的な加工(修飾)で少し性質の異なったアテロコラーゲンができます。
また、水溶性コラーゲンとも呼ばれることもあります。
定義では、アテロコラーゲンは、「酵素処理によりテロペプチドを除去したタンパク質」です。
一方、水溶性コラーゲンの定義は、「哺乳動物又は魚介類、鳥類などの結合組織から得られる可溶性の非加水分解天然タンパク質」です。
だから、厳密には違いますが、どちらもテロペプチドがない場合がほとんどなので、よく似たものといえます。
アテロコラーゲンは、3重のらせん構造を留めています。
そのため、一般的に分子量が大きく、水溶液は比較的粘性が高く、とろみがあります。
これをエイジングケア化粧品などに配合した場合、少量の配合でも化粧品のテクスチャーを変えることができます。
また、アテロコラーゲンは、美容医療でコラーゲン注射や医療用のインプラントなどでも使用されます。
さらに、アテロコラーゲンに水とフェノキシエタノールなどを混合している原料もあります。
化粧品の全成分表示では、水溶性コラーゲン、アテロコラーゲン、サクシニルアテロコラーゲン、サクシノイルアテロコラーゲンやミリストイルサクシニルアテロコラーゲンと表記されます。
また、医薬部外品ではサクシノイルアテロコラーゲン液と表記されます。
2)加水分解コラーゲンとは?
アテロコラーゲンより小さく、加水分解したものが、「加水分解コラーゲン」です。
厳密にいえば、これは「コラーゲンペプチド」です。
加水分解コラーゲンは、浸透力を高めるために分子を小さくしたもので、もともとのコラーゲンが持っていた3重のらせん構造などの特性が維持されているものではありません。
そのため、粘性は少なくサラッとしていて、肌になじみがよいのが特徴です。
また、アテロコラーゲンと違って、化粧品のテクスチャーに影響を与えることは少ないのです。
化粧品の全成分表示では、加水分解コラーゲンと表記されます。
また、医薬部外品では加水分解コラーゲン液と表記されます。
「アテロコラーゲン」「加水分解コラーゲン」という呼び方は、化粧品成分をつくるプロセスに焦点をあてた呼び方で、どちらも動物由来、魚由来のものがあります。
3)低分子コラーゲンって?
加水分解コラーゲンをさらに小さく加工したものが、低分子コラーゲンです。
最近では、分子量が1,000ダルトン以下の「ナノ化コラーゲン」または「浸透型コラーゲン」と呼ばれる成分もできています。
しかし、これらはコラーゲンと呼ぶよりも化学的にはペプチドに近いものです。
最近、話題になっているDHCのスーパーコラーゲンも同じです。
この成分は、表示名称は、「ジペプチド-8」なのです。
5.コラーゲンには種類がいっぱい?
「アテロコラーゲン」「加水分解コラーゲン」「低分子コラーゲン」という呼び方は、加工プロセスに焦点をあてた呼び方です。
一方、何からつくられているかという由来によっても、コラーゲン化粧品を販売する化粧品メーカーや販売会社がさまざまな呼び方をしています。
必ずしも学術的な観点ではなく、マーケティング的に響きやすい呼び名で名前がつけられることもありますので、名前のイメージだけでなく、その製造プロセスと由来を理解することが大切です。
エイジングケア化粧品をはじめ化粧品成分の呼び方は、こうしたものがたくさんあるので、その意味をしっかり理解しましょう。
1)動物性コラーゲン
主に牛や豚、鶏などから抽出されるコラーゲンで、アニマルコラーゲンと呼ばれることがあります。
ヒトのコラーゲンに近い構造を持っています。
熱に強いという特性があり、比較的加工もしやすいため、これまで最も一般的に用いられてきたコラーゲンの種類です。
牛から抽出する “牛由来のコラーゲン” が多く使われていたのですが、狂牛病事件以降は、そのイメージから使用量は減っているようです。
現在では、厳しい制限があるため、しっかりした企業のものなら、牛由来でも安全性の高いチェックがされています。
2)海洋性コラーゲン
サケやブリなどの魚の皮や鱗から抽出したコラーゲンで、フィッシュコラーゲンと呼ばれることもあります。
さらに、天然の魚の骨や皮から抽出したものをマリンコラーゲン、魚のウロコから抽出したものをスカールコラーゲンと細かく分けることもあります。
これらは、ニオイも少ないという特徴があり、特に皮から抽出した水溶性コラーゲンは上質なものとされています。
<参考記事>
*マリンコラーゲンとフィッシュコラーゲンに大きな違い!真実は?
*マリンコラーゲンのメリットと提供理由!日本酵研さんにインタビュー
3)生コラーゲン
3重のらせん構造を維持するために、非加熱で製造されたものが、生コラーゲンと呼ばれています。
3重のらせん構造が維持されているので、「生」と名付けられているようです。
アテロコラーゲンの1種で、加水分解コラーゲンより分子量は大きく、お肌の表面での保湿力が高いのが特徴です。
4)人(型)コラーゲン
最近、人(型)コラーゲンという成分を配合した化粧品があります。
実際のヒトのコラーゲンではなく、遺伝仕組み変えで作った蚕がヒトに近いものをつくり出すことから、そう呼んでいるようです。
ヒトのコラーゲンではありません。
5)植物性コラーゲン
最近、「植物性コラーゲン配合」を名乗る化粧品があります。
しかし、結論からいえば、そんな成分は存在しません。
コラーゲンは、人をはじめとする動物や魚由来の成分です。
ニンジンに含まれる「ヒドロキシプロリン」というアミノ酸が、コラーゲンに含まれるアミノ酸と同じものであることから、「植物性コラーゲン」といういい方をしているケースと、大豆に含まれる「イソフラボン」に保湿作用があることから、「植物性コラーゲン」と名乗られているケースがあります。
これらの成分がよいかどうかはともかく、本来、植物性のコラーゲンは存在しないため、こうした化粧品はコラーゲン化粧品ではない、と考えるのが妥当です。
6.コラーゲンはどんな化粧品に配合されるの?
1)アテロコラーゲンや水溶性コラーゲンが配合される化粧品
とろみのあるテクスチャーの化粧品に配合されています。
ただし、配合濃度が低いとそれほど大きな影響はありません。
クレンジングジェルなどのクレンジング料、洗顔石けんや洗顔フォームなどの洗顔料、保湿化粧水、美白化粧水、保湿美容液、乳液、保湿クリーム、フェイスマスクやフェイスパック、オールインワンゲルやオールインワンジェル、ハンドクリーム、フェイスマッサージ用のクリームなどに使われます。
さらに、口紅やリップグロスなどの唇ケア用品、シャンプーやコンディショナー、ヘアパックなど毛髪や頭皮のケア用品、ネイルケア用品、化粧下地やファンデーションなどメイクのアイテムにも使われます。
また、エイジングケア化粧水やエイジングケア美容液などにも配合されます。
2)加水分解コラーゲンが配合される化粧品
どちらかといえば、サッパリ系のスキンケアアイテムによく配合されます。
加水分解コラーゲンには、保湿効果に加えて、皮膚や頭髪に保護膜をつくる効果などがあります。
こうした使い勝手の良さから、加水分解コラーゲンも多くの化粧品に配合されます。
具体的には、化粧水、美容液、乳液、保湿クリーム、フェイスマスク、オールインワン化粧品、クレンジング料、酵素洗顔料、ハンドクリーム、シャンプー、コンディショナー、育毛剤などです。
もちろん、エイジングケア化粧品にもよく配合されます。
たとえば、酵素洗顔パウダー「ナールス フォーム」には、魚由来の加水分解コラーゲンを配合しています。
7.エイジングケア化粧品成分としてのコラーゲンの効果と役割とは?
1)コラーゲンの化粧品成分としての効果・役割は?
エイジングケア化粧品に配合されたコラーゲンの基本的な役割は、角層で水分を保持することです。
つまり、お肌の保湿を担っている保湿成分としての役割があります。
その保湿効果で、結果的にバリア機能を改善したり、ターンオーバーの正常化が期待できます。
化粧品成分のコラーゲンで大きいものは、分子量10万ドルトン以上です。
一般的に、種類別の大きさは次のとおりです。
- 動物由来のコラーゲンなら、約30~40万ダルトン
- 魚由来のコラーゲンなら、約10万ダルトン
- 動物、魚いずれの由来でも加水分解コラーゲンなら、約1万ダルトン
- さらに細かく加工した低分子コラーゲンなら5000ダルトン以下
分子量の大きなコラーゲンは化粧品に配合されれば、お肌表面でとどまって保湿をサポートします。
しかし、最近では、低分子化が進んでいます。
それは、浸透性の向上が目的です。
一般に、低分子コラーゲンとは、5,000ダルトン以下の加水分解コラーゲンです。
先ほどもお伝えしましたが、最近では、1,000ダルトン以下の分子量のコラーゲンも登場しています。
分子量の小さなコラーゲン(ペプチド)は、角質にまで届いて、水分を抱え込んで保湿をサポートします。
ただし、アテロコラーゲンなどの高分子のコラーゲンに比較すれば、分子量が小さいので角層の奥まで浸透する可能性はありますが、どんなに小さくても真皮までは届きません。
ほかのエイジングケア化粧品成分でも分子量の大きさと浸透のことが話題にでますが、
500ダルトン以下の成分しか角層の奥までは届かないと考えられています。
ここでお見せしている図は、分子量が約331のとても小さなエイジングケア化粧品成分であるナールスゲンとコラーゲンの大きさをビジュアル的に比較したものです。
要は、コラーゲンは、化粧品成分としては、加工された形で使われる保湿成分なのです。
また、もちろん、人がもとから持っているコラーゲンになることもありません。
コラーゲンの最大の誤解のポイントはここにあります。
2)コラーゲンによくある誤解と限界
エイジングケア化粧品成分のコラーゲンと人のコラーゲンの理解ができていないため、
「エイジングケア化粧品で塗ったコラーゲンが、あたかも人のコラーゲンと同じようにはたらく」
という誤解をしてしまうのです。
それでは、「美容医療で使われるコラーゲンは、自分のものになるのでは?」という声もあります。
美容医療で使われるのは、アテロコラーゲンです。
これが、コラーゲン注射でお肌の中に入った場合は、半年から1年程度とどまり、しわやたるみを目に見えて改善することが可能です。
それでも、美容医療で使うコラーゲンも自分自身のものと同化してはたらいているのではありません。
「それなら、コラーゲン化粧品で、なぜ、お肌のハリやツヤが期待できるの?」という疑問もありますね。
コラーゲン化粧品でハリやツヤをもたらされたのは、お肌が十分、保湿されて、お肌の乾燥が改善したからです。
コラーゲンまたは一緒に配合されているエイジングケア化粧品成分がしっかりはたらき、保湿されたことで、お肌が潤うなどよい影響を与えたのです。
決して、自分のお肌のコラーゲンになったからではなく、コラーゲンをはじめエイジングケア化粧品成分が全体として、乾燥肌を改善してハリやツヤもたらしたのです。
なお、コラーゲン化粧品の効果に関しては、論文などのエビデンスは多くはありません。
一例として、鮭由来のコラーゲンが試験管内の実験でヒアルロン酸を増やしたという論文があります。
<参考記事>
*コラーゲンをサプリメントで摂れば効果的。エビデンスを知って美肌に!
3)コラーゲン化粧品で改善できる肌悩み
コラーゲンは乾燥が原因の肌悩みであれば効果を期待できます。
具体的には、毛穴、くすみ、小じわほかたくさんありますが、乾燥が原因で目立っている場合なら、コラーゲン化粧品で改善することが可能なのです。
一方、顔のたるみが原因で目立っているほうれい線を消すことやシワを消すこと、たるみ毛穴を解消することなどは、コラーゲン化粧品ではできないのです。
もちろん、目元のしわや口元のしわであっても乾燥による小じわなら、コラーゲン化粧品で乾燥が改善すれば目立たなくすることが可能です。
また、乾燥が原因でほうれい線、たるみ毛穴が目立っているなら、こちらも改善可能です。
しかし、コラーゲンの効果は、たるみを解消するものではないのです。
エイジングケア化粧品の中のコラーゲンは、優れた保湿成分の1つです。
また、化粧品メーカーの努力で、種類も増え、いろいろな工夫もなされています。
使い勝手もよいこと、いまや市場に普及しているため比較的安価で使えることもあり、エイジングケア化粧品にもよく配合される化粧品成分なのです。
これが、コラーゲンが多くのエイジングケア化粧品に配合される理由です。
保湿全般に関しては、
「お肌の保湿とは?本当にわかるスキンケアの基本と保湿成分」を参考ください。
<参考記事>
4)コラーゲンの安全性は?
先ほど詳しく説明しましたが、良識ある化粧品成分会社が作っているものは、加水分解で、テロペプチドが除去されているので、化粧品成分としては、安全性にほとんど問題はないと考えられています。
コラーゲンは、刺激もなく化粧品成分として使いやすいのです。
もちろん、毒性もありません。
一方、美容医療で使うコラーゲンはリスクがないわけではありません。
コラーゲン注射で使う場合は、医師による事前のパッチテストが必須です。
5)コラーゲン化粧品を使ってはいけない肌質や肌悩みは?
①コラーゲンを使ってはいけない肌質は?
先ほどもお伝えしましたが、コラーゲンは基本的に安全性の高い水溶性の保湿成分です。
だから、肌質で使ってはいけないものもありません。
普通肌はもちろん、脂性肌(オイリー肌)、インナードライ肌、混合肌でも問題なく使えます。
また、敏感肌でも多くの方は使える成分です。
それでも、どんな化粧品成分も100%安全とはいえません。
かゆみまたは赤みがでたり、肌荒れなどが起こる可能性も否定できません。
アトピー性皮膚炎がある方や敏感肌の方、お肌が弱い方は、パッチテストをすることをおすすめします。
②コラーゲンを使ってはいけない肌悩みは?
乾燥が原因である肌悩みにはコラーゲンを使うことで効果が期待できることはお伝えしました。
しかし、乾燥が原因でない肌悩み、たとえば表情筋や皮下組織の衰えが原因の肌悩みなどによる「たるみ」を改善することはできません。
これらに使っていけないわけではありませんが、効果は期待できません。
コラーゲン化粧品では、目の下のたるみ、まぶたのたるみ、深いしわ、目の下のクマの中の黒クマなども根本的な解決方法にはなりません。
また、コラーゲンには美白効果はありませんから、茶クマやシミなどにも効果は期待できません。
8.コラーゲン化粧品を選ぶポイントは?
1)コラーゲン化粧品の選び方の基本
コラーゲン化粧品といっても、ほとんどのエイジングケア化粧品はそれだけが配合されているわけではありません。
ほかの保湿成分やエイジングケア化粧品成分が配合されています。
また、複数の種類のコラーゲンを一緒に配合されている場合もあります。
配合されるコラーゲンの違いは、今、説明してきた製造プロセス、分子量由来です。
分子量の大きなアテロコラーゲンは、お肌表面の保湿に向いているでしょうし、加水分解コラーゲンは分子量が小さいので、角層の保湿に向いています。
コラーゲンによって、若干の浸透力と保湿力の違いはありますが、それだけでつくられる化粧品は、ほとんどないはずなのでコラーゲンだけを過度に意識して比較する必要はありません。
どちらかといえば、コラーゲン以外の化粧品成分やエイジングケア化粧品成分がどんなものかをチェックしましょう。
たとえば、セラミド、ヒアルロン酸Na、水溶性プロテオグリカンなど保湿力の高い成分が配合されているかどうかがポイントの1つです。
そのほかのポイントとしては、肌に刺激のある成分が含まれていないことです。
エイジングケア世代なら、アルコール(エタノール)や香料、着色料などが無添加の化粧品がおすすめです。
2)テクスチャーと種類
サッパリしたタイプのエイジングケア化粧品には、加水分解コラーゲン、とろみのあるタイプのエイジングケア化粧品にはアテロコラーゲンが配合されている可能性が高いです。
テクスチャーは、ほかの化粧品成分でも調整されますので、必ずしもそうでない場合もあります。テクスチャーについては、好みで選べばよいと思います。
3)企業の信頼性やお試し・サンプルがあるコラーゲン化粧品
万が一、広告・宣伝の際に、「真皮でお肌のコラーゲンになる」などということが謳われている場合は、その企業のエイジングケア化粧品には手を出さないほうが賢明です。
今や、そんな会社はないと思いますが、しっかりと情報提供している企業のエイジングケア化粧品を選びましょう。
また、お試しや無料サンプル、返品保証などがあるコラーゲン化粧品もリスクが小さいのでおすすめです。
4)エイジングケアを意識するなら抗酸化成分などを!
エイジングケアを意識するなら、ビタミンC誘導体、ビタミンE誘導体、フラーレン、アスタキサンチン、プラセンタ、コエンザイムQ10、金コロイド、エルゴチオネインなどの抗酸化作用のある成分が配合されたコラーゲン化粧品を選ぶことがオススメです。
5)エイジングケア化粧品としてのコラーゲンを考えるポイントは?
コラーゲン化粧品を選ぶポイントは次の5点です。
- 化粧品成分としてのコラーゲンは広く普及し、由来・加工方法などでさまざまな種類がある。しかし、基本的なはたらきは保湿なので大きな差はない。
- 化粧品成分としてのコラーゲンに期待できるのは、優れた保湿成分としての力。しかし、分子量の大きさで浸透性が違う。
- コラーゲンをエイジングケア化粧品として取り入れることは、よい選択肢の1つ。ただし、奇抜な名前が冠についたものはオススメできません。
- 信頼できる企業のものであれば、エイジングケア化粧品のコラーゲンの違いに過度にこだわる必要はない。お好みで選びましょう。
- コラーゲン化粧品選びは、それ以外の保湿成分、エイジングケア化粧品成分をチェック。抗酸化作用のある成分がエイジングケアにオススメ。
9.コラーゲンにアプローチするエイジングケア化粧品成分って?
最近では、外部からコラーゲンを補うのではなく、コラーゲンの生成を助けるエイジングケア化粧品成分の研究も行われています。
また、ビタミンA誘導体(レチノールやレチノイン酸トコフェリル)やビタミンC誘導体(アスコルビン酸NaやVCエチル、APPS、セラミドプロモーター)、ナイアシンアミドは、コラーゲンの生成を助けることが知られています。
コラーゲンの産生をサポートするエイジングケア化粧品成分としてはナールスゲンやネオダーミルなどがあります。
ナールスゲン、ネオダーミルの詳しいページはコチラ
◎ナールスゲン
ナールスゲンは、Ⅰ型コラーゲン以外にもエラスチン、ヒートショックプロテイン(HSP)47、グルタチオンを増やします。
さらに、最近では、ヒアルロン酸やヒートショックプロテイン70を増やすこともわかってきました。
<参考記事>
*HSP(ヒートショックプロテイン)でシワやほうれい線が予防できる!
*シミを予防するHSP(ヒートショックプロテイン)の効果とは?
ネオダーミルは、Ⅰ型コラーゲン、Ⅲ型コラーゲン、エラスチンを増やします。
これらは、実験でコラーゲンを増やすことが実証されたエイジングケア化粧品成分です。
しかし、人の皮膚でコラーゲンが増えるのを確認したのではなく、人の肌から取り出した線維芽細胞に対してナールスゲンやネオダーミルを塗布した場合に得られたデータです。
ナールスゲンやネオダーミルを配合したエイジングケア化粧品で実験したわけではありません。
さらに、エイジングケア化粧品であっても、薬機法によって、真皮まで浸透しないことが化粧品の条件です。
したがって、ナールスゲンやネオダーミルを配合したエイジングケア化粧品がお肌のコラーゲンを増やすということはできません。
しかし、これらのエイジングケア化粧品成分が配合された化粧水や美容液などで、お肌のハリやツヤが出るなどのよい影響も実際にあります。
エイジングケアをしっかり考えるなら、こうしたエイジングケア化粧品成分が一緒に配合されるコラーゲン化粧品を選ぶのも選択肢の1つです。
また、コラーゲン化粧品とこれらのエイジングケア化粧品成分配合のものを組み合わせて使うことも選択肢の1つです。
<コラーゲン化粧品の選び方の参考記事>
*60代・70代も大切!エイジングケア化粧品の選び方と使い方
<参考図書>
10.まとめ
コラーゲン化粧品の特徴、種類、効果、安全性などを幅広くご紹介しました。
エイジングケア化粧品によく配合される理由などをご理解いただけましたでしょうか?
エイジングケア化粧品によく配合されるコラーゲンは、優れた保湿成分の1つです。
しかし、自分のお肌のコラーゲンとは別モノであることは認識しましょう。
また、はたらきが違うことも理解しておきましょう。
さらに、コラーゲン化粧品を選ぶ場合も、コラーゲンの違いを過度に気にせず、ほかの保湿成分やエイジングケア化粧品成分をチェックしましょう。
ぜひ、上手にコラーゲン化粧品を使って健やかな美肌を手に入れてくださいね。
この記事「コラーゲン化粧品の種類と効果!エイジングケアに大切?」が、エイジングケア世代の皆様のお役に立てば幸いです。
ナールスゲン配合エイジングケア化粧品の詳しい内容は、こちらからご覧いただけます。
著者・編集者・校正者情報
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。
医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。
一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト
著作(共著)
(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子)
大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
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